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2007/05/17

憲法改正は必要か(2)

憲法を改正するとなった場合、プライバシーや環境など、憲法成立当時は想定されていなかった新しい国民の権利を盛り込むことになるでしょう。しかし、それ以上に重要なのは「9条」を改正するか否かであります。

ご存知とは思いますが、以下に憲法9条の条文を抜き書きしてみました。

日本国憲法第9条

1. 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

2. 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない

この条文を素直に読む限り、日本は一切の戦力を持てないことは明白だと考えます。つまり、今の自衛隊は憲法に違反するということになりますし、集団的自衛権の行使も「とんでもない」行為となるわけです。しかし、自衛隊が世界有数の強力な装備を持つ軍隊であることは紛れもない事実です。

この点について、政府はこれまで「9条は自衛権そのものを否定していない」という実に苦しい解釈をして、9条と現実の間にある矛盾を穴埋めしてきました。そして、条文の中の「前項の目的を達するため」という箇所については、「国際紛争を解決するための手段としての武力は保持しないが、自衛のための軍は許される」と説明してきました。

確かに正当防衛と同様、その解釈はもっともだと思われがちです。ただ、これもまた苦しい言い訳であることは否定できません。

このような拡大解釈が進むと、9条と現実のギャップは埋まるどころかますます大きくなり、憲法が形骸化・空洞化する恐れもあります。特に非常事態ともなれば、今のままだと「超法規的」に物事をどんどん決められてしまいかねません。そうなってからでは遅いのです。

だからこそ、平和な時にこそ自衛隊という名の強力な軍隊を現実のものとしてとらえ、憲法でもってしっかり文民統制できる状態に置くべきなのです。

憲法9条を変えれば戦争に巻き込まれかねないという主張は、現実を直視したものとは思えません。憲法9条を存続することで平和が守られるのであれば、何兆円もかけて自衛隊を維持する必要などないのです。私たちはそろそろ、自衛のための軍隊の存在を憲法で明確に規定しなければなりません。

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