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2009/12/07

米軍基地の移設と国益

沖縄米軍の普天間飛行場を移設する問題が大きく揺れています。地元の皆さんの気持ちと長年の苦労を考えれば、その意向は十分に尊重しなければなりません。ただし、これは日米の安全保障にも関わる問題ですから、政治的な判断は一層難しいものとなっています。

一連の問題は1996年、日米間で普天間基地の全面返還が合意されたことから始まりました。2006年には名護市のキャンプ・シュワプ沖への移設に合意し、政権交代後の今年11月13日に行われた日米首脳会談でも、この問題の早期解決について話し合われました。そして、同17日には閣僚級による両国の作業部会まで開かれ、現行計画の調整に入っているところなのです。

ところが、この段階で鳩山内閣の一翼を担う社民党が普天間の県外移設を強行に主張し、新政権はこの問題で分裂絡みの議論となりました。残念ながら、社民党の福島瑞穂党首は自分たちの考えが通らなければ連立の解消も辞さないとしています。この期に及んで連立政権離脱を盾にするのは、さすがに禁じ手ではないか―と私は思います。

来年夏には参院選が行われます。そのため、社民党は敢えてここで問題をこじらせて、その存在感を国民にアピールしようとしているのではないか―という、うがった見方をする人もいるほどです。失礼ながら、社民党の皆さんは日本の国益というものをどのようにお考えなのでしょうか。私の疑問は募るばかりです。

社民党が元々、日米安保の廃棄を主張してきた政党であることは理解しています。一方、この国が隣接する大国、中国やロシアと対峙していく上で、日米安保も重要な役割を果たしてきました。そして、これからも日本が自国を防衛していく上で、米国との関係がどうあるべきかを冷静に考えなくてはならないと思うのです。

私はアメリカの代弁者ではありませんし、またアメリカを崇拝しているわけでもありません。しかし、防衛のみならず経済などを含むあらゆる分野で緊密に連携してきた日米の関係に、万一亀裂が生じることがあってはならないと思うのです。

今、この問題は鳩山内閣にとってアキレス腱になっておりますし、国民の皆さんには鳩山総理が弱腰になっているように見えるかもしれません。連立を維持しなければならないとなれば、参院選における協力も不可欠となってきます。したがって、慎重にならざるを得ない状況に総理が置かれいる、と見るべきです(これはひとつの可能性ですが、結論を来年夏の参院選まで引き延ばすこともないとは言えません)。

いずれ、これは国益を優先した高度な政治判断を急ぐべき問題であります。そして、この際ですから国民にも問題を取り巻く事情などを詳しく説明する必要もあるのではないでしょうか。

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