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2007/11/13

政権党のしたたかな計算

小沢一郎代表の「辞任劇」をじっくり観察すると、政権を維持しようとする自民党のしたたかさが垣間見えます。先の参議院議員選挙で歴史的な大敗北を喫した自民党ですが、その後も不利な条件が重なって国会では何ひとつ前に進まない手詰まり状態にありました。その中で、国民生活や国益を理由にもっともらしい大連立を民主党に持ち掛けるあたりは、「したたか」という言葉以外に表現のしようがないほどです。

小沢代表は冷静な政治家でありますが、本気でその話に乗りかけたのは自民党が1枚上手であったということでしょう。もし小沢代表が大連立に応じていたら、民主党は滅茶苦茶にされてしまい、次の国政選挙では党が壊滅しかねないほどの大打撃を受けていたと考えられます。これは、かつて自民党と連立政権を組んだ旧社会党の歴史を見れば明らかです。

自民党政権がほんの一時を除いて半世紀以上も続いた結果、政界・財界・官界の作り上げたもたれ合い関係が構造化されました。そして、ピラミッドの頂点にいる特定の限られた人たちとその周辺にいる者だけが恩恵を受け、無力な大多数の国民大衆が厳しい生活を強いられています。この現状を打破しなければならない―というのが、民主党の大きな目標であったはずです。

日本中の中小零細企業の経営者、労働者、農家、そして200万以上といわれるフリーター。働いても働いても生活を維持できない、いわゆるワーキング・プアが増大している現状と不況、人口減少と高齢化の進行を打破できないこの国の行く末を案じるとき、自民党とはまったく違った視点に立った政策を掲げる必要があると考えます。だからこそ民主党は政権交代を国民の皆さんに訴え、先の参議院議員選挙で多くの支持を頂いたのではないでしょうか。

その意味を重く受け止めれば、とても自民党が持ちかけた連立などという「トリック」に乗るわけにはいきません。小沢代表が一部同志を引き連れて党を出て行くのを思い留まったのは、小沢一郎という政治家にとっても、また政権交代にあと1歩のところまできた民主党にとっても良かったことだと思います。

今後、再び連立の仕掛けはあるかもしれません。しかし、民主党がそれに応じることはないでしょう。もし自民党と連立するようなことがあれば、民主党はその存在理由を失いかねません。ただし、一つ一つの政策協議はあって然るべきです。「議会」という言葉は議論する場所を指します。したがって、衆議を尽くすということは当然です。私は民主党所属国家議員の良識を信じて止みません。

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