« 「アメリカの時代」の終焉 | トップページ | 統治能力を失った麻生総理 »

2009/06/15

分かりにくい割引制度

世の中には、分かりにくい料金体系というものが意外と多いようです。先日は、航空運賃にそうした思いを抱きました。

秋田空港から羽田空港の航空運賃は通常、2万2400円となっています。ところが、ある割引制度を使ってチケットを早期購入すると、これが1万6800円という値段に下がります。65歳以上のシニアにも割引制度が用意されており、これを利用した場合は1万2100円で購入できます。通常料金の4割引きと聞けば、誰もが底値と思います。ところが、ある航空会社には空席を格安で提供する制度があり、これを利用すると半額以下の9100円になります。いわゆる空席のバーゲンセールです。

ただし、これは申し込みの際に注意しなければならない点があります。というのも、この割引が適用されるのは空席がある場合に限り、当日を含めて出発日の3日前までにチケットの予約を申し込んいることが条件です。その上で、搭乗当日に空席があればカウンターでこの割引制度が利用できるという仕組みです。予約ではなく、チケットを購入した場合はこの割引制度は基本的に利用できません。

「どうしても」という場合は、既に購入した席をキャンセルして申し込むことになります。ただし、この時にキャンセルのための諸経費(合計2450円)が発生しますので、数百円が浮く程度です。もちろん、この方法でいくらかでも安くチケットを買うという方法もありますが、その手間を考えると二の足を踏む方が多いと思います。

先日、私はこの空席の割引制度を初めて知り、実際に利用しようとしたところ、あれこれ条件があることを教えられました。前述したように、既にチケットを買っていた私はそれを解約し、手数料を払わなければいけなかったのです。残念ながらその点についての最初の説明が不足していたこともあり、カウンターで行き違いが生じてしまいました。飛行機に乗り慣れている私から見ても、これは実に難しくて奇妙な割引だと思います。というのも、購入もしくは予約したチケットを当日解約してわざわざ空席を作り、それを安く買い戻すという形になるからです(改めて説明を聞き、私はこのように受け止めました)。

しかし、航空運賃の分かり難さなどは序の口なのかもしれません。世の中を見渡せば、本当に安いのかどうかがよく分からない割引制度はたくさんあります。

その最たるものは、地方圏の高速道路を休日に限って乗り放題1000円(2年限定)にした自民党の景気浮揚対策でしょうか。1000円乗り放題としながらも首都高速などは適用外となるため、ルートによっては支払額が1000円を大幅に超える場合もあります。また、この恩恵に与かるのは行楽目的のドライバーが中心です。結果として行楽地に向かう公共交通機関は乗客数が落ち込み、売り上げの減少に苦慮しているという話も出ています。

これは、高速道路の無料化をマニフェストに盛り込んだ民主党に対抗したものであることは明らかです。もっとも、「1000円乗り放題」という魅力的な宣伝文句とは裏腹に、割引の対象が限定的であることは否めません。どうしても高速道路を利用しなければならない人たちの多くはそのメリットを享受できませんし、景気浮揚という面から見ても大いに疑問があると言わざるを得ないのです。

これらの制度ももちろんですが、国民が本当に求めているのは政治の分かりやすさです。本当にこの国の未来を考えたとき、何が必要なのかを真剣に考えなくてはいけません。選挙をにらんで、与党は国民の鼻先にエサをぶら下げることに腐心してきましたが、多くの方はそのまやかしに気付いていると思います。このまやかしを良しとしてこの政権を維持させるのか、あるいは見切りをつけるのか。次の衆院議員選挙では、この判断が国民の皆さんに求められることになるでしょう。

|

« 「アメリカの時代」の終焉 | トップページ | 統治能力を失った麻生総理 »

「経済・政治・国際」カテゴリの記事

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/21420/30125802

この記事へのトラックバック一覧です: 分かりにくい割引制度:

« 「アメリカの時代」の終焉 | トップページ | 統治能力を失った麻生総理 »