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2009/10/25

経済・雇用対策は最重要課題

民主党政権の成立からまだ1ヵ月半足らずですが、各省は次々に新しい政策を打ち出しています。特に注目されているのは国土交通省の前原誠司大臣や厚生労働省の長妻昭大臣で、2人は連日のようにマスメディアに取り上げられるほどです。こうした中、私がいちばん心配しているのは日本の経済と雇用の先行きであります。

昨年秋のリーマン・ブラザース社の破綻は、世界中の国々の経済に暗い影を落としました。しかし、お隣の中国はそのショックから完全に立ち直って経済成長を続けておりますし、先進諸国も回復基調にあります。その中にあって、我が日本だけが中央・地方を問わず、不景気に喘いでいるのです。特に地方の経済と雇用は最悪の状況から抜け出せずにいます。このままでは、地方の崩壊がさらに進行することも懸念されます。

8月の完全失業者数は全国で361万人に達しました(統計局発表/労働力調査・基本集計の速報より)。職を失った人は10ヵ月連続で増えており、1年前と比べて89万人も増加しています。また361万人のうち、2人以上の世帯における「世帯主」が89万人を占めています。すなわち、大黒柱を失った世帯がこの日本には89万世帯もあるということですから、事態は深刻と言わねばなりません。

民主党は、これまでの歴代自民党内閣が取り続けてきた「公共投資」による経済全体の浮揚策はもはや有効ではないと判断、公共事業などに対する投資は一律20パーセント減らし、国民全体が恩恵を受ける政策への切り替えを図るとしました。民主党が来年度予算の編成に当たり、子ども手当ての支給や暫定税率の見直し、農家への所得補償、高速道路の無料化といった政策を打ち出したのは、こうした考えに基づいています。

ただ、これら政策を実行することによって消費が拡大し、景気が浮揚するのか―という心配も国民の間には少なからずあります。この点については、私もやはり一抹の不安を感じています。私はこれら政策を取り続けつつも、当面の景気回復のための別途短絡的経済対策が必要だと思います。又、政権党としての中長期の経済政策をしっかり構築することも非常に大事であると思います。その意味で菅直人副総理の指揮する国家戦略室の役割は益々重要です。

政府は今月23日に10万人の雇用を創出するため、緊急対策を発表しました。ハローワークの窓口で職業紹介、生活保護の申請手続きや住居相談などをその場で受け付ける「ワン・ストップサービス」などいくつもの新しい政策を打ち出し、雇用問題の改善に向けて本格始動するところです。

現在、各企業が抱える組織内失業者が200万人もいると言われています。雇用する企業の側にとっても、雇用される労働者にとっても雇用助成金制度はより一層の充実が求められます。私は、民主党が今後さまざまな改革を行って成果を上げたにしても、国内の経済問題や雇用問題を少しでも改善できない時、鳩山政権は相当厳しい立場に立たされるのではないかと心配するのです。この事からも、今後民主党は徹底した経済対策を波状的に行うべきでしょう。

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2009/10/19

新政権予算の性格・編成の難しさ

民主党政権になって初めての予算編成が始まりました。

予算はすべての政策を具体化したものですし、時の政府方針そのものを反映しています。ですから、予算の概算を見るだけでその時の政府の性格がよく分かるのです。鳩山内閣の予算の性格は、自民党政権の下で何十年間も続けてきた「公共投資重視」型の予算から、「国民生活重視」型の予算に重点を切り替えたということに他なりません。

具体的な例を挙げると子ども手当の来年度分2兆3345億円、公立高校授業料負担分4624億円、農業の個別所得補償5618億円、高速道路無料化6006億円、ガソリンなどの暫定税率廃止2兆5000億円といった政権公約を盛り込みました。その代わり、国土交通省関係の公共事業費を14パーセントもばっさり減額しています。今後、おそらく公共事業費関係にはさらに切り込んでいくでしょう。

今ひとつ指摘しておきたいのは総務省が地方交付税1兆円以上の増額を求めたこと、厚生労働省が大幅増額を要求し28兆9000億円にもなったことなど、概算要求が大幅に膨らみ予算全体で95兆円以上になった点です。麻生政権の予算が88.5兆円台ですから大幅に増えたことになります。これを今後どこまで圧縮するかが大きな課題かと思われます。

一方の税収ですが、野田財務副大臣が既に「税収は40兆円以下に落ち込む可能性がある」と言っておりますので、国債発行は回避が難しい状況となりつつあります。選挙の際、なるべく借金を増やさないで無駄を省き、予算のやりくりで乗り切ると言ってきたものの、それぞれの省庁の既得権の要求や、公約として掲げたものは最低限実行しなければなりません。そこは国民によく説明し、「借金の増額もやむなし」と納得いただかなければならないと思います。

いずれにしろ、それぞれの省庁の既得権を積み上げた例年通りの予算編成は案外簡単な話なのですが、これを一挙に崩して、ゼロベースからまったく新しい考えの下で予算編成をしよう―というのですから、あらゆる角度から調整は避けられず、困難も伴います。しかし、新政権にとってここは正念場です。最後までやり切るしかないでしょう。ただ、概算要求の段階で感じたことは、菅さんのところの国家戦略室が全くと言っていいほど機能していない点です。

小泉内閣のときは経済財政諮問会議が次年度の予算の枠組みを決めております。これと同じように、来年度の予算の大枠は国家戦略室で決めるべきだったと私は思います。そうすれば概算要求であろうとこんなに膨らまなかった可能性があります。もっとも、今回は藤井財務大臣が単年度予算編成権は財務省の権限だと真っ先に手を打っています。残念ながら、その時点で勝負はついてしまったということでしょうか。

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2009/10/11

様変わりの永田町周辺

これまでは、自民党も民主党もそれぞれの政調会を中心となって政策の立案や、党内意見の調整等を図って来ました。しかし、民主党は政権に就いたのを機に政調会を廃止し、それぞれの省庁の副大臣が主宰する政策会議をスタートさせています。民主党の国会議員はどの省庁の会議にも自由に参加できるほか、自由に発言することも可能です。

今月6日・7日に開かれた農水省と外務省の政策会議には赤松農水相、岡田外相のみならず、他の国会議員や秘書ら政策スタッフも出席。これを取材しようとするマスコミ陣で溢れ、会場は熱気に包まれました。この政策会議は頻繁に開かれ、13日は国交省をはじめとする5省庁、14日も文科省や環境省が会議の開催を予定しています

この間、国会の委員会がぼちぼち開かれますので、私にとっても綱渡りの日程と言えますが、大臣や副大臣、政務官はもっと多忙です。よく知る副大臣に聞いたところ、彼らによる政務3役会議は「連日6時間に及び、まったく身動きが取れない」と話しておりました。今、こうした会議を通じて各省庁は立て続けに新しい方針を打ち出しています。こうした動きを眺めているだけで、皆さんも「この国の方針が政治主導で大きく変わろうとしているのだ」という感想をお持ちになるのではないでしょうか。

ところで、国会議事堂のすぐ近くには自民党の本部があります。長年にわたってこの国の権力を握ってきた政党の本拠地だけあって、その建物の大きさは見る者を威圧するほどです。かつては多くの人々が出入りし、報道陣が詰め掛けたその巨大ビルも、今は訪れる人が少なく閑散とした印象を受けます。自民党国会議員に対する各省庁の説明も、せいぜい部課長クラス止まりだそうです。

一方、民主党本部は自民党から少し離れた国会図書館の向かいにある小さな貸しビルです。今までも手狭に感じられた本部ビルですから、政権交代後はさらに大変です。慌しく出入りする人の波、そして報道陣の姿で連日ごった返しています。政権党とはこのようなものなのでしょうが、私のような新人議員のところにも各省庁の審議官や参事官が駆けつけ、細部に至るまで政策を説明してくれます。各省庁は国民以上に政権交代に対して敏感であり、大変な気の遣いかたをしていることがよく分かります。

さて、新しい政権が打ち出す新しい政策に、野党の自民党やマスコミの間からは批判めいた意見や否定的な見方がさっそく出ています。しかしながら、鳩山政権は船出からまだ1ヵ月足らずであり、評価を下すのは早すぎます。国民の皆さんにはぜひ、今後の民主党政権の動きをじっくり時間をかけて見て頂きたいと思います。

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