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2009/03/08

東京地検は「正義」の砦か

政治権力にとって、東京地検の特捜部ほど怖いところはないと思います。それはロッキード事件で田中角栄元首相を逮捕するなど、これまでいくつもの大事件を手がけて権力の不正を正してきたからです。時の権力者の意向に左右されることなく、いわば聖域化された地検は公平な捜査を行う正義の味方だと信じてきた国民も多いでしょう。

その意味からすれば、今回の小沢一郎代表の公設秘書逮捕は、時期から見ても「らしくないなあ」と思うのです。また、漆間官房副長官の「自民党へは及ばないだろう」という発言はいかにもタイミングが悪く、地検にいささか通じているのではないかという疑いを国民に与えかねません。こうなってしまうと、地検としても自民党の国会議員の1人くらいを挙げないと、国民から不公正であるとの批判を受けかねません。

ちなみに、過去にはこのようなケースもありました。それは吉田内閣の当時にあった造船疑獄事件です。造船業界が政府系の資金融資の便宜を図ってもらうため、政界の要所要所に献金をした事が発覚し、次々に逮捕者が出たのです。

そして捜査の手はついに自由党幹事長であった佐藤栄作氏(後に首相)に延びました。幹事長逮捕は免れない状況になったとき、犬養健法相は検察庁法第14条を根拠として「指揮権」を発動し、検事総長に佐藤氏の逮捕中止を指示したのです。この指揮権発動は、時の首相・吉田茂氏の意向を受けたものとされています。

法相はそもそも検察庁が手がける個々の事件には関与できないのですが、検察官を指揮監督できるという条文を盾に、指揮権発動に出たのです。おそらくは、周辺によほどの知恵者がいたのでしょう。

しかし、これによって検察の威信は著しく傷付けられ、犬養法相も辞任に追い込まれました。検察庁の長い歴史の中でも、この件は未だに忘れがたいものとなっていると思います。つまり、聖域とされる検察庁といえども国家機関の一部であるということを忘れてはなりません。

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