« 2008年9月 | トップページ | 2008年11月 »

2008/10/27

予算の成立から執行まで

前回の記事の補足になりますが、議会は予算のひとつひとつを審査し、承認(議決)します。2月議会は分厚い新年度の予算書を前に、執行部から来る職員の説明に耳を傾けるのですが、1年もの間に県民の皆さんのためにつかうありとあらゆる分野に及ぶのですから、その量がいかに膨大かお分かりいただけると思います。

それぞれの予算は細かく款・項・目に分けられており、担当課長は委員会でかなり細部にわたってその趣旨や目的について説明するのです。これが一通り終わると、今度が議員側が集中的に質問をします。立て板に水というのでしょうか、すらすらと説明をする方がいる一方、中には議員の質問にタジタジとなる方もいます。

そして、これが終わると知事をはじめとする県のトップクラスが全員出席しての予算総括に入ります。これは国会の予算委員会と同じと考えて良いでしょう。一問一答形式で行われるため、質すほうも答えるほうも真剣勝負なのです。これが終わって、ようやく本会議で議決されるという手順を踏みます。

この予算が3月末に議決されて執行部に渡れば、この件は議会の手から完全に離れます。すべての予算の執行権は知事部局に委ねられるわけです。つまり、議会から上げられた予算の使い方については、行政側の判断に任されます。

ただ、前回からの繰り返しになりますが、予算は項目まで細かに組み立てられているため、その予算の組み替えや流用をしてはならないと自治法で規定されています。したがって、議員からすれば執行部や職員の倫理観を信じるしかありません。

国民は政治家は汚職をするものと思っている反面、公務員は絶対に不正をしないものと信じ込んでいたかもしれません。しかし、不正経理問題をみる限り、決してそうではないということなのでしょう。

| | トラックバック (0)

2008/10/24

自治体の不正経理を解く

会計検査院が国の補助事業を調べたところ、次々と不正使用が見つかりました。おそらく全都道府県を調査すれば、より大きな問題になったかもしれません。

さて、補助金の間違った使われ方の例として私たち秋田県民が真っ先に思い出すのは、秋田県庁の食糧費問題ではないでしょうか。あの時の予算の不正使用は、分かっただけでも40数億円という膨大な金額でした。その原因が、長年続いた予算処理のやり方自体にあったことは否定できません。

当時、私は自民党会派に所属する県議でした。しかし、議会の一員として不正は正さなければならないという使命感に燃え、会派を離れて思いを共にする議会の仲間10人と新会派「県民クラブ」を旗揚げし、改革の先頭に立ったものです(もっとも、当時はまだ2期目の若造でありましたから、今から見ると「少しやりすぎだったかな」とも思います。)

結局、この問題が背景となって、佐々木喜久治知事(当時)は議会による決算の承認を得ることができず(不認定)、任期途中での退陣を余儀なくされたことは皆さんも記憶されていることでしょう。当然、秋田県庁はこのような苦い経験をしていますから、私は県外で見られたような不正使用はなかったと信じております。

ところで、補助金の不正使用がなぜ可能なのかです。これはやはり、予算の組み方と執行の仕方に問題があると私は考えます。

例えば、あるひとつの公共事業―仮に1億円の予算が組まれているとしましょう。まず、この1億円全てをその事業の直接経費として投入するわけではないということです。食糧費問題で議論した当時ですと、直接経費はだいたい6~7割であったと記憶しています。残りは間接経費で、さらに事務費と需用費に分かれます。

事務費はコピー用紙や地図、パソコンなど事務用品の購入に充てられますが、需用費は対策費や食糧費などかなり広範な目的で使われます。事務費の場合、既に購入済みの事務用品があれば、新たに用意したように装って浮かすこともできなくはありません。当然、需用費はより発覚しにくい不正使用が可能となります。

秋田県の場合、こうして浮かせた予算を他の目的や職員の飲食に使われていました。出先の土木事務所長が管理する金庫には1千万円以上の現金が常に積まれており、年末手当の上乗せ金や他の手当てに充てていたというケースもあったのです。残念なことに、こうした例は話すと切りがないほどでした。

こうした不正使用を防ぐため、国は「国庫補助金適正化法」という法を定めて厳密な運用を求めています。この法律の主旨は実に単純明快で、国からの補助金はその目的以外に使用してはならないというものです。さらに、補助金で事業を行うに当たっては、目的以外の条件を定めることも禁じています。そして、補助金の目的外使用が発覚すれば、利息を付けて国に返さなければなりません。

それでも何故、不正は起きるのか。そのためには予算の組まれ方から考えてみる必要があるようです。

| | トラックバック (0)

2008/10/12

解散総選挙は先送りか

金融不安や急速に悪化する実体経済に対処するため、麻生首相は第一次補正予算に続いて新たな経済対策を行うことを明らかにしました。この第二次補正予算を成立させるとなれば、解散は延期せざるを得なくなります。

国会では与野党を問わず10月の解散、11月の選挙が暗黙の了解となっていました。しかし、突然の金融不安によって緊急の補正予算1.8兆円を組み、与野党が一致してすばやく国会を通したのは皆さんもご承知の通りです。民主党のねらいは、一刻も早く解散させるためには、ここは協力したほうが得策との判断があったからでした。

ところが、麻生首相がさらなる経済対策を指示したことにより、民主党の思惑は大きく外れてしまったと言えなくもありません。しかも、時期が時期だけに民主党もこれに乗らざるを得ないのです。一方、麻生首相にしてみれば、選挙の先送りに加えて経済対策をしっかり行うことができる願ってもない場面であります。

最近、自民党が独自に全選挙区の世論調査を行った結果、選挙後の議席は現有議席を大幅に割り込むという予測が出たこともあり、麻生首相はどうしても選挙を先送りにしたかったはずです。そして、自民党の幹部たちもここに来て「今は選挙どころではない」と口を揃え、来年までの引き延ばしさえ公然と言い始めています。

おそらく来週中にははっきりするとは思いますが、12月は来年度の予算編成で解散は難しいことから、11月中か来年かのどちらかで決着するでしょう。しかし、解散の時期が長引けば長引くほど野党――特に民主党のモチベーションが下がり、政策の焦点がぼけてくる恐れもあります。

政府による経済対策が多少なりとも成果を出し、国民が麻生首相の手腕を評価するような場面があるとしたら、そこで流れが一気に変わることも考えられます。正に政局の一寸先は闇です。こうした状況の中、政局に強い小沢代表が次なる手をどう打つかが注目されるところです。

| | トラックバック (0)

2008/10/08

ただ事ではない金融不安

地方で暮らしていると、世の中の動きが分かっているようでいて、ピンとこないことも多々あるものです。蚊帳の外から眺めているといいますか、中央とは少しばかり感覚のズレが生じているのかもしれません。

さて、ここ最近のアメリカのサブプライム住宅ローンに端を発した世界的な金融不安であります。これは地方在住の私でさえ、やはりただ事ではないという気がしてなりません。アメリカの連邦準備制度理事会(FRB)の前議長、アラン・グリーンスパン氏が指摘している通り、100年に1度あるかどうかの大変動だと私も感じています。昭和初期、アメリカのウォール街で始まった株の大暴落は日本も巻き込み、世界の大恐慌を招いた歴史を思い出さずにはいられないのです。伝統があり揺るぎないと思われていた世界的証券会社や銀行が潰れたり、吸収合併されたりという状況はとても想像もできなったことであります。

資本主義が高度に発達して金融資本主義となり、世の中には私などには複雑すぎて理解の及ばない「金融商品」が出回っています。これが世界中に売りさばかれ、挙句の果てに破綻して紙くず同然となってしまいました。しかも、その損害が日本円にして100兆円とも200兆円とも言われているのですから大変なことです。なおかつ、直接その売買に関わった企業ばかりでなく、実体経済にまで大きな影響を及ぼすとなれば事態の深刻さは度合いを増します。実際に、東京株式市場の日経平均株価は連日のように大暴落しているのです。個人投資家が損をするだけではなく、大手企業の含み損も莫大な金額になるでしょう。

また、円高が急激に進むことによって、日本の輸出産業も致命的な打撃を受ける恐れがあります。例えば、自動車関連産業などは設備投資を控えると予想されます。さらに、影響は雇用にも及びます。そうなれば、国民の消費も冷え込むことは避けられません。景気対策を盛り込んだ国の補正予算は国会を通過しましたが、おそらくは焼け石に水です。地方もそれぞれ手を打つことになるとは思いますが、その効果を期待するのは難しいと言わざるを得ません。こうなってしまうと、私たち庶民が自己防衛するしかないのかもしれません。

9月県議会では、寺田知事が全国学力テストの結果を公表する、しないで激論となりました。しかし、これなどは見方を変えれば茶番のようなものです。サブプライム住宅ローンの余波がこの秋田にまで及び、県民経済が足元からガラガラと崩れかねない危機的状況にあることを理解しているのであれば、学力テストどころの話ではないと私は思うのですが、これは杞憂というものなのでしょうか。

| | トラックバック (0)

2008/10/02

学力テストにこだわる知事

寺田知事が、学力テストの結果をあくまで公表すると譲りません。昨日の県議会予算委員会は、この問題で大議論となりました。文部科学省は学力テストを行うに当たり、都道府県に対して結果の公表を差し控えるよう求め、実施要綱を作って通達まで出しています。それは、成績を公表することによってそれぞれの市町村や学校ごとの競争が激化し、教育の現場が混乱しかねないからです。

実は、文科省がこの点にこだわるのには過去のいきさつも影響しています。

1960年代、当時の文部省は全国学力テストを行ったことがあります。しかし、それによって競争が激しくなり、批判を受けて取り止めたという苦い経験があるのです。例えば、北海道旭川ではテストを阻止しようとする日教組と揉み合いになり、裁判闘争にまで発展しました。そして、第1審では学力テストを違法であるとする判決が下っています。このため、文部省は1966年に学力テストそのものを中止してしまったのです。

また、今回の学力テストを実施する際に文科省が示した要綱には「特に文科省が公表する以外の情報については、都道府県の情報公開条例に定めている"非公開情報"(公開してはならない情報)に相当する」として都道府県教育委員会の判断による公開に釘を刺し、市町村教育委員会にその是非を委ねているのです。

にもかかわらず、寺田知事は文科省の実施要綱を無視し、「ルール違反と言われても構わない」と半ば居直っています。この姿勢については、私も昨日の委員会で「知事は自ら作った情報公開条例を破ることになるのではないか」とたしなめ、テスト結果の公表を中止するよう強く求めました。

今回の学力テストの問題に加え、1国2制度を巡る発言に対する知事会側の反発、さらには子育て税や北東北3県の合併などなど、ここ最近の寺田知事の言動に首を傾げる県民は少なくありません。ボルテージを上げる一方の寺田知事には是非、冷静さを取り戻していただきたいものです。

| | トラックバック (0)

« 2008年9月 | トップページ | 2008年11月 »