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2006/12/28

12月定例会の焦点(2)

私は県議会の商工労働委員会に籍を置いております。今回、その商工労働委員会では県の指定管理者の業者選定の在り方をめぐって激しい議論となりました。

そもそも、この分かり難い「指定管理者」制度とはいかなるものなのでしょうか。まずは、簡単にご説明申し上げます。

これは、県の公共施設――例えば公園やスポーツ施設、社会福祉施設などの管理を民間に委託し、少しでも経費を削減しようというものです。県ではこれまで、67の施設の管理を民間に委託しております。

それぞれの施設を委託する際、県では部局別に選定委員会を作ります。そして、知事公室が作成した審査基準に基づいて、業者を決定するわけです。

今回、問題となったのは工業用水の管理を委託する案件でしたが、これは審査基準のあいまいさや、選出の仕方がいい加減であったために疑問の声が噴出しました。

この件について、私が「赤字決算を3期連続で出している企業を管理者に選定して良いのか」と質問したところ、商工労働部の佐藤文一部長は「JVを組んでいる片方の会社は黒字である」とし、「赤字決算の会社も親会社がしっかりしているので大丈夫だと思い決定した」と答弁しています。

私が重ねて「では、県は赤字決済の会社でも時には選定するという方針なのか」と尋ねると、佐藤部長は「その通り」と言ったのです。そこで私は「それはおかしい。県の公共工事の入札であれば、1年でも赤字決算であった会社は指名にも入れてもらえない。こんなことは過去にも事例はなく、業界や県民から審査の仕方が変だと思われるのではないか。至急、方針を変えていただきたい」と激しく迫りました。

さらに、審査委員が県庁の職員3名とOB2人で構成されていることも見逃せません。この点について県側を質したところ、各委員からも同様の質問が集中、県はこれを受けて「早急に審査基準と審査委員の選定を見直す」と約束し、ようやく商工労働委員会は終了したのです。

手前ミソになりますが、今回は県議会のチェック機能が久々に発揮されたのではないでしょうか。

行政の不透明さや行き過ぎは、議会が指摘しない限り正されることがありません。また、私たち県議会のこうした動きをマスコミが正確に伝えているからこそ、県民の皆さんからもご理解を頂けているのだと思います。

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2006/12/24

12月定例会の焦点(1)

今月19日の地元紙・秋田魁新報の3面をご覧になられた方はご承知と思いますが、「県議会記者席」というコーナーにその前日の総括質疑における私の質問のポイントが詳しく紹介されております(21日の同紙夕刊「杉」にもその模様が掲載されました)。

■何故、新税の創設なのか

県は今後、子育て支援や学校教育の充実のため、県民の皆さんに県独自の新税を課そうという意向を強く持っております。子育て支援を現状のまま継続した場合でも、毎年およそ30億円が必要となります。これをもう少し充実させるとなれば、38億5千万円かかると言うのです。

また、学校教育を充実させるためには高等学校の統廃合や老朽校舎の整備に毎年およそ102億円、充実強化でさらに119億円ずつ出費しなければならないそうです。これだけの事業をするためには、県民(個人県民税納税者)1人当たり年間最大で1万2千円、最小でも5千6百円ずつ負担してもらうというのが新税の概要であります。

県の示したこの素案に対する問題点は次の通りです。

a)何故、子育て支援事業に便乗する形で、学校施設の整備などハード事業を一緒に盛り込んでいるのか。

私は、学校施設の整備は子育て支援とはまったく別の事業であると考えますし、本来的に教育庁が毎年の予算の範囲内で行うのが筋ではないでしょうか。(※なお、寺田知事は議会終了後の記者会見で、ハード事業を取り下げる意向を語っています)

b)何故、子育て支援のために新しい税金を県民に強いるのか。現在の財源の中でも十分にやりくりできるのではないか。

県はさまざまな形で支出を切り詰めています。しかし、ムダな支出はまだまだあるはずですし、もっと予算を削っても良いであろう事業も多いのです。県は「他はギリギリ切り詰めているし、地域福祉基金も平成20年にはゼロになる」と説明します。しかし、県民の皆さんに新たな税を課すというからには、もっと様々な角度から議論する必要があります。

■3点セットの意図

県内の景気は回復しつつあるとは言うものの、公共事業は大幅に減ってしまい、農業総生産もなかなか上昇しません。商工業界の皆さんからも、県内の厳しい情勢を訴える声が数多く届いているのです。本県を取り巻く経済環境は相変わらず厳しいと思いますし、医療費の値上げや年金の目減り、あるいは定率減税の廃止などで県民の暮らし向きはいっそう苦しくなっております。

そんな時に、県が急いで県民の皆さんに新税を課す必要があるのでしょうか。例えそれが1000円、2000円であっても新税の創設には慎重であるべきです。

今後、子育て支援のための新税は2月議会に正式な案として提出される見通しです。県ではこれまでに県総合審議会でずっと煮詰めてきておりますし、県内50ヶ所近くで寺田知事自ら先頭に立ち、新税の必要性について説明会を開催してきました。また、1月には県民の皆さんを対象としたアンケート調査を行う予定です。

私が言いたいのは、このアンケートが見方によっては「誘導質問」と思しき内容になっている点です。また、地元紙の記事にもあるように、これから議会が本格的な議論を始める前にこうしたアンケートを実施し、審議会や県民への説明会を行って、新税の方向をある程度固めてしまおうという意図であろうと思うのです。

■議会の使命とは何か

私は総括質疑で、県のこうした手法を牽制したばかりではなく、同僚の県議にも「県は、審議会・県民説明会・県民アンケートという3点セットで新税を固めつつありますよ」と警報を発したつもりです。

いつの時代でも、支配者の側が大衆に新税を課そうとする時は、議会は常に大衆の側に立って厳しい姿勢で臨んいかなければなりません。議会政治はイギリスに始まりましたが、当時の王は何かにつけて国民に税金を課し、国民は大きな負担に喘いでいました。これに対して議会は猛然と立ち向かい、「課税は議会の承認が必要」という画期的な一札を王から取り付けたのです。

1689年の「権利の章典」(Bill of Rights=イギリスの不文憲法の法典。国王も否定することのできない議会の諸権利を規定したもの)がそれであります。そして、近代的議会政治はここから始まったのです。

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2006/12/14

道路特定財源について

私たちが毎日のように使う車の動力源であるガソリンには揮発油税、軽油には軽油取引税などがかかっています。また、車を新車に買い替えれば自動車重量税(5万6700円)、自動車取得税(7万5000円)、自動車税(3万4500円)が取られます。国に納められるこれら税金を合わせると、年間およそ5兆8000億円にもなるそうです。

交通手段の中心的存在が車である限り、確実に徴収できるこの税金は、道路建設のためにしか使えないことになっています。これは昭和20年代後半、衆議院議員の田中角栄さん(当時・後に首相)らが中心となって議員立法で成立させた法律です。日本に自動車時代が到来することを予測し、道路を整備するための巨額な財源を必要としたのがその理由です。その目の付けどころは見事と言わざるを得ません。

さて、この法律ができてから数十年もの間、建設省(現在は国土交通省)は特定財源と道路予算を合わせた巨額の血税を使って日本中の道路整備を進めてきました。今日まで7大都市圏や地方の主要道路はかなりのところまで整備されておりますが、東北や四国、九州などの一部地区ではまだ高速道路や高規格道路が十分に網羅されているとは言い切れないようです。

これら取り残された場所の道路建設を今後も進めて欲しいという要望は、地域に根強くあります。しかし、医療や福祉、年金、子育て、教育など国民の生活に密着した予算、科学技術や産業振興に必要な予算も膨大です。国は毎年、苦しいやりくりで何とか予算を編成してます(現在、国と地方を合わせた借金の総額は800兆円。先進国ではトップ)。したがって、「道路建設のためだけに使ってきた財源を今後は他の予算にも回せないか」という考え方も出てくるわけです。

族議員たちの抵抗

小泉内閣でもこの特定財源の一般財源化を目指したのですが、族議員たちの抵抗に阻まれて、結局は頓挫しています。今回、安倍総理はいち早く一般財源化を打ち出しているのですが、12月8日の閣議決定における特定財源見直しに関する具体案を見る限り、またしても自民党族議員たちに組み伏せられて玉虫色の内容となっています。

今後は「必要な道路整備は計画的に進める」とし、道路歳出で余った税収を一般財源に回すことができるとしていますが、それではどこまで道路が必要なのかということになります。例えばこれから100年にわたって作り続け、それでもまだ必要だと言われれば、道路建設はどんどん進められるでしょう。

このような曖昧な方針の下で「余った分を一般財源に回す」というのは、いかにも申し訳程度の金額を差し出すような話にしか聞こえません。これでは国家財政が破綻してもなお、日本中を道路だらけにする工事は終わらないような雰囲気さえ感じます。

私は地方に住んでいますから、道路整備の必要性を感じることも少なくありません。しかし、将来に目を転じると地方の人口は急速に減っていきます。日本自体、100年後の人口が現在の半分近くにまで減少するという予測もあるほどなのです。そうした社会の到来を考えたとき、地方の道路整備もほどほどのところで我慢し、地場産業の振興や少子化対策などを優先課題とすべきではないでしょうか。

私は特定財源を廃止して、これからの道路整備は国土交通省の道路予算1本で進めるべきと考えます。また、ガソリン税にしても本来の税額24円30銭(1リットルあたり)に、暫定税率で24円30銭(同)を上乗せしていることも問題です。道路建設の目的がほぼ達成された今、少なくともこの上乗せ分は廃止すべきと思います(もちろん、この他の上乗せ税率も同様に廃止すべきです)。

最後に、自動車業界や石油業界もこの暫定税率に反対していることを一言付け加えておきます。

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2006/12/08

民主党秋田県連その後

このところ、「民主党はどうなってるの?」「参議院選挙の候補はまだ決まらないの?」という質問を頂きます。既に公になっていることを踏まえ、最近の秋田県連内の動きを分かりやすく説明いたしたいと思います。

まず、組織の体制についてです。県連では、寺田学衆議院議員が代表に就任すると同時に、役員を大幅に減らしました。これにより、執行部は1区・2区・3区の総支部長と幹事長、さらに県議2人を加えた少人数の役員体制に変わりました。

しかし、その後に党員から様々な意見が出され、先月から以前のように郡市単位で2名ずつの役員を選出し、現在は15名前後の役員構成に切り替えております。ただし、1区総支部からの役員選出があまり進んでおらず、2区は佐々木重人さんが公認に漏れ、同時に支部を解散しているという事情もあります。このため、当面は党員・党友による「連絡協議会」を立ち上げて活動することにいたしました。

今月7日、大館市のホテルで開かれた県北の設立準備会には私も参加し、世話人代表に元大館市議会副議長の虻川信一さんを選出しております。来年は春の統一選挙、夏の参議院選挙と、党にとってとても重要な選挙が続きます。勝つためには、県北の党組織を再生することが何よりも重要です。

参議院選挙への対応ですが、現在は民主党・社民党・連合秋田に鈴木陽悦参議院議員(無所属)を加えた4者協議を重ねております。私にその詳細は分かりませんが、水面下では色々と動いているようです。いずれにしても不戦敗はありえない選挙ですから、早ければ今月中、遅くても1月中には見通しがつくものと期待しています。

ところで、船出から間もないというのに、安倍内閣の支持率は急落しています。発足当時は65パーセントだったのに、今は48パーセント台に落ち込んでいるのです。これは、自民党の「造反議員」の復党問題に対し、多くの国民が不信感を抱いているからです。

改革の旗を掲げながらも、造反組をすぐに受け入れるその体質こそが、「何でもあり」で古めかしい自民党のように思えてなりません。私たち国民は、この自民党の在り方をもっと厳しい目で見つめる必要があるのではないでしょうか。

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