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2009/05/27

日米戦は回避できなかったか

先日、作家の西木正明さんが会長を務める「ヒューマンクラブ」の会合に出席いたしました。西木さんは昨年12月8日、日米が開戦した記念日に「ウェルカム・トゥ・パールハーバー」という本を出版しています。その内容は開戦前の日米の息詰まるような交渉の舞台裏を描いたもので、私も読み終えて大いに感動した1冊であります。

せっかくの機会と思い、私はヒューマンクラブの懇親会で西木さんに「ウェルカム・トゥ・パールハーバー」が題材としている日米開戦について、避けることはできなかったのかどうか訊ねてみました。会場が静まる中、西木さんは「私は避けられたと思います」とお答えになり、満州国のことや関東軍の動き―特に熱河作戦の背景などについて詳しく説明してくださいました。

西木さんによれば、満州国については国民政府の蒋介石も認めざると得ないと考えており、国際連盟のリットン調査団も同様の認識に傾いていたそうです。ところが、関東軍が満州を越えて熱河省で掃討作戦を展開したため、米英などの権益圏である華北まで日本の勢力が及ぶことを恐れたルーズベルト、チャーチルが態度を硬化させてしまったといいます。

では、日本側はなぜ熱河まで手を伸ばしたのでしょうか。それは「アヘン」が理由だそうです。熱河一帯はアヘンの栽培地であり、当時はここが中国全土にアヘンを供給していました。アヘンは莫大な利益を生みます。日本は満州国を建国したものの、財政難に陥っていました。西木さんは、関東軍は満州国の財政を賄うため、熱河のアヘンに目をつけたのだと指摘します。

西木さんの著書「其の逝く処を知らず」は、アヘン王と呼ばれた里見甫の生涯を描いた本ですが、この里見という人物こそが満州国の財政をまたなうため、熱河省のアヘンを一挙に手がけ、中国大陸で暗躍した中心的存在だったのです。もし関東軍が熱河省へ侵攻していなかったら、日米戦争は回避できたかもしれないとする西木さんのお話は非常に興味深いものでした。

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