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2008/10/24

自治体の不正経理を解く

会計検査院が国の補助事業を調べたところ、次々と不正使用が見つかりました。おそらく全都道府県を調査すれば、より大きな問題になったかもしれません。

さて、補助金の間違った使われ方の例として私たち秋田県民が真っ先に思い出すのは、秋田県庁の食糧費問題ではないでしょうか。あの時の予算の不正使用は、分かっただけでも40数億円という膨大な金額でした。その原因が、長年続いた予算処理のやり方自体にあったことは否定できません。

当時、私は自民党会派に所属する県議でした。しかし、議会の一員として不正は正さなければならないという使命感に燃え、会派を離れて思いを共にする議会の仲間10人と新会派「県民クラブ」を旗揚げし、改革の先頭に立ったものです(もっとも、当時はまだ2期目の若造でありましたから、今から見ると「少しやりすぎだったかな」とも思います。)

結局、この問題が背景となって、佐々木喜久治知事(当時)は議会による決算の承認を得ることができず(不認定)、任期途中での退陣を余儀なくされたことは皆さんも記憶されていることでしょう。当然、秋田県庁はこのような苦い経験をしていますから、私は県外で見られたような不正使用はなかったと信じております。

ところで、補助金の不正使用がなぜ可能なのかです。これはやはり、予算の組み方と執行の仕方に問題があると私は考えます。

例えば、あるひとつの公共事業―仮に1億円の予算が組まれているとしましょう。まず、この1億円全てをその事業の直接経費として投入するわけではないということです。食糧費問題で議論した当時ですと、直接経費はだいたい6~7割であったと記憶しています。残りは間接経費で、さらに事務費と需用費に分かれます。

事務費はコピー用紙や地図、パソコンなど事務用品の購入に充てられますが、需用費は対策費や食糧費などかなり広範な目的で使われます。事務費の場合、既に購入済みの事務用品があれば、新たに用意したように装って浮かすこともできなくはありません。当然、需用費はより発覚しにくい不正使用が可能となります。

秋田県の場合、こうして浮かせた予算を他の目的や職員の飲食に使われていました。出先の土木事務所長が管理する金庫には1千万円以上の現金が常に積まれており、年末手当の上乗せ金や他の手当てに充てていたというケースもあったのです。残念なことに、こうした例は話すと切りがないほどでした。

こうした不正使用を防ぐため、国は「国庫補助金適正化法」という法を定めて厳密な運用を求めています。この法律の主旨は実に単純明快で、国からの補助金はその目的以外に使用してはならないというものです。さらに、補助金で事業を行うに当たっては、目的以外の条件を定めることも禁じています。そして、補助金の目的外使用が発覚すれば、利息を付けて国に返さなければなりません。

それでも何故、不正は起きるのか。そのためには予算の組まれ方から考えてみる必要があるようです。

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