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2009/10/19

新政権予算の性格・編成の難しさ

民主党政権になって初めての予算編成が始まりました。

予算はすべての政策を具体化したものですし、時の政府方針そのものを反映しています。ですから、予算の概算を見るだけでその時の政府の性格がよく分かるのです。鳩山内閣の予算の性格は、自民党政権の下で何十年間も続けてきた「公共投資重視」型の予算から、「国民生活重視」型の予算に重点を切り替えたということに他なりません。

具体的な例を挙げると子ども手当の来年度分2兆3345億円、公立高校授業料負担分4624億円、農業の個別所得補償5618億円、高速道路無料化6006億円、ガソリンなどの暫定税率廃止2兆5000億円といった政権公約を盛り込みました。その代わり、国土交通省関係の公共事業費を14パーセントもばっさり減額しています。今後、おそらく公共事業費関係にはさらに切り込んでいくでしょう。

今ひとつ指摘しておきたいのは総務省が地方交付税1兆円以上の増額を求めたこと、厚生労働省が大幅増額を要求し28兆9000億円にもなったことなど、概算要求が大幅に膨らみ予算全体で95兆円以上になった点です。麻生政権の予算が88.5兆円台ですから大幅に増えたことになります。これを今後どこまで圧縮するかが大きな課題かと思われます。

一方の税収ですが、野田財務副大臣が既に「税収は40兆円以下に落ち込む可能性がある」と言っておりますので、国債発行は回避が難しい状況となりつつあります。選挙の際、なるべく借金を増やさないで無駄を省き、予算のやりくりで乗り切ると言ってきたものの、それぞれの省庁の既得権の要求や、公約として掲げたものは最低限実行しなければなりません。そこは国民によく説明し、「借金の増額もやむなし」と納得いただかなければならないと思います。

いずれにしろ、それぞれの省庁の既得権を積み上げた例年通りの予算編成は案外簡単な話なのですが、これを一挙に崩して、ゼロベースからまったく新しい考えの下で予算編成をしよう―というのですから、あらゆる角度から調整は避けられず、困難も伴います。しかし、新政権にとってここは正念場です。最後までやり切るしかないでしょう。ただ、概算要求の段階で感じたことは、菅さんのところの国家戦略室が全くと言っていいほど機能していない点です。

小泉内閣のときは経済財政諮問会議が次年度の予算の枠組みを決めております。これと同じように、来年度の予算の大枠は国家戦略室で決めるべきだったと私は思います。そうすれば概算要求であろうとこんなに膨らまなかった可能性があります。もっとも、今回は藤井財務大臣が単年度予算編成権は財務省の権限だと真っ先に手を打っています。残念ながら、その時点で勝負はついてしまったということでしょうか。

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