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2007/01/13

団塊の世代と2007年問題

団塊の世代という言葉の産みの親は、作家の堺屋太一さんであったと思います。この定義はいくつかありますが、一般的には昭和22年から昭和24年までの3年間に生まれた700万人を指すことが多いようです。戦争が昭和20年に終わり、平和の到来と共に若者たちが続々と結婚し、ベビーブームを巻き起こした時代でした。

私自身は昭和17年の生まれですから、この団塊の世代よりは5歳ほど年齢が上です。ただ、社会に出てからはこの世代の方々とのお付き合いがいちばん多かったですし、時代感覚も非常に似通っていたと思います。その頃の日本は経済が飛躍的な成長を続けており、国家としてもっとも安定していた時期です。国民の暮らしも年々充実し、誰もが将来への明るい展望や夢を持っておりました。

その時代に育った団塊の世代は地方の進学校を卒業後、東京の大学に進み、そのまま大都会の企業に就職。結婚と同時に都心部から離れた郊外の公団住宅や1戸建てに移り住むという方が多かったようです。そのマイホームには最新の家電製品、洒落た家具を揃え、、1人か2人の子供に恵まれた彼らは週末になるとマイカーで買い物に出かけ、時には郊外のレストランで外食を楽しみました。いわゆる「豊かさ」を実感できた世代であったと言えます。

しかし、彼らは郊外に居を構えたため、1時間も2時間もかけて都心の職場まで通勤し、それこそ早朝から深夜まで必死に働きました。つまり、「豊かさ」を自ら支えていたわけです。当時の会社は年功序列、終身雇用が当たり前でした。一生の身分保障を得た代わりに、社員は会社に忠誠を誓い、その業績を上げるために必死になって定年まで働いた「会社人間」でもありました。しかし、この世代も人生の後半に起きたバブル経済の崩壊によって、早期退職や配置転換、子会社への出向などで辛酸を舐めた方も少なくありません。

そして、この団塊の世代がここ数年のうちに退職する時代を迎えています。700万人もいる世代が第一線から退くわけですから、社会には様々な影響が出ることは避けられません。

これが、いわゆる2007年問題です。

まず、65歳以上の高齢人口が一気に増加します。20005年には2556万人であった数字が、数年で3277万人になるという予測もあります。そして今、この急増する高齢者に国がどのような態度で臨むのかが問われています。年金はもちろん、再就職の道は確保されるのでしょうか。定年後に趣味を生かし、悠々自適の暮らしができる層は限られています。住宅ローンの残りや他の借り入れを抱えた人たちはリタイヤもできず、次の仕事を探さざるを得ないのです。

次に、この世代が一斉に職場から離れることは、深刻な人手不足を招く恐れも伴います。特に専門職の場合、穴埋めの人材をどこで確保するのかが頭の痛い問題となります。また、個人消費の低下も予想されます。これによって国内総生産にかなりの悪影響が出るでしょう。ただし、この団塊の世代の退職をねらった積極的な動きも活発化しています。というのも、この世代が得る退職金の総額は45~60兆円が見込まれています。当然、ここにビジネスチャンスが生じるわけで、多くの企業がこれを黙って眺めているはずはありません。

一方、地方にとっても団塊の世代の大量退職は大きなチャンスです。中にはこの世代に住んでもらおうと、様々な受け皿作りを進め、地域の復権を目指すことになるのではないでしょうか。秋田県はこの2007年問題をどうやってプラスに生かすか。今、それが問われています。

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受信: 2007/02/11 22:50

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