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2007/06/21

子育て税、上程を断念

今月14日の6月定例会冒頭で、寺田知事が子育てビジョンの上程を「9月定例会ではなく12月定例会まで先送りする」と表明しました。これまで強気一辺倒で新税の導入を押し通そうとしただけに、私たちも非常に驚いています。これは事実上の断念ですから、寺田知事はおそらく忸怩たる思いでいることでしょう。

県内各地で行われた対話集会における県民の評判に加え、市町村側の反応もあまり芳しいものではなかったようですし、子育て税をテーマとしたNHK秋田放送局の長時間生番組に寄せられた視聴者の声も、新税導入を目指す寺田知事にとってはプラスとならなかったと思います。

そして、この条例案に最終判断を下す県議会の各会派も今のところ、寺田知事の提案を受け入れる姿勢を見せていません。このような状況ですから、断念せざるを得ないのは当然と言えます。

新聞などには書かれておりませんが、今回の先送りによって寺田知事が受けるダメージは少なくありません。3期目となる任期の折り返し地点を過ぎ、急速に求心力が失われつつあるという見方もできるのではないでしょうか。

さて、子育て支援事業の内容については、私もこのブログの中で度々取り上げてきました。今回の寺田知事の判断を見て改めて申し上げるとしたら、バウチャー事業など市町村の現場からも「効果が得られない」との異論が出ている新規事業を無理に実施する必要はない――ということです。

県民の皆さんもご承知のように、県財政は危機的な状況にあります。全ての事業をゼロベースで見直そうとしているときに、どうして子育て支援事業だけを聖域化し、新規事業を盛り込んで増税までしなければならないのか。その辺に、寺田知事と県民の大きなズレを感じずにはいられません。

それでも、寺田知事は12月定例会を目途に策定したいと言います。しかし、その前に県民や県議会の理解を得ることが重要です。提案するのであれば、決して無理のない形にしていただきたいものです。

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2007/06/20

参議院議員選挙を読む

自民党の副総裁を務めた川島正二郎氏は「政界は一寸先は闇」という名言を残しましたが、今回の参議院議員選挙は正にその通り、社会保険庁と年金の問題でこれほど荒れ狂うことになるとは誰も想像していなかったのではないでしょうか。国民は社会保険庁と年金への不満のみならず、政治への不信も募らせています。それがすべて、安倍首相と自民党に降りかかっている格好です。

この雰囲気は1989年に行われた参議院議員選挙にも重なります。あの時は社会党(当時)が土井たか子委員長が前面に出てマドンナ・ブームを巻き起こし、国民の間に渦巻いていた消費税への不満を吸収し、47議席を獲得(自民党は36議席)。開票番組で土井委員長が述べた「山は動いた」というセリフはあまりにも有名です。特に躍進が著しかったのは全国27の1人区で、社会党が21勝であったのに対して自民党はわずか6勝しかできませんでした。

今回の選挙では、あの時の「風」が再び吹く予感がします。現在29となっている1人区で、自民党は全滅しかねない情勢になっていると予測する専門家もいるほどです。

さて、秋田の状況です。組織的にもキャリアの面でも、自民党の現職・金田勝年氏が民主党の推薦する松浦大悟氏を圧倒している――という意見は多いと思います。しかし、ここに来て秋田でも年金問題への怒りが追い風となってきました。地元TV局のアナウンサーであった松浦氏の知名度が高いこともあり、どこへ行っても反応は上々で私たちが驚くほどであります。

それでも油断はできません。松浦氏の人気に党幹部も上機嫌で気は緩みがちなのですが、私は「ちょっと待てよ」と思うのです。確かに今は追い風を感じるのですが、それは一瞬にして止むことも多々あります。

選挙の日程は急きょ延長が決定し、7月12日公示・29日投票にずれ込むことになりそうです。つまり、まだ1ヶ月以上もあるということになります。政権与党である自民党は、その間にどんな手を打ってくるのでしょうか。さまざまな権力を握っている自民党は、メディア戦略も得意中の得意です。そして、組織選挙にかけては野党を上回る力を持っています。

私が見たところでは、自民党に巻き返しのチャンスはまだまだあります。我が党に期待を寄せてくださる皆さんに申し上げたいのは、「喜ぶのは早すぎますよ。勝負はこれからですよ」ということです。そして、私たちも街宣活動1本槍の作戦だけではなく、さまざまな組織をフルに動かし、あらゆる手を尽くさなければなりません。さまざまな活動の積み重ねによる相乗効果も生まれますし、全力を尽くすことこそが戦いを勝ち抜く常道なのであります。

熱い熱い夏の陣はもう目前です。月並みかもしれませんが、皆さんの1票がこの日本を変える力となることをどうか忘れないでください。

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2007/06/15

6月定例会に向けて(2)

さて、予算委員会を締めくくる「予算総括」は、論議がもっとも活発に交わされる場面です。議運では、この総括における各会派の質問時間の割り振りを行いますが、少数会派である私のところはたったの13分。これでは突っ込んだ質問はできないに等しいと言えます。

そこで、私は総括の開始時間が午前10時半から午後4時となっていることに着目、「一般の会社であれば、午前8時半~9時には業務を開始する。委員会ももっと早く開始できるのではないか」と主張しました。結果、喧々諤々の議論の末、当初の案より1時間早い午前9時半の開始、終了は1時間延ばして午後5時となったのです。

これにより、私たちの質問時間は25分となり、全体では2時間のプラスとなりました。これは、特に議員の少ない会派にとっては大きな収穫であったと思います。従来、県議会の委員会は午前10時から、また本会議は午前11時からというのが慣例となっていましたが、このご時勢です。やはり、議員も世間の基準に合わせて仕事を開始するのが当然ではないでしょうか。

小さなことかもしれませんが、こうした改革を積み重ねていくことが、いずれ県民の皆さんの信頼を得ることになるはずと私は考えます。県議会は常に厳しい目で見られておりますが、特にこの6月議会では特別委員会設置の行方にご注目ください。

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2007/06/13

6月定例会に向けて(1)

いよいよ県議会の6月定例会が始まります。

私は今月7日に開かれた県議会議院運営委員会で、県民の関心が高まっている子育て税について、「総務企画員会で審議するのはもちろん、議会全体で徹底的に議論すべきである」として特別委員会の設置を提案させていただきました(その内容は6日付けの秋田魁新報1面で報じられております)。

また、厳しさを増す県財政についても、特別委員会で審議するようお願いいたしました。

税と財政は、県民の皆さんにとって非常に分かり難いテーマです。しかし、それは皆さんの生活と密接につながっており、非常に重要な案件であります。したがって、時間をかけて議会でさまざまな角度から議論するのは当然のことです。

これらの問題は、常任委員会で議論を深めることも可能でしょう。ただ、議会の限られた日程の中ではどうしても急ぎがちとなってしまい、場合によっては議論を途中で打ち切ってしまうこともあります。後から「もっと話し合うべきだった」と反省することも決して珍しいことではないのです。

子育て税については知事の側がアンケート調査を行ったり、100回を超える県民との対話集会を開催するなどし、導入の意思を強くアピールしています。であれば、議会の側もこれを押し返すくらいの気持ちで当たらなければなりません。

もうひとつ、この6月議会から予算特別委員会が初めて開催されます。これは、予算全体をひとつの委員会で集中的に議論するのがねらいです。

私は初当選した1991年、県議会に予算特別委員会を設置するべきであると主張いたしました。あの当時は「設置する、しない」で1年間も議論したものです。その結果、妥協の産物ではありましたが、現在の「総括質疑」が誕生したという経緯があります。

その経緯は以前にご説明申し上げましたが、長老議員の皆さんからは「秋田県議会は本会議-常任委員会中心主義である。予算委員会など屋上屋を重ねるようなものは容認できない」とずいぶんお叱りを受けました。しかし、私も負けじと「予算に分割審査が馴染まないというのは、学者や自治省の一貫した考え方である。トータルな委員会で審査するのが本来のあり方ではないか」と行政事例を持ち出して食い下がったものです。

それが16年ぶりに実現したのですから、私としては感無量の思いでおります。

※続く


 


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2007/06/08

財政悪化の要因を探る(2)

前回、県財政が窮地に陥っている大きな要因として、公共投資のために作った借金(県債)が重くのしかかっている実態を明らかにしました。そして、国の地方交付税や臨時財政対策債が大幅に減額されたことにより、県財政はダブルパンチを食らった格好となっています。

地方交付税は、税収の少ない地方自治体にとっては国からの仕送りであり、一般財源として自由に使えるありがたいお金です。県財政課の資料によりますと、この交付税が年々減額されていることがよく分かります。これは、国の財政が非常に厳しくなっていることが大きな理由です。

平成12年に2663億円であった交付税ですが、平成13年に2553億円、平成14年に2390億円、平成15年に2208億円、平成16年に2002億円、平成17年に2039億円、平成18年に1948億円、平成19年に2017億円と減少傾向は明らかです。また、平成13年度から始まった臨時財政対策費(交付税減額分を補填するのが目的)は、赤字地方債の発行を国が認めたものですが、これも年々制限されています。

県財政課の説明によれば、平成16年度は国の「三位一体改革」の名の下で、地方交付税分で前年比206億円の減額、対策債で163億円の減額になったそうです。つまり、合わせて369億円もの大幅削減となっていると言います。実際に平成19年度の当初予算ベースで見ますと、交付税2017億円に対策債187億円で、合計額は2204億円にとどまっています。

また、地方譲与税の大幅な減少も影響しています。地方譲与税は平成18年度に212億円でしたが、所得譲与税が廃止されたことにより今年度は何と83.3パーセント減の36億円にまで減少しているのです。

駆け足で県の財政状況を見てまいりましたが、窮状はご理解いただけたと思います。公共投資のための大量の県債発行、財政を悪化させています。そこに地方交付税の減額、臨時財政対策債の減額、地方譲与税の大幅減少などが重なり、抜き差しならぬ状態に陥っていることは間違いありません。

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2007/06/05

財政悪化の要因を探る(1)

秋田県の財政が逼迫していることは先日申し上げた通りであります。では、どうしてこのような状況に陥ってしまったのでしょうか。

これを一言で説明すれば、やはり「公共投資」の在り方に大きな要因があるということです。

少し長くなりますが、ここ20~30年の県政を振り返ってみます。まず、1980年代は日本全体がバブル景気に沸きました。首都圏や大都市ばかりでなく、地方都市でも土地の価格が高騰し、株価は日経平均が3万9千円近くまで跳ね上がっています。

また、こうした好景気を背景に、国や地方自治体も公共事業を積極的に進めた時代でもありました。ところが、1990年代(平成2年以降)に入るや否やバブル景気は弾け、日本経済は厳冬期を迎えることになります。

ただし、政府は公共投資を手控える政策はとりませんでした。逆に景気浮揚を図ると称し、さらなる大型投資を続けたのです。具体的には90年代初頭から最近までの公共投資額は400兆円にもなり、その原資は国債(国の借金)の発行によるものでした。

秋田県の場合も、こうした国の政策に歩調を合わせ、公共投資が継続されたのです。

県の資料によると、バブル経済が崩壊する平成3年頃までの公共事業は、県単独事業を合わせて常に1500億円台から2000億円台で推移しています。しかし、平成4年からは年間2000億円を超え、平成7年にピーク(2896億円)に達します。その後もこの傾向は続き、平成10年まで毎年2500億円を超える規模の投資が行われていたのです。

■大型投資の果てに

具体的に平成7年から同10年までの事業を列挙すると、秋田北空港とそのアクセス道路の建設、県立大学、木材高度加工研究所、総合リハビリテーションなどがあります。これらはいずれも佐々木喜久治知事の時代のものですが、平成9年になって寺田典城知事に代わってからも、1500億円規模の公共投資が平成16年度まで続いています。

これがようやく1000億円台まで下がったのは、昨年度からのことです。そして平成19年度は県単独事業の合計額が1249億円となりました。

ところで、この公共投資の推移と県債の発行や公債費を重ねると、密接に関係していることが分かります。つまり、どちらも同じ傾向が見られるということです。平成4年から2000億円台に公共投資が増えると、県債発行もやはり増え始めます。そして、公共投資が最大となった平成7年の翌年、平成8年度に県債発行額も1502億円に達します。

これは平成9年に1300億円台、平成10年に1400億円台と推移し、平成12年になってようやく1000億円台に減少します。ところが、平成13年度からは再び増加。平成14年には1400億円となり、今年は782億円という状況になっております。

同様に、県債の償還費である公債費(借換債を除く)も平成13年度までは500億円台で推移してきましたが、その後からじわじわと上昇。平成12年度には1100億円台にまで上がり、平成15年にピーク(1160億円)を迎えます。その後は徐々に下がり、平成19年度は990億円という数字です。

これらの数字を見て参りますと、平成4年頃から増え続けた公共事業を維持するため、県債の発行を際限なく続けてきたという構図は明らかであります。その結果、実に1兆2000億円の借金を抱え、その返済のために基金を取り崩し、県財政は窮地に陥ったと考えられるのです。

※続く

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