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2009/11/16

陳情ルール変更と波紋

このところ、国会を訪れる県市町村の首長の皆さん、地方議会の皆さんが口にされる話題は、陳情の流れが全く変わってしまうことに関するものです。戸惑いというのでしょうか、「どうすれば良いのか」といった声が圧倒的です。

これまではこの時期になると毎年、地方から波状的に陳情団が上京し、地元選出の国会議員が紹介する格好で各府省のそれなりの役職へ顔つなぎをしていました。局長や事務次官、あるいは副大臣や大臣あたりまで仲介できたら、そのことだけで「わが先生は大したものだ」と評価されましたし、関係の予算が付いたとなれば、大変に喜ばれたものです。ですから、国会議員の事務所はこの時期は真剣勝負であり、陳情でお越しの皆さんでごった返すのです。

これら毎年恒例の陳情攻勢は、私の経験からしても何ほど効果があるのか(あるいは無いのか)と思いますし、陳情団の側も案外はっきりしたことが分からないのが実情かもしれません。しかし、地方側にとっては毎年、この時期は果実の獲得に向けて必死に陳情せずにはおられないのです。

ともかく、これが日本中、永年「定例化」していたのです。余談ですが、おそらくこの陳情費用だけでも全国の自治体にとって莫大な費用になるでしょう。

私に言わせれば、地方の行政側の毎年積み上げられた事業の予算要求、陳情団の熱意、それと国会議員の力や凄みなどなど、最後は各省大臣と財務大臣との復活折衝も加わり、これらすべての相乗効果として予算は決められているのだと思います。

ただし、こうした長年にわたった陳情を通じて官僚が優位となり、結局は官僚政治が定着化したのではないでしょうか。また、それを仲介する政治がとかく利益誘導型の政治家を跋扈させ、業界との癒着を生み、日本の政治そのものをおかしくした面も多々あったのです。

民主党が今回決めた「県連から党本部幹事長室、さらに各府省へ―」という新しい陳情ルールは、こうした永年続いた官主導の政治の打破や利益誘導型政治の打破が狙いなのです。いわゆる政・官・財のトライアングルといわれたものの解体と言えます。ただ、官僚主導や利益誘導型政治を打破するには、これだけではまだ達成はできません。

現状は、地方自治体で行っている事業の大半が国庫補助金を必要としており、まずこれを大きく変える必要があります。そうでないと陳情はいつまでの続くのです。地方自治体に対しては今後、補助金を徐々に減らし、一括交付金という形で交付するべきですし、地方交付税も大幅に増額すべきなのです。

そのためには、地方交付税に配分される国税5税(所得税・酒税32パーセント、法人税34パーセント、消費税29.5パーセント、たばこ税25パーセント)の法定率を50パーセントくらいまで引き上げ、地方への配分を多くして自主財源を強化しなければなりません。

いずれにしろ、民主党は地方主権国家を目指しておりますが、国から地方への権限移譲だけにとどまらず、財源の裏付けを十分しなければならないのです。話が若干それましたけれども、今回の新しい陳情ルールが定着して充分に理解されるまでは、相当の期間が要すると思われますが官僚主導と利益誘導型政治打破といった制度の改革を目指しているということを理解すべきでないでしょうか。

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