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2007/07/08

宮澤元総理の思い出

第78代内閣総理大臣を務められた宮澤喜一さんは戦前、東京大学(当時は東京帝国大学)在学中に日米交換留学生としてハーバード大学に留学しています。一方、アメリカ側からはハーバード大学の学生だったエレノア・ハドレイさんという女子学生が東京大学に留学、日本の財閥の研究をして帰国されました。

そのハドレイさんは戦後に再び来日し、マッカーサー司令部(GHQ)の指令による財閥解体に携わっています。ハドレイさんは才色兼備で知られ、ご自身もアメリカの財閥出身であったそうです。

私が今から20年以上前、仕事で渡米した際に、ミシガン州のデトロイト郊外でたまたまハドレイさんにお会いする機会がありました。既に高齢でしたが、知性と品格を兼ね備えた素晴らしい方で、交換留学生であった宮澤さんのこともよくご存知でした。

日本に帰ってしばらくしてから、ある国会議員のパーティーに出席し、そこで宮澤さんに偶然お会いしてハドレイさんの話をいたしましたところ、大変驚かれて「え?ハドレイさんはまだ生きておられたんですか」とおっしゃいました。

宮澤さんは「それはそれは大変に美しい方でしたよ。高松さんはどうしてハドレイさんにお会いしたのですか」と質問され、さらにはハドレイさんの現住所まで訊ねられました。ハドレイさんは当時シアトル近郊にお住すまいでしたので、それを伝えた記憶があります。

本当に短い会話でしたけれども、宮澤さんがとても懐かしそうにハドレイさんのことをお話しになる姿が忘れられず、ハドレイさんと私が写った写真を宮澤さんの事務所にお送りしたものです。私にとって、このことは未だに忘れられない思い出になっています。

ところで、ハドレイさんのことは後日、かつて三井不動産の社長であった江戸英雄さんの本の中で紹介されているのを見つけ、財閥解体に関わった経緯などを詳しく知ることができました。この本によれば、財閥解体の時に三井家の大番頭であった江戸さんはハドレイさんと渡り合い、三井家の株をGHQ司令部に引き渡す場面にも立ち会ったそうです。

宮澤さんは、こうした戦後史を知る政治家のひとりでありました。心よりご冥福をお祈りいたします。

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