« 2007年10月 | トップページ | 2007年12月 »

2007/11/30

揺れる県内建設業界(2)

県や市町村が発注する公共事業を落札するため、県内の建設業者が原価割れを覚悟で30パーセントも40パーセントもダンピングしている現状を打開する手はあるのでしょうか。

私はまず、発注する工事毎に役所が入札の最低制限価格を設定すべきと考えます。最低制限価格を設けておけば、それを下回る入札(価格)はどんなに安くても無効となります。こうすることによって、適正な工事価格が保たれて、過剰な叩き合いはなくなるはずです。

県の担当者に聞いたところでは、県は今年10月からこの方式を採っているとのことでした。また、最低制限価格は入札の終了後に発表しており、事前に漏れることはありません。さらに、予定価格(設計価格)は事前に公表していると言います。

なお、県ではもうひとつ、「総合評価方式」も取り入れているそうです。これは入札前に、それぞれの会社がその工事についてどのような手順で当るのか、技術力を含めて総合的に評価するというものだそうです。

これは、設計などの際に取り入れているプロポザール(審査方式)に似ています。担当者によれば、「4000万円以上の工事を対象としており、去年は66件、今年は年度末までに100件近くになるのではないか」という説明でした。

なお、大手建設会社の経営者に聞いたところでは、以前から国(国土交通省など)はこの方式を採っていたそうです。(話は前後しますが、県の担当者の話では、入札が終わった後、1位で落札した会社も総合評価によっては失格となり、2位や3位の会社に任せるケースもあるようです。)

聞いた限りでは、これは非常に理想的な方式のように思えます。ですが、担当者の判断の基準やある種の作為によっては不公平を招く危険性もないではありません。この点はやはり、厳格に運用して誤解を生じさせないための努力が必要となるでしょう。

最後に、私からの提案であります。

業界がAやBといった県の格付けを維持するため、元請実績の確保に走って叩き合いを行う現状を改めさせるには、ランク付けそのものを止めるのも手だと思います。自由経済下の世界においては、ランク付けをして上位・中位・下位に分けないと戦えないという例は他にないと思います。

誰が決めたのかは分かりませんが、このランク分けは最初から戦えないようにしているのです。もし、この方式を変えることができないとするならば、一定の元請金を維持できない企業はランク付けに残れないという制度を改め、元請だろうが下請けだろうがトータルの総工事量(金額)に応じて評価するほうが公平というものです。

他県では、元請金額などという考え方を既に改めているはずです。この見直しによって、ランクを維持するための無用なバトルも緩和されます。もちろん、これは素人である私の個人的な見方なのですが、プロの皆さんはこの提案についてどうお考えでしょうか。是非とご意見を賜りたいと思います。

| | トラックバック (0)

2007/11/25

揺れる県内建設業界(1)

今、秋田の建設業界に異変が起きています。恐らくこのままでは、大半の業者が潰れてしまうでしょう。業界の長年の慣習ともいわれてきた事前の情報交換や調整もなく、「叩き合い」と称して3割も4割もダンピングし、赤字覚悟で仕事を奪い合うのですから、採算が取れるはずなどありません。業界に君臨してきたボスの睨みも利かない時代なのです。

私が知っている建設業の皆さん(大から少まで)に聞くと、誰もが景気の悪さを嘆き、もう諦めたといわんばかりの言葉を口にします。これは由々しき事態であります。少なくとも、秋田という地方の経済の何割かは建設業界が支えてきました。これがおかしくなれば、秋田県自体もガクンと落ち込んでしまいます。

どうしてこのような状況になってしまったのでしょうか。素人なりに考えてみました。

建設業界は、日本の高度成長期を経て80年代のバブルの時代、その後の平成不況期に至る数十年の間、我が世の春を謳歌してきました。好景気の頃は、国や地方も公共投資に力を入れていたため、事業が溢れて消化し切れないほどだったことでしょう。

90年代にバブル経済が崩壊して不況期に入っても、国は巨額の公共投資によって景気回復を図ろうとしていました。例えば90年からの15年間だけを見ても、実に500兆円近くの投資をして都道府県や市町村の尻を叩いて公共事業をやらせました。

しかし、この手法で景気は回復しませんでしたし、結果として国と地方を合わせて800兆円もの借金を抱え、財政を極端を悪化させたに過ぎません。これによって、国も地方も財政再建に血眼になってしまったわけで、今は公共事業どころではなくなっています。

■業者の首を絞める「悪循環」

秋田県もかつては2500億円以上もあった公共事業が、1200~1300億円規模に減少しています。これだけ公共事業が急激に減っているのですから、建設業界の仕事も大幅に少なくなったのは当然のことです。

仕事が余るほどあった時代は、それぞれの地域の建設業者は仲良く仕事を分け合い、共存共栄を図ってきました。今回は譲るが次は回して欲しい、といった暗黙の了解があってそれぞれ成り立っていたのです。ところが、仕事の減少でそうした慣習までもが急変してしまい、「叩き合い」という名の争いが始まったというわけです。

さらに、この厳しい状況に追い討ちをかけたのが入札の透明化に伴う制度の変更でした。そもそも、参加業者の地域が限られると談合が行われて、高価格の落札となりがちです。これを防ぐため、秋田県も公募型や簡易公募型と呼ばれる制度を導入し、入札に参加できる業者の地域を拡大し始めました。

狭い地域では業者間の調整もできました。ところが、範囲が広がって誰が入札に参加するのか直前まで分からないのでは、事前の話し合いも困難となります。結果としてかつての慣行はなくなり、業者もなりふり構わず「叩き合う」ようになったのです。

極端な話かもしれませんが、県北地区で行われる公共事業の入札に県南の業者が参加し、信じられないくらい低い金額で落札する事態も起きうるということです。中には、元請の仕事がまったく取れない業者も出てくるでしょう。そうすると、2年に1度行われる県の格付け審査で、A級を維持するために必要なハードル(元請金額の合計1億5千万円前後)を超えることさえ難しくなります。

このため、業者は赤字覚悟で元請金額の確保に走ります。入札制度の透明性を高めることは大事なことですが、競争を必要以上に激化させる現在の発注形態は悪循環に他ならないと私は考えます。度を超えたダンピング合戦が建設業界の危機を招き、さらに事態を悪化させる恐れがあると私は見ています。

これを打開するためにはどうすれば良いのか。次回は私の考えを述べてみたいと思います。

| | トラックバック (0)

2007/11/22

解散総選挙は遠のいたか

ここ最近の国会や与野党の動きを見ていると、衆議院の解散はすぐにはなさそうです。自民党にしてみれば、テロ特措法を片付けてから解散に持ち込みたいところだったのでしょうが、国会の審議が防衛庁の問題のせいで前に進めない状態にあります。そして、守屋武昌氏(前防衛次官)の逮捕もささやかれる中で、額賀福志郎財務相をはじめとする歴代防衛長官と山田洋行側の密接なつながり(パーティー券の購入など)も明るみとなりました。

当然、民主党はこれらの問題を解明することが先決だとし、審議に応じない構えです。これにより、臨時国会を再延長する話まで出ています。ただ、強気の姿勢を見せる民主党にしても、小沢一郎代表の辞任劇の影響で支持率を下げていることは否定できません。また、牙城であるはずの東京も含めて、全国で90前後の選挙区の公認がまだ決まっていない状態にあります。

今、自民党が解散を打って出てきたら、どうなるのでしょうか。私は民主党にとって厳しい選挙になるのではないかと見ています。例えば、自民党がテロ特措法を盾に国益を訴えて選挙をやれば、どうなるのでしょうか。世論の風向きがこれまでとはガラリと変わり、民主党に痛手を与えることも考えられるのです。

現段階で、小沢代表は憲法違反であるとしてテロ特措法に応じる構えを見せてはいません。しかし、問題は振り上げた拳の降ろしどころです。政権を目指す政党であるが故に、難しい判断を迫られることになるでしょうが、小沢代表も熟慮していると思います。一方、解散を先送りしたかに見える自民党にしても、福田内閣の支持率が高くなったところで打って出てくることになる可能性があります。油断は禁物、ということです。

| | トラックバック (0)

2007/11/13

政権党のしたたかな計算

小沢一郎代表の「辞任劇」をじっくり観察すると、政権を維持しようとする自民党のしたたかさが垣間見えます。先の参議院議員選挙で歴史的な大敗北を喫した自民党ですが、その後も不利な条件が重なって国会では何ひとつ前に進まない手詰まり状態にありました。その中で、国民生活や国益を理由にもっともらしい大連立を民主党に持ち掛けるあたりは、「したたか」という言葉以外に表現のしようがないほどです。

小沢代表は冷静な政治家でありますが、本気でその話に乗りかけたのは自民党が1枚上手であったということでしょう。もし小沢代表が大連立に応じていたら、民主党は滅茶苦茶にされてしまい、次の国政選挙では党が壊滅しかねないほどの大打撃を受けていたと考えられます。これは、かつて自民党と連立政権を組んだ旧社会党の歴史を見れば明らかです。

自民党政権がほんの一時を除いて半世紀以上も続いた結果、政界・財界・官界の作り上げたもたれ合い関係が構造化されました。そして、ピラミッドの頂点にいる特定の限られた人たちとその周辺にいる者だけが恩恵を受け、無力な大多数の国民大衆が厳しい生活を強いられています。この現状を打破しなければならない―というのが、民主党の大きな目標であったはずです。

日本中の中小零細企業の経営者、労働者、農家、そして200万以上といわれるフリーター。働いても働いても生活を維持できない、いわゆるワーキング・プアが増大している現状と不況、人口減少と高齢化の進行を打破できないこの国の行く末を案じるとき、自民党とはまったく違った視点に立った政策を掲げる必要があると考えます。だからこそ民主党は政権交代を国民の皆さんに訴え、先の参議院議員選挙で多くの支持を頂いたのではないでしょうか。

その意味を重く受け止めれば、とても自民党が持ちかけた連立などという「トリック」に乗るわけにはいきません。小沢代表が一部同志を引き連れて党を出て行くのを思い留まったのは、小沢一郎という政治家にとっても、また政権交代にあと1歩のところまできた民主党にとっても良かったことだと思います。

今後、再び連立の仕掛けはあるかもしれません。しかし、民主党がそれに応じることはないでしょう。もし自民党と連立するようなことがあれば、民主党はその存在理由を失いかねません。ただし、一つ一つの政策協議はあって然るべきです。「議会」という言葉は議論する場所を指します。したがって、衆議を尽くすということは当然です。私は民主党所属国家議員の良識を信じて止みません。

| | トラックバック (0)

2007/11/06

小沢代表辞任を読み解く

政界一寸先は闇とよく言われますが、ただただ驚くばかりです。

福田総理との会談で連立を打診され、小沢さんがそれを党の役員会に持ち帰り、反対をされたからといって代表を辞任する必要はそもそもないと私は考えます。小沢さんは連立や政策協議の話が役員会で拒否されたことについて、代表である自分が信任を得られなかったことと同じとし、党内外に対するケジメを示すと説明しているようですが、これには納得しがたいものがあります。

私も連立はすべきではないと思います。過去に細川連立政権が誕生したとき、野党に下野した自民党は仇敵の社会党を抱き込み、村山政権を成立させました。しかし、その次の衆院議員選挙で社会党は国民の信を失い、大敗北しています。このことを忘れてはいけません。

自民政権は今、まったくの手詰まり状態にあります。これを打開するためには、なりふり構わず策を弄するでしょう。長年、政権政党であった自民党は「したたか」です。

自民党と政策協議を進めることは構いません。特にテロ特措法は国際社会における日本の国益を考え、どこかで妥協しなければならないと思います。しかし、連立にまで踏み込む必要はありません。小沢さんが持ち帰った話に、党の役員全員が反対したのは至極当然のことです。もし連立に乗れば次の選挙を戦うことはできません。そもそも小選挙区はどのように調整するのでしょう。

国民は先の参院議員選挙で自民党を拒否しました。これは民主党に政権を担わせてみよう、という気持の現れであろうと思います。したがって、私たちは自民党との対立軸を政策面で明らかにし、政権奪取に向けて堂々と前進すべきです。

私自身は、小沢さんのカリスマ性や指導力、歴史観、先見性を高く評価し、人柄にも惚れ込んできました。しかし、独善的で秘密主義であるという批判もあります。最近は「党内に民主主義がなくなった」という声も聞こえてきます。この点に私は少なからず不安のようなものを感じる一方、参院議員選挙の勝利が必ずしも衆院議員選挙にはつなげらないであろうという危惧も抱いていました。あの自民党が何か仕掛けてくるのは目に見えていたからです。私は、そのひとつが今回の大連立であったと思います。

今回の件で、民主党のイメージダウンは避けられません。ですが、この国の抱える大きな問題―例えば年金、格差、テロ特措法、農政などは何ひとつ解決されておりません。今はまずこの混乱を乗り越えて、党内が一致団結するしかありません。それが次の勝利を掴み、政権に近付くための第1歩なのです。

| | トラックバック (0)

« 2007年10月 | トップページ | 2007年12月 »