« 民主党秋田県連その後 | トップページ | 12月定例会の焦点(1) »

2006/12/14

道路特定財源について

私たちが毎日のように使う車の動力源であるガソリンには揮発油税、軽油には軽油取引税などがかかっています。また、車を新車に買い替えれば自動車重量税(5万6700円)、自動車取得税(7万5000円)、自動車税(3万4500円)が取られます。国に納められるこれら税金を合わせると、年間およそ5兆8000億円にもなるそうです。

交通手段の中心的存在が車である限り、確実に徴収できるこの税金は、道路建設のためにしか使えないことになっています。これは昭和20年代後半、衆議院議員の田中角栄さん(当時・後に首相)らが中心となって議員立法で成立させた法律です。日本に自動車時代が到来することを予測し、道路を整備するための巨額な財源を必要としたのがその理由です。その目の付けどころは見事と言わざるを得ません。

さて、この法律ができてから数十年もの間、建設省(現在は国土交通省)は特定財源と道路予算を合わせた巨額の血税を使って日本中の道路整備を進めてきました。今日まで7大都市圏や地方の主要道路はかなりのところまで整備されておりますが、東北や四国、九州などの一部地区ではまだ高速道路や高規格道路が十分に網羅されているとは言い切れないようです。

これら取り残された場所の道路建設を今後も進めて欲しいという要望は、地域に根強くあります。しかし、医療や福祉、年金、子育て、教育など国民の生活に密着した予算、科学技術や産業振興に必要な予算も膨大です。国は毎年、苦しいやりくりで何とか予算を編成してます(現在、国と地方を合わせた借金の総額は800兆円。先進国ではトップ)。したがって、「道路建設のためだけに使ってきた財源を今後は他の予算にも回せないか」という考え方も出てくるわけです。

族議員たちの抵抗

小泉内閣でもこの特定財源の一般財源化を目指したのですが、族議員たちの抵抗に阻まれて、結局は頓挫しています。今回、安倍総理はいち早く一般財源化を打ち出しているのですが、12月8日の閣議決定における特定財源見直しに関する具体案を見る限り、またしても自民党族議員たちに組み伏せられて玉虫色の内容となっています。

今後は「必要な道路整備は計画的に進める」とし、道路歳出で余った税収を一般財源に回すことができるとしていますが、それではどこまで道路が必要なのかということになります。例えばこれから100年にわたって作り続け、それでもまだ必要だと言われれば、道路建設はどんどん進められるでしょう。

このような曖昧な方針の下で「余った分を一般財源に回す」というのは、いかにも申し訳程度の金額を差し出すような話にしか聞こえません。これでは国家財政が破綻してもなお、日本中を道路だらけにする工事は終わらないような雰囲気さえ感じます。

私は地方に住んでいますから、道路整備の必要性を感じることも少なくありません。しかし、将来に目を転じると地方の人口は急速に減っていきます。日本自体、100年後の人口が現在の半分近くにまで減少するという予測もあるほどなのです。そうした社会の到来を考えたとき、地方の道路整備もほどほどのところで我慢し、地場産業の振興や少子化対策などを優先課題とすべきではないでしょうか。

私は特定財源を廃止して、これからの道路整備は国土交通省の道路予算1本で進めるべきと考えます。また、ガソリン税にしても本来の税額24円30銭(1リットルあたり)に、暫定税率で24円30銭(同)を上乗せしていることも問題です。道路建設の目的がほぼ達成された今、少なくともこの上乗せ分は廃止すべきと思います(もちろん、この他の上乗せ税率も同様に廃止すべきです)。

最後に、自動車業界や石油業界もこの暫定税率に反対していることを一言付け加えておきます。

|

« 民主党秋田県連その後 | トップページ | 12月定例会の焦点(1) »

「経済・政治・国際」カテゴリの記事

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/21420/4551339

この記事へのトラックバック一覧です: 道路特定財源について:

« 民主党秋田県連その後 | トップページ | 12月定例会の焦点(1) »