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2008/04/30

山口補欠選挙の衝撃

歴代総理を何人も輩出している保守王国・山口県の衆院補欠選挙で、民主党候補が勝利しました。しかも、自民党はあらゆる組織を動かしての総力戦であったにもかかわらず、民主党候補に大差で敗れてしまったのです。

この理由ははっきりしています。それはガソリンの暫定税率を復活させることや、年金と後期高齢者医療制度に向けられた庶民の不満がいかに大きかったかです。さらに、農業や中小企業の衰退など、現在の地方が抱える共通の問題も複雑に絡み、有権者の自民党に対する怒りが爆発したと見るべきでしょう。

福田内閣の支持率は、ここのところ下がりっ放しでしたが、今回の敗戦でさらにマイナスとなるのは確実だと思います。世間のみならず、党内における求心力も失いつつあります。自民党はこの内閣をサミットの後まで持たせようとしていますが、それは容易なことではありません。おそらく、内閣改造などで建て直し、少しでも解散を先送りにするはずです。

民主党の小沢代表にとって、ここは一気に解散まで持ち込みたい場面でありますが、何せ解散権だけは総理大臣が握っておりますので、さすがに思い通りというわけにはまいりません。

話を山口に戻しますと、この補欠選挙は全国的に注目されておりました。したがって、この選挙結果が各方面に及ぼす影響は非常に大きいと思われます。例えば既に、これまで保守の強固な地盤と称されていた農村地域でも地殻変動が起きています。何があっても自民党をがっちり支えてきた農村地域、あるいは準農村地域の皆さんが、自民党の改革に失望して、距離を置くようになってるのです。

これは秋田2区、秋田3区でも同様です。自民党をそれぞれの選挙区で支えてきた市町村議、JAの幹部や農業委員、土地改良区の幹部などはガチガチの支持層と思われていましたが、ここに来て軋みが生じてきていると私は見ます。そして、その下の分厚い岩盤とされてきた保守系の一般有権が動揺、地殻変動を起こしています。これは日本の政治が大きく変わる胎動と言えるでしょう。

この流れは内閣改造や総理大臣の首のすげ替えなどで、一時的に止めることはできるかもししれません。しかし、その方向を変えることは難しいでしょう。いずれ、次の衆院選ではっきりすることには違いありません。

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2008/04/27

秋田2区の公募を終えて

県連幹事長の立場としてはあまり詳しく申し上げるわけには参りませんが、公募制の難しさを感じさせられました。実はもう少し手を挙げてくださる方がいらっしゃるのではないかと予想しておりましたが、既に報道されている通り、今回は2名の応募に留まっています。

秋田2区には首長経験者や現職を含めて実力者が何人もおられます。おそらく良い反応が得られると考えていましたが、なかなか踏み切れなかったのかもしれません。確かに「追い風」を期待して選挙に立ったとしても、あてが外れてしまえば残念な結果となるでしょう。慎重になるのは当然のことと思います。

今回、応募してくださったお二人につきましては、いずれも立派な経歴をお持ちの方々でありました。ただ、秋田2区では追い風を頼りにせざるを得ない面もあると見ています。もともと民主党の基礎票は6万と固いのですが、これを維持してさらに何万票かを上積みしないと当選は届きません。

基礎票におそらく2万~2万5000票の上乗せが必要であろうと思いますが、これをクリアするのがなかなか難しいのであります。このハードルを越えるためには、やはり手堅い後援会作りや支持団体をいくつか確保しなければなりません。つまり、短期間にこれらの事柄を達成できるくらい、トータルな力量があるかどうかが候補者に求められます。大変残念ではありますが、応募者の方々はこの力量と知名度が未知数であると判断した次第です。

4月28日、県連の常任幹事会で最終決定することになりますが、2区常幹の意思を尊重するという基本に変わりはありませんし、これはよほどのことがない限り覆りはしません。今後、公募を改めて行うことはありませんが、候補者の擁立については党員が一丸となって努力いたします。

次の衆院選が天下を二分する戦いである以上、候補者擁立を見送るという事態だけは避けなければなりません。次の選挙では政策を有権者に広く訴え、組織の足腰を強くして、党勢の拡大を図る最大のチャンスであると思います。選挙を戦わない政党は、ネズミを捕らないネコと同じです。民主党政権を実現するため、皆さんのご意見をお聞かせください。

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2008/04/16

ガソリン値下げ雑感(2)

全国の知事たちは暫定税率の廃止に反対しています。それぞれの都道府県のトップに立つ彼らのみならず、市町村長までがガソリンの値下げを受けて「これでは予算を組むのが大変だから、事業をストップしなくてはならない」と言い出したことは、皆さんもご存知だと思います。この影響あって、私自身も親しくしている市議の方から「さあ、民主党さん。この始末はどうしてくれますか」とばかりに言われました。

全国の知事たちが一斉に暫定税率の廃止反対に回ったのは、新年度予算を組んでしまっていることもあるでしょう。確かにその事情は分からぬわけではありませんが、何か裏がありそうに思えてならないのです。それはつまり、誰かが彼らにそう言わせているという疑念であります。一時の予算のやりくりは大変でしょうが、「地方分権」を唱えて続けている全国の知事たちが、首根っこを押さえ続けられることを承知で、国からの交付金や補助金を廃止するなというのは矛盾するものと考えます。

政府自民党にとって暫定税率の廃止、あるいは特定財源から一般財源にするというのは難題です。結局、福田総理は暫定税率を残して一般財源化するという選択をしましたが、「必要な道路は建設する」という但し書きが付いています。この意味をどう解釈すべきなのでしょうか。

私は、道路族によって約束が骨抜きになされるのではないかと危惧します。「道路は地方にとって必要なものだ」と大合唱が始まれば、福田総理も後退せざるを得ないはずです。私が見る限り、全国の主要幹線道路や地方の主要道はかなり整備されています。どうしても必要な箇所については、一般財源で充分に手当てできるはずです。

6兆2000億円という巨額の特定財源を手放したくないという関係省庁の官僚、道路族の思うがままに立派な道路が全国に作られたとしても、それぞれの地方での農業が破綻し、工業が寂れてしまったら、今度は商店街も潰れてしまいます。そうなると少子高齢化がさらに加速し、地域社会そのものが崩壊します。そうなったとき、立派な道路は何の役に立つのでしょうか。

要は道路予算と他の予算とのバランスです。公共事業に大きく依存している地方の建設業界にとっても、暫定税率の一般財源化は大きな問題です。それは脅威と言えるかもしれません。そして、公共事業関連予算が大幅に削減されることで俗に"叩き合い"と称される競争が始まれば、業者の体力はさらに消耗するかもしれません。

しかし、何十年間も莫大な公共事業費が垂れ流しとなっていた中、暗黙の了解の下で談合を繰り返してきた業界自体が、このシステムに安住してきたことの弊害も考えなくてはなりません。

先日、国会の質疑応答をTVで眺めていました。民主党の小沢代表は、暫定税率廃止で不足する財源の穴埋めとして、前年度予算の繰り越し金1兆円を回せば良いと指摘しています。地方の不足分は8000億円と言われていますから、これで補填できるというわけです。地方で行っている国の直轄事業は、常に3割が地方の負担となりますが、この分は国が肩代わりすることで解決します。

さらに、国発注の公共事業においては随意契約をなくし、無駄を徹底的に省くことが必要です。危機を訴えて制度を存続しようという手法は、事実上の減税で一息ついた国民の気力を下げることになりかねません。国が財源不足を煽るよりは、現状をしっかり説明した上で「やりくりで何とかしましょう」と言うほうが、生活を切り詰めて頑張ってきた国民の応援につながると私は思います。

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2008/04/14

ガソリン値下げ雑感(1)

4月1日からガソリンが値下げとなりました。当初はガソリンスタンドなどが混乱すると予想する声もありましたが、今のところは特に問題も発生しておりません。多くの国民は1リットルあたり25円という値下げに、ほくほく顔でしょう。

私や事務所のスタッフも仕事に車を使用していますが、おそらくガソリン代はトータルで年間10万円から20万円くらいは浮くことになると思います。一般家庭ではそれほどの額にはならないかもしれませんが、年間5~6万円は出費を抑えることができるのではないでしょうか。全国民を対象に2兆6千億円の減税になるのですから、その影響は大変なものです。

先週、大手運送会社の社長さんにお会いする機会がありました。こちらの会社では100台くらいのトラックを所有しており、主に長距離専門の運送を行っているそうです。社長さんによれば、軽油が安くなったこと1ヵ月におよそ300万円の節約ができるとのことでした。私はその額の大きさに驚き、改めて聞き直したほどです。

この数字から推測するに、全国の運送業界全体では年間数百億から数千億の経費を節減できるでしょう。ちなみに全国のトラック協会は政府に対し、だいぶ前から暫定税率の引き下げを要望していました。しかし、それはまったく取り合ってもらえなかったそうです。

運送業界は、日本経済が停滞する中で荷主から運賃の値下げを突き付けられる一方、燃料費の高騰で窮地に立たされていました。しかし、業者がムシロ旗を立てて民主党と組むわけにはいきません。それは協会の締め付けももちろんですが、業界ににらみを利かしている国土交通省の圧力が大きく、どんなに困窮しても業者は身動きが取れないからに他なりません。

私がお会いした社長さんは割と物事をハッキリ言う方で、協会内でも物申すタイプだそうです。しかし、どんなに現状を訴えてもまったく通じなかったとおっしゃっていました。帰り際、私は社長さんに「今後は堂々と民主党も出入りさせていただきます」と伝え、その会社を後にしました。

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2008/04/02

緻密に計算された小沢戦略

暫定税率の攻防ですが、いったい政府与党と民主党のどちらが国民の支持を得たのでしょうか。

世論調査によると、7割前後がガソリンの値下げに賛成しているそうです。その視点から判断すれば、福田内閣はかなり大きなダメージを受けたと言えるでしょう。一方、民主党にも国会を混乱させた責任を問う声が上がるなど、結果から見ればどちらにとっても厳しい結果となっています。しかし、このことは小沢代表も織り込み済みであったと思われます。

国会がゴタゴタして党が多少のダメージを受けたにしても、ガソリン価格の引き下げが実現すれば国民の大多数が歓迎するであろうことは予想しており、差し引き勘定では民主党にとって有利な情勢になるという判断があったはずです。そして、一旦値下がりしたものを再び値上げする難しさは前回も述べました。つまり、自民党がどこまでも暫定税率の維持に固執すれば、国民の怒りが彼らに向くという読みです。

この流れに乗って、民主党は一気に解散にまで持ち込みたいところですが、仮にそこまで行かなくても「解散は近い」という空気が醸成されることによって、党内の引き締めを図るという効果が期待できます。それは、すなわち小沢代表の求心力を高めるということであります。

民主党にはさまざまな背景やキャリアを持つ議員が在籍し、中でも当選1回~4回の若手が多数を占めています。この集団を束ねていくことは至難の業です。そして、それができるのは小沢代表以外にいない、と言っても過言ではありません。

防衛省、社会保険庁、国土交通省の道路局と官僚の天下り先でもある特殊法人・財団・社団法人に今、国民の注目が集まっています。ただし、どの省庁も徹底的に調べ上げれば中身はそう変わらないはずです。おそらく、国民がとても納得できない予算の使われ方をしていることでしょう。それは計り知れない闇です。これを明らかにし、闇の関係を断ち切るためにはどうすべきか。それは政権を変え、過去のしがらみを一掃して政と官の関係を再構築するしかありません。

ガソリン税に見られる悪しき因習を引きずったまま、この国の未来を展望することは難しいと思います。その因習をきれいさっぱり解消しない限り、日本は確実に世界の潮流から取り残されてしまうでしょう。果たして、それで良いのでしょうか。必要なのはこの国が抱えている不合理を正すことであり、痛みだけを国民に押し付ける偽りのリニューアルではありません。そして、民主党の掲げる真の改革に着手すべきか否かの判断は、国民に委ねられているのです。

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