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2006/05/13

首相の靖国参拝と外交

戦後せっかく築き上げてきた中国・韓国などとの関係が、小泉首相の靖国神社参拝で悪化している現状は憂慮すべき事態です。

小泉首相は「個人の資格で行くのだからとやかく言われる筋合いではないし、他国の干渉は受ける必要もない」との態度を示しています。しかし、小泉氏の個人的な資格はどうあれ、日本国の首相として国益を最優先すれば、靖国参拝は差し控えるべきという結論を容易に導き出せると思います。

そもそも、中国や韓国はどうして小泉首相の靖国を批判するのでしょうか。彼らはまず、侵略戦争の指導者として極東軍事裁判(東京裁判)で有罪判決を受けた東条英機元首相ら14名(いわゆるA級戦犯)を祀る場所を参拝することに、不快感を示しています。

これに対して、日本国内では「国のため、戦争で犠牲になった軍人・軍属を祀っている靖国神社を参拝するのはごく当たり前のことであり、何ら問題はない」という論もあります。また、東京裁判そのものを否定的にとらえて「勝者(連合国)が敗者を一方的に裁いたのもので、判決そのものが無効だ。A級戦犯は存在しない」という主張も存在します。

先の戦争への思いや評価はさまざまですが、この問題はやはり日本として特別な配慮が必要です。侵略され、痛めつけられた側の立場を理解することはとても大事なことであると私は考えます。その出発点はまず、この国がかつて中国や韓国に侵略戦争を仕掛け、多大な損害を与えた歴史を忘れてはならないということです。

したがって、侵略戦争の最高指導者として裁かれた14名は、靖国神社から分祀(切り離して祀る)することも必要でしょう。もし、靖国神社側がこれを不可能とするならば、宗教色のない国立の追悼施設を造るしかありません。

これまで、歴代の首相を含めて保守色の強い政治家たちは、日本遺族会に配慮せざるを得なかった面があったと思います。しかし、そのことに拘っていたのでは、問題はいつまで経っても解決には至りません。また、強気一点張りの外交は過去の日本に照らし合わせても分かる通り、国益を大きく損なうことにもなりかねません。

これ以上、中国や韓国などアジア諸国との関係を悪化させることは避けなければなりません。政府は今こそ決断し、アジア外交を正常な形に戻すべきです。

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