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2006/11/14

官製談合の仕組みとは?

福島県に続き、和歌山県でも大阪地検の捜査が知事周辺に及んでいます。いずれも「天の声」と称する知事のひと声、あるいは意を受けた代理の働きかけで公共工事の請け負い業者が決まる談合が背景にあります。これらの事件は、知事の権限の大きさを示すものと言えるでしょう。

現在の公共工事の発注の仕方を見ていると、誰がトップでも「不正を行おう」と思えばできると私は思います。これは最初から自由な入札や競争をなかなかさせず、指名競争入札と呼ばれる方法で競争する業者を役所が事前に選ぶ制度に起因します。例えば、入札させたくない業者を役所が事前にチェックし、弾くこともできるわけです。

業界で強い発言力を持つ者は役所に耳打ちして事前に特定の業者を指名から外し、後は残った業者たちが裏で話し合いで落札者を決め、思い通りの額で公共工事を落とすという構図が「談合」であります。さらに、役所が最低制限価格を設定している時でも、それを聞き出してギリギリの額で札を入れたりします。

おそらく、自由な入札・競争をさせたら落札率はかなり下がるでしょう。言い換えれば、このような方法がまかり通ってるからこそ、公共工事の落札率は常に高いのです。

■奇妙な仕掛け

簡易公募型・公募型と言う、指名制ではない、比較的自由に、かつ広い範囲で入札参加できるような仕組み作りも進んでいます。しかし、これも入札の前に参加資格と称するハードルを設けて役所が厳しくチェックします。

公共工事であるからには、いい加減な工事をされては困ります。入札への参加を希望する業者の技術力などを調べるのは当然かもしれませんが、その業者を参加させる、参加させないの判断は最終的に役所に委ねられているのです。

近年は、それぞれの業者の技術力や経営内容をよく調べ、総合点をつけています。例えば、A社が公募型で入札に参加したいと思っても、総合点で一定水準に達していないと門前払いされます。

これは、仮に実績豊富な会社であっても、総合点のハードルを意図的に引き上げられると、入札には参加できなくなるというシステムです。どんな場合であっても、役所の判断で競争のルールや土台が作られる構図に変わりはないと言えます。

■抜本的見直しを

さて、秋田県でも公共事業の参加資格をめぐる不思議なケースが県議会で取り上げられたことがあります。

これはある公共工事の入札参加資格として設定された総合点が高すぎて、県内業者が1社も入札に参加できないというものでした。県は「非常に難工事であり、県内業者は技術的に無理である」と弁明しましたが、土木事業そのものに関して素人の私などは、納得しがたい説明であったと今も思っております。

公共工事は量そのものが減少して、利益率も下がっています。しかし、それでも民間発注の仕事に比べれば恵まれています。だからこそ、監視の目を潜り抜けて権力の中枢に近づこうとする業者が絶えないのでしょうし、これに関与して「お零れ頂戴」を企む政治家も出てくるのかもしれません。

汚職の土壌となる官製談合を防ぐためには、厳しいチェックを含めて制度を根本から見直す必要があります。小手先の改善では、また同じことが繰り返されるに違いないと私は考えます。欧米人の目から見て、日本の談合の仕組みは全くアンフェアなものでしょうし、指名入札制度も奇妙な仕掛けにしか映らないはずです。

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