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2007/08/08

自民党大敗の背景

各種世論調査の結果を見て分かるのは、今回の参議院議員選挙にもっとも影響を及ぼした問題が「年金」だということです。

年金は、国民なら誰でも深い関心を寄せるテーマですし、将来への不安も抱えています。自分たちが今、漫然と徴収されている掛け金で、果たして将来の暮らしは成り立つのか。いったい、どれくらいの年金をもらえるのか。多くの国民は心配しています。そこに、社会保険庁で5000万件ものデータが宙に浮いていることが分かり、不安は大きな怒りへと変貌しました。

そして、その怒りの火に油を注いだのが政治とカネの問題です。

もともと、政治家に対する国民の信頼は低いものです。したがって、お金の問題は透明性を高めなければなりません。ところが、数百万円、数千万円という巨費が事務所経費という形で一括処理されていたのです。これには、政治家の1人である私ですら驚きを禁じえません。

佐田行革大臣の辞任に始まって、松岡農水大臣の自殺、そしてその後任の赤城農水大臣もこの問題を引きずってしまいました。核心については黙して語らず、絆創膏を顔に貼り付けた弱々しい大臣の姿は、まさに批判に晒される自民党そのものの姿であったようにも思います。

さらに、その自民党に各大臣の発言が追い討ちをかけました。特に致命的であったのは、久間防衛大臣の「原爆容認発言」でしょう。

格差の問題も見逃せません。これは特に1人区と呼ばれる選挙区に大きな影響を及ぼしました。つまり、格差に対する地方の怒りが爆発したのです。

東京や大阪など、大都市圏ではバブル期以上の好景気に沸いています。ところが、地方の都市は商業も農業も工業も伸び悩み、ほんの一部を除けば壊滅寸前の状態にあります。働く場所のない若者、中高年が溢れていて、将来への展望をまったく持てないという現実があります。

こうした諸々のものが今回の選挙に重なり、安部政権への不満となって噴出したことは疑いようがないと考えるのです。

今回、秋田選挙区では自民党の金田勝年さんが、民主党と社民党の推薦する無所属の松浦大悟さんに4万票以上の差をつけられて敗北しました。ある報道機関の出口調査によりますと、自民党支持者の約3割、公明党支持者の約2割が松浦さんを支持したそうです。つまり、これまで自公政権を支えてきた層が、安部政権への不信感から一部崩壊したと見るべきでしょう。

逆に、民主党は自民党にお灸をすえようという有権者の受け皿となり、追い風に乗ることができたのです。

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