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2009/11/24

このままの経済でよいのか

先週のことです。所用があって銀座へ出かけた際に、デパートのひとつをちょっと覗いてみました。ところが、どの売り場もお客さんがほとんどいません。紳士用品を扱うフロアに行きましたところ、店員の方々が一斉にこちらを見るのです。何だかバツが悪くなり、私はそそくさと売り場を離れました。

ちょうど昼時でしたので、有楽町駅前へ出ましたら500円くらいで天丼を出すお店に行列ができていました。同じような値段のカレーライス屋さんも、ラーメン屋さんも満杯です。ところが、700~1000円の店はガラガラなのです。

地元の秋田へ帰っても、同じような現象を目にすることができます。値段の高いお店は、お客さんが入ってる気配すらありません。先週の夜は、会合の帰りに駅前のホテルのレストランを覗いてみました。やはり、誰一人としてお客さんはいません。また、昼食時は常に混雑していた近所の食堂も、ここ最近は暇そうにしています。

それとは対照的に、スーパーや弁当屋さんの安いお弁当(300円前後からあります)がよく売れているそうです。東京でも地方でも「庶民生活は大変なのだなあ」とつくづく感じさせられました。

これをキッカケに、私は秋田市内の物価を調べてみました。最近、近所に開店したばかりのスーパーではキャベツ1個が78円で売られており、これに対抗するかのように近くの別のスーパーでは、ひと回りほど小さいものを48円で並べていました。

主婦の皆さんに聞きましたら、普段は140~150円だと言います。しかも、農村部の国道沿いにある「道の駅」では100円くらいでかなり立派なものを買えるという話でした。消費者にとって商品が安いのは結構なことですが、生産者はそうもいきません。キャベツに限っただけでも、生産者である農家の皆さんの苦労が分かります。

政府は先週の「月例経済報告」で事実上、デフレを宣言をしました。しかし、私が実際に見聞きしたケースからは、日本中が既にすっぽりデフレに包まれてしまっているようにさえ思えます。

デフレになりますと、物が売れなくなります。売れなければ価格がさらに下がり、企業の売り上げが伸びず、収益も上がりません。そのため、社員の給料が減額されます。そうなると、ますます物が売れず消費が冷え込む―という悪循環に陥ってしまいます。

鳩山内閣もさらなる経済対策(二次補正)を打ち出そうとしている反面、政権公約で国債発行を手控えることになっています。しかし、このままでは状況がさらに悪化して、どうにもならなくなる恐れさえあります。公約は宗教の教典ではないのですから、私自身は事態が変われば柔軟な対応をしても構わない―と思います。

昭和初期の話ですが、当時の井上準之助蔵相は緊縮財政を取り続けました。それで不況から脱却できず、ついには昭和恐慌を招いたのです。これを乗り切るため、井上に変わって蔵相となった高橋是清は国債を大量発行し、積極財政を進めて昭和恐慌を乗り切ることに成功したという過去の歴史を思い出します。今は緊急時なのですから、際限のない国債発行は論外としても、思い切った増発は止むを得ないのではないでしょうか。

ただし、自民党政権が長期にわたって取り続けてきた公共投資(ダム・道路・河川などなどの工事)による経済浮揚策は、短期的にはともかく、長期的には有効でないこともはっきりしています。要は、投資の中身の問題だと思うのです。

すなわち、この事態を打破するための緊急投資は、環境関連やコンピュータのソフト関連・食糧や農業関連・観光関連など、この国の産業構造の転換に繋がるものでなければならないと考えます。

金融政策について言えば、素人に等しい私にも日銀の慎重な姿勢は見て取れます。これまでかなりの量的緩和は行っておりますし、最低の金利水準も維持しています。また、企業のコマーシャルペーパー(企業が資金調達のため発行する無担保で期日が1年未満の約束手形のこと)の買取も1月から始めております。ですが、この際さらなる資金の量的緩和策を取るべきでないかと思うのです。

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