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2006/11/21

大きく変わる日本の農政

昨日の決算特別委員会で、来年度から始まる新しい農業政策について質問しました。今回はその内容について少々説明したいと思います。

新しい施策ではまず、県内の農地を集落ごとに集約します。これは最低20町歩を一単位として5年後に法人化(会社組織化)を図り、農業経営に当たらせることを目標としています。

また、現在の認定農家4町歩以上も法人化される計画です。国はこれら法人を日本農業の中核と位置づけ、今後は集中して補助金などを投入し、保護育成していこうというのです。

寺田知事は今年の春から県内を駆け巡り、この集落営農を盛んに宣伝し、農家に参加を呼びかけています。しかし、この政策に対してはいろいろと意見が出ているのも事実です。

例えば、これら法人に参加しない日本中の中小農家や零細農家には、「切り捨てられる」のではないかという不安が根強くあります。実は、民主党もそれを危惧しています。

また、法人に参加する農家にしても、先祖から代々受け継いできた農地を手放すことに、少なからず抵抗を感じているようです。県の説明では、農地はあくまでも預託するのであり、所有権を法人に移すことはないとしています。つまり、法人から離脱すれば農地は農家に戻るというわけです。

農地の集約化・農家の法人化で営農規模を拡大すること以外、国際的な自由化の流れの中で日本の農業が生き残る術はないという点においては、私もこの国の考えには基本的に同意します。中小、零細を含む全ての農家に平均的に補助金をバラまく従来の農政は、逆に農業を弱体化させ、国際的な競争力をほどんど失わせてしまったとも思います。

しかし、集落単位の法人経営がうまく進むかといえば甚だ心配です。第一に、コメを中心とした営農では例え法人化しても、収益を上げていくことは難しいでしょう。

収益の向上をいかに図るか

国はコメの価格が下がった時に、3年間は米価の平均値の90パーセントを保証すると説明しています。ただし、これで充分だとはとても思えません。そこで県はコメ以外の部分(畜産、果樹や花、畑作など)を組み合わせて収益を上げるよう指導していくと説明しています。

しかし、県には過去何十年にもわたって、コメ以外の作物に転作するよう指導してきた過去があるのです。それでも、県内農家のコメ依存率は63パーセントと非常に高いのは何故でしょうか。それが決して簡単ではないことは、火を見るよりも明らかです。

私は、営農のポイントはここにあると見ています。

コメを中心とする営農の場合、5月から9月までの5ヶ月間、およそ150日あれば良い計算になります。したがって、農家は残り200日をどう生きるかです。この日数をうまく活用してコメ以外の作物に手を伸ばし、法人の収益向上に努めない限り、集団営農は早々に破綻するでしょう。

話を先ほどの農地預託に戻すと、個々の農家が農地を法人に貸して離農したとしても、働く場が他にないのでは困ります。農地集約を進める上で、こうした離農者が生活を維持するのに必要な職場を確保できるかどうかも、今後の大きな課題になるはずです。

いずれにしても、この法人化による農業経営は日本の農業、秋田の農業にとって「生きるか、死ぬか」の大きな賭けとなることは間違いありません。成功すればそれで良しですが、もし失敗したらこの国の「農」は壊滅するということです。

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