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2007/07/01

6月定例会を振り返る(1)

秋田県議会の6月定例会は異例尽くめでした。重要案件すべてが否決されたり、継続審議となって議会の承認を得ることができなかったのです。私にとってこれは初めての経験ですし、恐らく過去にもこのようなケースはなかったのではないかと思います。

まず、県職員給与の削減案です。これは警察官や学校の学校の先生、現業部門を含むすべての県職員の給与を一律5パーセント、2年間引き下げるというものでした。事の始まりは至極簡単で、県側が長年積み重ねてきた県職員労働組合との話し合い――つまり「労使慣行」を無視して一方的に、それも議会に提案するその日の朝に組合に対して通告したというのです。これでは、組合側が怒るのも当たり前です。

その後、組合は県と5回の交渉を行いましたが、ほとんど門前払いの扱いをされ、最後の1回でようやく話し合いらしい形になったと言います。この際、組合側は「5パーセントの2年間ではなく、2パーセントの5年間ではどうか」と提案し、妥協点を見出そうとしていました。しかし、県はその提案を受け入れることなく交渉を打ち切り、議会に改正の条例案を上げてきました。

議会は組合と交渉の途中であることを重視し、再び話し合いを続けるべきとの意見が大勢を占め、「双方が合意した上で再提案してください」という結論に至ったのは当然のことであります。議会側には労使間のことをこのような形でゲタを預けられ、結果として対立に中に巻き込まれることは避けたいという常識的な判断があったとも思います。いずれにしても、寺田知事のこの一方的な提案が、このような事態を招いたことは否定できないでしょう。

また、県側には「県職員は高い給料を貰っている。なぜ、その程度の協力ができないのか」という方向に導いて、世論を味方につけようという思惑があったはずです。しかし、こうした世論誘導は明らかにおかしいと私は思いますし、問題のすり替えであると考えるのです。

今、県は1兆2千億円以上という巨額の借金を抱え、来年度は243億円の歳入不足となるこから予算を組めない状態になっております。正に県の財政は破綻寸前であり、6月定例会における県の行動には焦りが見えます。そして、このような窮地に陥った原因は県の財政運用の見通しの甘さにあることは、今さらここで指摘するまでもないことです。

ところが、県は財政悪化の理由を国の三位一体改革で地方交付税や国庫補助金が急に減額されたことに求め、「どうにもならなくなった」と説明し、まるで国のやり方が悪いと言わんばかりです。もちろん国の制度も一因ではありますが、将来の見通しを立てることなく毎年のように莫大な県債を発行し、基金を取り崩して際限のない公共投資を続けてきたのは他ならぬ寺田知事です。そのツケが今、噴き出してきたことは明らかであり、寺田知事による財政運用の失敗は明白です。

寺田知事は財政悪化の背景をしっかり説明し、自身の責任を明らかにして陳謝した上で、職員の皆さんに協力を要請するのが筋であると私は思います。これが私たち県議会に対しても同じです。当選したばかりの新人議員が張り切って初登庁した臨時議会(5月)で、いきなり事前の相談もなしに報酬の1/10削減を要求して理解が得られるものでしょうか。さらに、反発する議会に対して「提案権は我々にある」と言うのは居直りにさえ見えます。

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