« 昭和の歴史を振り返る | トップページ | 9月県議会で知事を質す »

2006/09/09

今、なぜ『国家の品格』か

昨年発行された『国家の品格』(新潮新書/税込み714円)という本が、数百万部のベストセラーとなっています。私も最近、複数の方から「高松さんは読みましたか」と尋ねられました。

この本の著者は、『強力伝』『八甲田山・死の彷徨』『武田信玄』などの作品で知られる作家・新田次郎さんの二男で、数学者の藤原正彦さんという方です。藤原さんは政治学などの専門家ではありませんが、とても分かりやすい内容だと評判になっています。しかし、今どうしてこの本が売れているのでしょうか。

それは読めばお分かりになると思うのですが、日本人が本来持っていた心の豊かさが失われ、社会全体が殺伐としていることと無縁ではありません。人々はこの荒廃した時代の中で疲弊し、将来に対して失望しています。そして、国家は国家で権威と品格を失い、国民を守ることすらできないのが現状です。

おそらくは、こうした有様への憂いが背景にあると私は考えます。そんな「日本」という国に政治的にはまったく素人の藤原さんがズバリと警告を発し、分かりやすく回答を示したのがこの『国家の品格』であり、その痛快な切り口が多くの読者の心をつかんだのでしょう。

日本人ならではの情緒が、市場主義経済や戦後のアメリカ化によって失われつつある中で、「このままでは社会の荒廃を食い止めることはできない」という危機感を多くの国民が抱いていることは疑いようがありません。

日本古来の道徳の基準は武士道精神にあるとし、慈愛・誠実・忍耐・正義・勇気・惻隠の情などがそこに含まれると藤原さんは指摘しています。武士階級の行動規範こそが、日本人全体の行動規範であったとし、この精神をもう1度取り戻さなければならないというのです。

藤原さんによれば、品格ある国家とはまず「独立不羈」(どくりつふき)なのだそうです。これは自らの意思に従って行動できる独立国家を指しています。藤原さんは現代の日本がアメリカの植民地状態にあり、この「独立不羈」の条件を満たしていないと分析。私たち日本国民が戦いに敗北して失った誇りと自信、高い道徳、美しい田園を今こそ取り戻さなければならないとしています。

いささか脱線気味の箇所もあるものの、全体として見れば『国家の品格』は非常に面白く、ベストセラーになったのも頷ける内容でありました。さて、皆さんは話題となったこの1冊にどのような感想をお持ちになるでしょうか。

さて、ここ2週は議会や党の視察・研修・セミナーなどが続き、ブログの更新が疎かになっておりました。大変申し訳ございません。今後は時間をより有効活用して定期的に記事を投稿いたしますので、何とぞ宜しくお願いいたします。

|

« 昭和の歴史を振り返る | トップページ | 9月県議会で知事を質す »

「経済・政治・国際」カテゴリの記事

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/21420/3373824

この記事へのトラックバック一覧です: 今、なぜ『国家の品格』か:

» 藤原 正彦 [気になる言葉]
藤原 正彦(ふじわら まさひこ、1943年7月9日 - )は、満州国新京生まれの数学者、エッセイスト。専攻は数論、特に不定方程式論。 [続きを読む]

受信: 2006/09/12 15:50

« 昭和の歴史を振り返る | トップページ | 9月県議会で知事を質す »