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2007/12/08

悩める政治家たち

県議会議員であれ国会議員であれ、ほとんどの政治家が共通して抱える悩みはその活動の重点をどこに置くかです。選挙対策を優先するのか、あるいは政策を重視するのか、そのバランスが実に難しいと言えます。

選挙に強くなりたければ、地盤の強化が必要不可欠です。毎日のように地元を歩き、支持者を回って御用聞きに努め、冠婚葬祭には欠かさず顔を出します。これが、いわゆるドブ板選挙と呼ばれるものです。私が知っているある議員は、車のトランクの中にロウソクや線香、香典袋にちょっとしたお菓子など「七つ道具」を常に準備しています。何時でも何処でも、これを使って即対応するのというわけです。

この日常活動の繰り返しによって地盤は固まり、おのずと選挙にも強くなります。また、住民の側にもこうした政治家は身近な存在であり、やがて「良い先生」という評価につながります。しかし、こうしたタイプの議員は勉強する時間が削られて政策論争に弱くなり、一部にはあまり政策に関心を示さなくなる傾向も見られます。この度合いが進むと、議会では物分りの良い「賛成」一辺倒の議員になってしまいます。こうした議員は、執行部(当局側)にとってありがたい存在かもしれません。

逆に、政策に重きを置く議員もいます。彼らも地元のことは気にしつつも、県や国の政策を熱心に調べ、情報収集にも力を入れています。勉強すればするほど行政の分野は奥が深く、際限がありません。特に昨今の政策はどの分野でも細分化され、より専門的になっているのです。福祉の分野ひとつをとっても、気が遠くなるほど項目は広範多岐にわたり、全体の概要をつかむだけでも大変なことです。これが予算や財政の分野となれば、それこそ専門書を首っ引きで調べ、時には執行部に直接たずねることもあります。

行政側が打ち出すさまざまな政策を理解して問題点を整理し、議会の委員会で深みのある議論を展開するのは容易なことではありません。しかし、熱心に勉強するからこそ、当局にとって油断のできない議員として一目も二目も置かれます。政治家としてひとつの使命感を持って政策の研究に没頭すると時間が奪われ、特に国会議員は東京に張り付かざるを得ません。当然、地元の選挙区対策はおろそかになりがりです。そして、これが選挙を戦う上で大きなマイナとなることも否定できません。

したがって、政治家はどちらも大切な活動だと思いつつ、このバランスをどう取るかでいつも頭を悩ませています。かく言う私自身もそれは同じです。県議会議員1年生のときから現在に至るまで、いつもこのバランスに苦労してきました。政治家がこうした悩みを抱えていることは、一般の有権者の皆さんにはなかなか伝わらないと思います。政治家を特殊な人種と見る方もいらっしゃるかもしれません。しかし、こうしたフィルターを通して政治家の活動を観察することで、新たな1面を発見し、よりその実像を理解できるのではないでしょうか。

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