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2006/09/20

9月県議会で知事を質す

今月12日に開会した秋田県議会で、私は2年前の6月に引き続き、秋田県の経済・産業・県民生活が非常に厳しい状況に置かれていることを指摘いたしました。その根拠となる経済産業省(旧通商産業省)、農林水産省など政府統計資料の一部を紹介すると、下記のようになっております。

1.県内総生産

平成9年:3兆9500億円
平成15年:3兆7000億円
  ※全国36位(-2500億円)

2.製造品出価格

平成9年:1兆7300億円
平成16年:1兆4000億円
  ※全国40位(-3300億円)

3.年間商品販売額

平成9年:3兆7500億円
平成16年:2兆6200億円
  ※全国35位(-1兆1300億円)

4.農業総生産

平成9年:2400億円
平成16年:1788億円
  ※東北・北海道で最下位(-612億円)

5.県民所得

平成9年:248万円
平成15年:234万円
  ※全国平均295万円、東京は426万円

6.雇用者(経営者)報酬

平成9年:411万円
平成15年:377万円
  ※全国平均504万円、東京は654万円

これらの資料を見れば分かる通り、ただでさえ水準の低い秋田県の各指数はさらに下降線を辿っています。歯止めの利かない状況の中、秋田県がさまざまな分野で全国最下位クラスに転落している現実は、正に「危機的」と言えるのではないでしょうか。

私は寺田知事に対して、県の施策の方向性を決める「基本計画」や「実施計画」の目標値と、こうした現実があまりにも乖離していると指摘。さらに、毎年打ち出している政策や施策について県が「70~80%順調に進捗」としている点、知事自身が「県政は順調」としている点についても質しました。

事実、この数値を見て「県政は順調だ」と安心する県民はいるでしょうか。例えば、県が行っている県民意識調査からも、県の主要政策があまり評価されていない実態が浮かび上がっているのです。

また、知事は道州制に強い意欲を示しておりますが、慌しく進める必要はないと私は考えます。仮に導入を急いだとしても、現在の秋田が抱えている問題が、他県との合併で解消されるとは思えないからです。道州制よりもまず、秋田の大きな課題である人口減少や雇用の改善、経済の立て直しなどが急務であり、多くの県民の皆さんもそれを望んでいます。

こうした私の質問に対して、知事の答弁は前回と同じく「経済社会の急激な変化によって、十分な対応ができなくなっている」「世の中の流れで仕方がない」といったものでした。これは焦点をぼかした、あるいは意図的に的を外した曖昧な表現であり、傍聴された皆さんも残念に思ったことでしょう。

今、知事にとって最大の関心事は海外のことや道州制など、県民の日常生活とは少しばかり距離のある問題が多いように見受けられます。しかし、それよりも大切なことは、破綻しかかっている私たちの故郷をどう立て直すかだと思います。。

「高松さん、今だよ。今やらないと、秋田は本当にダメになっちゃうよ。」

先日、私に電話をくださったある経営者の方の言葉です。耳にした瞬間、私はその言葉の持つ重みをズシリと感じました。今やらなければ、いつやるのか。それは私自身が胸に抱いている想いとまったく同じであり、改めて闘志が湧き上がってきました。

県議会はこの後、総括質疑が予定されています。秋田の現状と課題については、改めて知事と議論していかなければ、と考えているところです。

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2006/09/09

今、なぜ『国家の品格』か

昨年発行された『国家の品格』(新潮新書/税込み714円)という本が、数百万部のベストセラーとなっています。私も最近、複数の方から「高松さんは読みましたか」と尋ねられました。

この本の著者は、『強力伝』『八甲田山・死の彷徨』『武田信玄』などの作品で知られる作家・新田次郎さんの二男で、数学者の藤原正彦さんという方です。藤原さんは政治学などの専門家ではありませんが、とても分かりやすい内容だと評判になっています。しかし、今どうしてこの本が売れているのでしょうか。

それは読めばお分かりになると思うのですが、日本人が本来持っていた心の豊かさが失われ、社会全体が殺伐としていることと無縁ではありません。人々はこの荒廃した時代の中で疲弊し、将来に対して失望しています。そして、国家は国家で権威と品格を失い、国民を守ることすらできないのが現状です。

おそらくは、こうした有様への憂いが背景にあると私は考えます。そんな「日本」という国に政治的にはまったく素人の藤原さんがズバリと警告を発し、分かりやすく回答を示したのがこの『国家の品格』であり、その痛快な切り口が多くの読者の心をつかんだのでしょう。

日本人ならではの情緒が、市場主義経済や戦後のアメリカ化によって失われつつある中で、「このままでは社会の荒廃を食い止めることはできない」という危機感を多くの国民が抱いていることは疑いようがありません。

日本古来の道徳の基準は武士道精神にあるとし、慈愛・誠実・忍耐・正義・勇気・惻隠の情などがそこに含まれると藤原さんは指摘しています。武士階級の行動規範こそが、日本人全体の行動規範であったとし、この精神をもう1度取り戻さなければならないというのです。

藤原さんによれば、品格ある国家とはまず「独立不羈」(どくりつふき)なのだそうです。これは自らの意思に従って行動できる独立国家を指しています。藤原さんは現代の日本がアメリカの植民地状態にあり、この「独立不羈」の条件を満たしていないと分析。私たち日本国民が戦いに敗北して失った誇りと自信、高い道徳、美しい田園を今こそ取り戻さなければならないとしています。

いささか脱線気味の箇所もあるものの、全体として見れば『国家の品格』は非常に面白く、ベストセラーになったのも頷ける内容でありました。さて、皆さんは話題となったこの1冊にどのような感想をお持ちになるでしょうか。

さて、ここ2週は議会や党の視察・研修・セミナーなどが続き、ブログの更新が疎かになっておりました。大変申し訳ございません。今後は時間をより有効活用して定期的に記事を投稿いたしますので、何とぞ宜しくお願いいたします。

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