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2007/06/05

財政悪化の要因を探る(1)

秋田県の財政が逼迫していることは先日申し上げた通りであります。では、どうしてこのような状況に陥ってしまったのでしょうか。

これを一言で説明すれば、やはり「公共投資」の在り方に大きな要因があるということです。

少し長くなりますが、ここ20~30年の県政を振り返ってみます。まず、1980年代は日本全体がバブル景気に沸きました。首都圏や大都市ばかりでなく、地方都市でも土地の価格が高騰し、株価は日経平均が3万9千円近くまで跳ね上がっています。

また、こうした好景気を背景に、国や地方自治体も公共事業を積極的に進めた時代でもありました。ところが、1990年代(平成2年以降)に入るや否やバブル景気は弾け、日本経済は厳冬期を迎えることになります。

ただし、政府は公共投資を手控える政策はとりませんでした。逆に景気浮揚を図ると称し、さらなる大型投資を続けたのです。具体的には90年代初頭から最近までの公共投資額は400兆円にもなり、その原資は国債(国の借金)の発行によるものでした。

秋田県の場合も、こうした国の政策に歩調を合わせ、公共投資が継続されたのです。

県の資料によると、バブル経済が崩壊する平成3年頃までの公共事業は、県単独事業を合わせて常に1500億円台から2000億円台で推移しています。しかし、平成4年からは年間2000億円を超え、平成7年にピーク(2896億円)に達します。その後もこの傾向は続き、平成10年まで毎年2500億円を超える規模の投資が行われていたのです。

■大型投資の果てに

具体的に平成7年から同10年までの事業を列挙すると、秋田北空港とそのアクセス道路の建設、県立大学、木材高度加工研究所、総合リハビリテーションなどがあります。これらはいずれも佐々木喜久治知事の時代のものですが、平成9年になって寺田典城知事に代わってからも、1500億円規模の公共投資が平成16年度まで続いています。

これがようやく1000億円台まで下がったのは、昨年度からのことです。そして平成19年度は県単独事業の合計額が1249億円となりました。

ところで、この公共投資の推移と県債の発行や公債費を重ねると、密接に関係していることが分かります。つまり、どちらも同じ傾向が見られるということです。平成4年から2000億円台に公共投資が増えると、県債発行もやはり増え始めます。そして、公共投資が最大となった平成7年の翌年、平成8年度に県債発行額も1502億円に達します。

これは平成9年に1300億円台、平成10年に1400億円台と推移し、平成12年になってようやく1000億円台に減少します。ところが、平成13年度からは再び増加。平成14年には1400億円となり、今年は782億円という状況になっております。

同様に、県債の償還費である公債費(借換債を除く)も平成13年度までは500億円台で推移してきましたが、その後からじわじわと上昇。平成12年度には1100億円台にまで上がり、平成15年にピーク(1160億円)を迎えます。その後は徐々に下がり、平成19年度は990億円という数字です。

これらの数字を見て参りますと、平成4年頃から増え続けた公共事業を維持するため、県債の発行を際限なく続けてきたという構図は明らかであります。その結果、実に1兆2000億円の借金を抱え、その返済のために基金を取り崩し、県財政は窮地に陥ったと考えられるのです。

※続く

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