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2008/12/22

12月県議会を振り返って

地域振興局を3つに統合再編する条例案が、9月県議会に引き続きまたも否決されました。寺田知事にとっては、市町村の合併と地域振興局の統合はセットであり、行政改革の総仕上げであったと思います。そして、その先に道州制を思い描いていたのではないでしょうか。その意味からすれば、寺田知事から見た県議会は「わからずや」の集団であり、その反対は理解しがたいものであったかもしれません。

確かに、行政改革は必要なことです。秋田県の人口がいずれ100万人を割り、さらに90万人、80万人と目に見えて減っていくことは避けられません。その時、県庁に3000人、4000人もの職員を抱えておくのは無駄ですし、財政面から考えても無理なことです。また、県議会議員の数も現状の45人を維持することは困難でしょう。誰もがそのことは分かっています。しかし、その改革を余りにも急いでやろうとすれば、様々な障害や摩擦が生じてしまいます。

平成の大合併にしても、69もあった市町村が25にまで減少し、市町村長数や議員数、職員数は大幅に減りました。この合併により、財政の面から見れば以前よりもずっと楽になっています。ところが、中心部から外れた集落や地域への細かい気配りや行政サービスは行き届いているでしょうか。そして、困りごとを相談する議員は周りにいるのでしょうか。役場も遠くなり、一部の地域では活気が失われ、急速に衰えを見せているのも事実です。

日本の古き良き伝統である地域のつながり、人情、思いやり、いたわり、そして歴史や文化などを無視し、ただただ効率面から合併を押し付けるようなやり方は、合併市町村の住民に幸福をもたらしたとは言えません。正直に申し上げれば、寺田知事にはこうした面にも配慮していただきたかったのです。地域振興局は末端の行政サービスを補完するものであり、合併間もない市町村にとってはまだまだ重要な存在であると私は思うのです。

そもそも、なぜ合併だったのかを考えたとき、国と県が市町村の尻を叩き、この数十年間にたくさんのハコモノを作らせたことを思い出す必要があります。合併で重複して使い道がなくなったり、維持費が負担となっている庁舎や公共施設はどれだけあるでしょうか。こうした無駄のツケが今、合併市町村に重くのしかかっています。こうした浪費が、地方の財政悪化を招いたことは否定できません。

この状況を乗り越えるために、国は市町村合併を急がせ、県も後押ししてきました。一言で表せば、市町村は自治の面から合併を望んだのではなく、財政の面からやらざるを得なかったという例が多々あるのです。それで置き去りにされた地域住民にしてみれば、とんでもないとばっちりと言えるでしょう。

もちろん、市町村合併の背景はこれだけが100パーセントではありません。交通網や通信網が飛躍的に発展したことなども、要因に挙げられます。ただ、行政改革というひとつの重要な政策を進めるに当たって「今、なぜ急がなくてはならないのか」「なぜこうなってしまったのか」という疑問や、釈然としない思いが私の中にはあり、その背景をもっとよく知る必要があると考える次第です。

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