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2007/02/28

子育て税をめぐる論戦

2月定例県議会ですが、3日間の本会議が終了し、いよいよ委員会審議が始まりました。私が事前に予測していた通り、新年度予算全体の審議の中で、やはり子育て支援と教育充実に関する「新税」の論議が突出しております。

現在は総務企画委員会、福祉環境委員会が主な舞台でありますが、3月5日と6日には全議員が出席して予算の「総括」が行われます。ここでは知事を始め各部長も全員顔を揃え、議会側は当局と自由にやり取りできます。

この総括は県民の皆さんにとっても、とても興味深い内容となるはずですし、今回の「新税」が抱える問題点が明らかになると思います。もちろん、私も今回はこの「新税」について、かなり突っ込んだ議論をしていくつもりです。

まず、私がこのブログで指摘した県民アンケートの客観性、そして議会の頭越しに県民との対話を重ねてどんどん話を進めていくというやり方――すなわち、議会を後回しにして県民と合意形成したかのように見せかけ、事後承諾をせざるを得ないような状況を作ろうとする行政の手法自体が異例なことです。

さらに、新税そのものの在り方にも疑問があると言わざるを得ません。「新税」が地方税として本当に馴染むものなのか、といった点について掘り下げた議論をいたしたいと考えております。

最後になりましたが、この問題で私がもっとも申し上げたいのは、いかなる税であっても時の支配者(国家の場合は総理大臣、地方においては各自治体の長)の都合や思いつきで、一方的に庶民から税を徴収してはならないということです。税を取るからには、その理由が明確でなければなりませんし、議会の承認が絶対に必要であります。

県民と対話集会を何回開こうと、県民アンケートを何度実施しようと、法に依らずして税を課すことは許されません。総括ではこうした視点から当局を質し、論戦を展開いたしたいと思います。「新税」に興味をお持ちの皆さんは、是非とも傍聴にいらしてください。

                連絡 018-884-5665(高松和夫事務所)

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2007/02/22

内閣支持率急落に思う

ここ最近、安倍内閣の支持率が目に見えて下降しています。2月20日の朝日新聞に掲載された世論調査の数字によると、国民の内閣支持率がついに37パーセントにまで落ち込み、逆に不支持率が40パーセントにまで跳ね上がっています。また、同じ日の読売新聞でも内閣支持率は45.3パーセント、不支持率は42.7パーセンと報じました。これは、安倍内閣が危険域に足を踏み入れようとしていることを如実に示すものだと思います。

振り返ってみれば、昨年9月に華々しく政権が発足した時は60パーセント以上の支持率でした。安倍総理の若々しさ、ソフトなイメージ、さらには毛並みの良さに国民は期待したのです。自民党が安倍さんを担いだのは、その人気で参院選に勝利することにありました。政権が発足した時点では、その狙いが見事に的中したかのように見え、おそらく安倍さんを総理に推した人たちもニンマリしたのではないでしょうか。

ところが、最近の動きを見ていると、安倍さんはリーダーとしての力量不足を露呈したと言わざるを得ないようです。閣僚の不用意な言動や事務所費などの問題は言うに及ばず、党幹部が総理や内閣を軽視しているような有様では統制など取れるはずもありません。この状態が続けば、内閣の意思形成-すなわち、国家の意思決定が全く出来なくなってしまうという事態を招きかねません。

これはこの国にとって非常に由々しき事態です。この状態から抜け出すには、内閣改造で出直すしか道はないと思います。仮に夏の参院選で自民党が負けるようなことになれば、安倍内閣が一瞬にして吹き飛ぶのは間違いありません。

政党政治の空洞化

ところで、マスコミの世論調査でもうひとつ気になったことがあります。それは野党第一党である民主党の支持率も上がっていないということです。繰り返された政府与党の失敗で、民主党内には小躍りして喜んだ方もいたと聞いておりますが、それで政権が転がり込むほど世の中は甘くありません。民主党の国会対策の拙さ、メディア戦略の不徹底ぶりについては、党員である私の目から見てもお粗末と言わざるを得ないのです。

以前からこのブログで繰り返し主張しているように、いつまでも「風」や「敵失」に頼っているようでは政権交代の実現など困難であろうと考えます。選挙は、自らの力で勝ち取らなければならないのです。政府与党は非常にしたたかですし、権力も持っています。つまり、敵はいかなる仕掛けも可能だということを忘れてはなりません。

6年前を思い出せばそれは明らかです。当時、参院選を控えた森内閣の支持率は9パーセントにまで落ち込んでいました。誰の目から見ても、選挙戦で自民党に逆風が吹くのは確実でした。しかし、参院選に突入する直前の6月、突如として小泉さんが登場して「自民党をぶっ壊す」と啖呵を切り、これにしびれた国民から歓迎を受けて8割以上という驚異的な支持率を獲得。一人区(当時は27、今夏は29)で自民党は25勝2敗という歴史的な大勝を演じて見せました。

民主党はあの時の屈辱を改めて思い起こし、70以上も議席を減らした前回衆院議員選挙の分も巻き返すため、なお一層奮起しなければならないと考えます。

そのためにはまず、国民の支持を得ることが必要です。ただし、不人気は今は政権与党の自民党ばかりでありません。前述したように、野党第一党の民主党も国民の気持ちをつかめきれず、支持率を下げているという厳しい現実があります。そして、その一方で無党派層が50パーセントに迫ろうという勢いで増えています。この状況が行き着く先は、政党政治の空洞化に他なりません。

選挙の勝敗に一喜一憂するばかりではなく、こうした政治状況に危機感を持つことも政治家にとって大事ではないでしょうか。

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2007/02/14

2月定例会の焦点

明日15日から始まる県議会2月定例会の焦点は、「子育て支援と教育充実のための新税構想」になるでしょう。

本来、2月定例会は4月からスタートする新年度予算についてあらゆる角度から、相当の時間をかけて審議するのが通例となっています。しかし、今回は開会前から新税構想だけが突出して注目を浴びており、重要な予算(例えば県内経済対策に関わるものなど)の審議がなおざりにされかねない雰囲気を今から感じてなりません。

もちろん、この原因ははっきりしています。それは、寺田知事を含めた県執行部の皆さんが、この子育て支援と教育充実の問題で余りにも先走りしているからです。

議会における新税構想の議論は、これからが本番です。にもかかわらず、議会の頭越しに県民との対話集会(50回以上に達しています)、総合審議会、県民アンケートという3点セットを通じてどんどん既成事実を積み重ねています。そして、知事は新年早々に立命館大学で講演し、新税の必要性を得意満面で学生たちに語り、今月に入ってからは市町村担当課長会議まで開いているのです。

議会人である私に言わせれば、こうした一方的な動きは行政の手法(進め方)として異例づくめとしか思えませんし、また議会の形骸化を招きかねないという不安さえ覚えます。

このように知事が意欲を見せる構想ですけれども、子育て支援や教育の充実を県がさらに推し進めることについては県民の皆さんも異論はないでしょう。しかし、新税創設(事実上の増税)となれば、簡単に理解は得られないと私は考えます。

今、県民の皆さんは長引く不況や医療費の値上げ、定率減税の廃止廃止などで家計の苦しさを感じているはずです。このような状態の中で、例え月々500円だろうと1000円だろうと新しい税を課せられることには、かなりの抵抗を感じるのではないでしょうか。

そもそも、どうして全体の予算の範囲内で子育て支援や教育充実に関する事業を進められないのかという疑問も残ります。毎年、100億円も200億円も必要となるのであれば、確かに新税も止むを得ないのかもしれません。ところが、実際には年に30億円から40億円の規模です。これが予算のやりくりの中で充分可能な額であることは、予算編成の現場にいる方がいちばん知っているはずです。

地方自治体が課税自主権を持っていることは言うまでもありませんが、その乱用は許されません。特に国税と地方税の整合性は必要不可欠です。国は今、本格的な少子化対策に取り組もうとしており、そのため税制改正の検討に入ろうとしております。つまり、こうした動きも視野に入れて問題を論じなければならないのです。

新税の創設は議論を経て、もし実行するにしても相当の時間をかけて県民の皆さんの理解を得なければならないと思います。いずれにせよ、明日から始まる県議会では県民の皆さんの視点に立ち、議論を深めたいものです。

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2007/02/08

疑問が残る県の調査

子育ての支援と教育の充実を進めるために、新たな税負担を求めるべきかどうかということで、県が県民の皆さん2000人を対象に行ったアンケート調査の結果が7日に公表されました。これを受けて、8日の地元紙1面には「全体、負担容認51・6パーセント」「無作為、反対52・5パーセント」という数字と共に「集計法に疑問の声」という見出しが並ぶ一方、知事は「税負担求める方針」と大きく書かれています。

この見出しと調査結果の記事をご覧になった県民の皆さんの多くは、まず最初に「ああ、賛否両論なのかな」という印象を持たれたのではないでしょうか。しかし、地元紙が指摘しているように専門家は違う見方をしています。例えば、私のように大学院の研究室で世論調査の「いろは」を少しばかり学んだ人間でも、このアンケート調査のやり方のおかしさにすぐ気付くのです。

普通、客観的なデータを得るために世論調査を行おうとする時は、対象者をすべて無作為に抽出するのが大原則です。県が毎年、民間の世論調査機関に依頼している「県民意識調査」でも調査対象を選ぶ時、必ず県全域を対象とし、満20歳以上の男女を住民基本台帳を基にして「層化二段無作為抽出法」という方法で対象を選んでいるのです。

こうしないと、客観的に正しい調査結果が得られるはずなどありません。ところが、今回の調査は知事公室が中心となって対象者を選別しています。

県の発表によると、対象者は住民基本台帳から無作為に選んだ1000人、県政モニター参加者200人、県内企業経営者200人、意見交換会などの参加者100人、小中学生の親500人、合計2000人となっているます。この中で、住民基本台帳から抽出した1000人については問題ないと思います。しかし、経営者は何を基準に選んだのでしょうか。例えば、県の幹部職員の皆さんと親しい関係にある方、寺田県政に理解のある方が選ばれた可能性も否定はできません。

また、意見交換会への出席者も国のタウンミーティングのような「ヤラセ」があったとまでは申しませんが、来場者の中にはそれなりの背景がある方が混じっていたとも考えられます。小中学生の親についてはそのものズバリの利害関係者、新税の「受益者」に他なりません。その選考も各学校を通じ、それぞれの裁量に任せたそうです。このように、これから利益を得る皆さんを調査対象に含めることは、この種の調査としては問題があります。

さらに、県政モニター200人のうち、半分の100人は地域振興局などからの推薦を参考に選んだとしています。県の出先機関が調査対象を選ぶというのもずいぶんおかしな話です。ひとつひとつ上げるとキリがないほどですが、こうした標本の作成は「作為」であると指摘されも仕方ありませんし、県民全体の意思を正確にとらえた客観的な調査として到底認められません。

知事は調査結果を見て賛成の多さに驚き、今後は税負担を県民に求めていくと記者会見の席で語っているそうですが、これから始まる県議会が県民から選ばれた機関であることをすっかり忘れているようにも見えます。万が一、成り行きによっては議会が難色を示すかもしれません。その場合、知事の立場はどうなるのでしょうか。県民との直接対話も結構ですが、もう少し議会の存在を考えていただきたいものです。

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