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2010/03/30

新エネルギー事情(2)

風力発電に続き、太陽光発電の現状について少し述べてみます。

日本では15~16年前に国の補助金制度が始まり、それを契機に「ソーラー」は一般家庭でもずいぶん普及し、世界の先端を走っていたと思います。ところが2005年に国の補助金制度が打ち切られ、普及率は急に足踏み状態に陥りました。しかし、各国ともこの間に太陽光発電に力を入れましたので、ここで日本は大幅に遅れを取ったことになります。

このため経済産業省は昨年2月、太陽光発電に限って固定価格買取制度を急きょ導入しました。これは1kw当り48円で、家庭などでの余剰電力を全量買い取るというものです。

ところで、太陽光や風力など再生可能エネルギーの普及や今後の見通しはどうなのでしょうか。資源エネルギー庁の資料によると、風力発電は2008年度に185.4万kwでした。目標は2010年度で300万kwでしたが、達成には至っていません。太陽光発電のほうは140万kw程度に過ぎません。その他、バイオマスや地熱など再生可能エネルギーを全部合わせても、今のところ全体の5.9パーセント程度なのです。

2005年度の日本全体の1次エネルギー供給は石油49パーセント、石炭20パーセント、天然ガス14パーセント、原子力11パーセントとなっており、今のところは石油や石炭など化石燃料への依存度が極端に高いのが現状です。今後について、政府は再生可能エネルギーを2030年は11.6パーセントまで引き上げようという目標設定をしております。(続く)

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2010/03/23

新エネルギー事情(1)

10年ばかり前でしょうか。秋田県内の市町村でも、風力発電にずいぶん関心が集まった時がありました。何せ、旧来の地場産業が衰退していくのが目に見えていた中でのことです。北西の風が強いという秋田の気候風土を活かし、新しい産業の振興と地域興しに取り組もうと皆、血まなこになったのも無理はありません。

私のよく知る旧峰浜村(現八峰町)の芹田村長も張り切り、会社の立ち上げ寸前まで行きました。しかし結局、頓挫したのです。ちょうどその当時は、私も風力に関心を持ち始めた頃でしたので、峰浜村の事例も含めて風力による発電がひとつの産業として成り立つのかどうかを調べてみたのです。

現在もそうだと思うのですが、建設に当たっては経済産業省関係のNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)からの補助金が自治体ですと50パーセント、民間ですと30パーセントあるはずです。ところが、電力会社の主力幹線(系統)までの送電線は立ち上げる側の負担となっていました。そして、一番のネックは電力会社が毎年一定量の枠内でしか買わないことにあります。

例えば、電力会社が「今年は20万キロワットしか買いません」と言えば、いくら民間や第3セクターが風力発電所を立ち上げても、この枠の範囲内でしか売ることはできないのです。さらに、売電価格も入札によって決められます。

風力発電ですと、採算が取れるギリギリのところがキロワット当たり12円前後でしょうか。しかし、競争入札ですとそれを上回るかどうかの保証がありません。したがって、キロワット当たり9円だの8円だのということになりますと、とても事業として成り立ちません。

一方、電力会社にとっては水力や火力、原子力など安くて安定した電力供給源がいくらでもあります。ちなみに、水力はキロワット当たり8.2円~13.30円、石炭は同5.0円~6.5円、原子力は同4.8円~6.2円、石油は同10円~17.30円となっております(2008年度エネルギー白書より)。電力会社が風力に消極的な言い分は「風の強弱によって不安定な電気では困る」というものです。

こうした背景が影響し、風力発電の話は秋田県だけでなく、全国的にも急速にしぼんでしまいました。それ故、国内最大手の風力発電会社などは日本市場に見切りを付け、欧米に進出して大掛かりな仕事をしているのが現状のようです。

ちなみに、2002年には「RPS」法という画期的な法律が成立しています。この法律は、電力会社に風力や太陽光などクリーンエネルギーで作る電力を買うことを義務付ける制度で、「固定枠制」とも言われるものです。しかし、この法律は罰則規定はあるものの、電力会社も経済産業省もはっきり言えば、のらりくらりとした対応しか取ってこなかったのが実情ではないでしょうか。

ところが昨年9月、民主党政権が成立してから、いささか状況は変化しつつあります。民主党のマニフェストに掲げられていた「固定価格買取制度」が、にわかにクローズアップされることになったのです。この理由としては、ドイツやスペイン、イギリスやアメリカなどの欧米各国も固定価格制度を取り入れ、クリーンエネルギーにかなりの成果を上げていることもあります。

これらを背景に、経済産業省も内部で研究会を重ね、政策会議の専門委員会に具体的な政策案として上がってきたのです。いよいよ経済産業省も本腰を入れて動き出したと言えるでしょう。(続く)

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2010/03/16

忙中閑有り

先週土曜日の午後、ほんの2時間ばかりでしたが田沢湖スキー場に行って参りました。

このスキー場は、初心者から上級者まで楽しめる何本ものコースがあります。また、ゲレンデの広さと言い、田沢湖を眼下に見る景観のすばらしさと言い、東北ではどこにも負けないスキー場だと思います。その上、周辺には「鶴の湯」など癒しを売り物にする温泉場がたくさんあります。

岩手県の安比や山形県の蔵王に比べると知名度は、低く野暮ったいイメージもありますが、中身では十分勝負できます。県内のみならず県外の皆さんにもぜひ、ご利用頂きたいものです。

さて、ここまで話すと「実際のところ、お前さんのスキーの腕前(足前?)はどれほどなのだ」と思われるかもしれません。私は雪国の生まれ育ちでありますが、幼い時は集落の裏山や家の前の坂道などで少しばかり遊んでいた程度でした。

それが秋田へ帰り、50歳近くになって同僚県議から基礎的なことを教わり、その後に秋田市内のスキークラブに入会。そこでみっちり教わったのです。もちろん、だからと言ってアルペンの競技スキーをやるわけではありません。広い白銀のゲレンデで楽しむことや、クラブのメンバーと練習後温泉につかり、酒盛りをするのがいちばんの目的なのかもしれません。

それでも、60歳の時に奮起して基礎スキーのバッジテストを受け、1級(SAJ)をどうにか頂きました。女房からは「どうせ、コネクションのおかげでしょう」とからかわれましたが、私もやり返して「そりゃ、酒の1升くらいは後で立てたけれど、それはそれは厳格な審査を受けたんだ」と胸を張ったものです。

うちの女房といわず、政治家が各種資格を持っているとなると、とかく形ばかりの「名誉勲章」だと言われがちですので、この点ではやはり少しばかり悔しい思いをしています。

実を言うと、私は若いときに柔道をやっていて、高段者の資格(講道館6段)を持っています。実際柔道も格闘技ですので若い時は「凶暴性がある」とずいぶん注意もされました。ところが、今はオットリ型に見えるらしく、「高松さん、どうせハシゴ段」でしょうと、よくからかわれるのです。こんな時は「政治家って、実に信用されていないんだなあ」とガックリします。

スキーに話を戻しますと、滑り始めた頃は大変でした。まずは「八の字」に足を広げて滑る「プルーク」の練習です。それをマスターしたら、次は「シュテム」の練習です。これはターンの前に「プルーク」に入り、ターンを終えてからスキーを平行に揃えて上体を起こす動作を指す用語です。

その頃はとにかくスキーを平行に揃えることと、上体を起こすことを厳しく指導されたものです。しかし、初心者は体の比重を後ろに置きがちです。恐怖感から逃れるため後傾姿勢をとってしまうとスキー先端が浮いてしまい、スピードは逆に増してスキーのコントロールも難しくなってしまいます。

こうして、やっとの思いで基本をマスターした頃、スキーの主流は「カービング」と呼ばれる形状にすっかり変わっていました。スキーは以前に比べてずいぶん短く幅広のものに変わり、大きなサイドカーブと体重の移動を利用して滑るのです。

今までのようにターンの際に踏み込み、ターン後にスキーを揃えて上体を起こすようなスタイルとは異なり、感覚的にスキーを少し広げて曲がろうと思えばすぐに曲がります。どちらかと言うと、腰をかがめた感じでスイスイと滑るようなものでしょうか。そして、これまた身につけるまでかなりの時間を要しました。

今はほとんどの方がカービングスキーで気軽滑っておりますが、スキー場での若者の主流はスキーよりもむしろスノーボードです。彼らが我がもの顔で自由自在にゲレンデを滑走する姿には勢いを感じます。ただし、横向きのスタイルで降りるのですから、いつもハラハラして見ています。チャレンジ精神旺盛の私ですが、スノーボードへの挑戦はとても無理でしょう。

スキーと水泳の組み合わせで冬の体力を何とか保ってきた私ですが、皆さんはどんな方法で体力維持に努力されているのでしょうか?

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写真上:冬はスキーで体力づくり(田沢湖にて)

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2010/03/07

知られていない重要法案

国会が始まってから、衆議院本会議であれ予算委員会であれ、「政治とカネ」が話題に上らない日はありません。それはそれで非常に重要な事柄でありますが、現場にいると同じ話の繰り返しに些かうんざりもしてきます。

マスコミもまた、この話題を何度もクローズアップするため、国民の目から見たら「国会ではそのことだけやっているのか」と思われるかもしれません。しかし、実際は違います。今国会では「子ども手当法案」や「高校無償化法案」など重要な法案がいくつも提出されており、その審議が慎重に進められています。

その他に重要な法案は3つほどあります。その一つは、政治主導を強力に推し進めるための「政治主導確立法案」と呼ばれるものです。これが成立しますと、内閣に「国家戦略局」が正式に発足します。この組織は中~長期の経済戦略や国家の方向などを決める総合的な戦略を練り、更には次年度の予算の大枠も決定します。

これまでこの国は、どちらかといえば、各府省がバラバラに動き、内閣も強力な統治能力や国家戦略を持っていませんでした。それと比べれば、いかに画期的なことかお分かりいただけるのではないでしょうか。また、各府省の副大臣や政務官を増員し、政治主導をさらに強めるようにします。

二つ目の重要法案は「国家公務員法」の改正です。これまでは事実上、各府省がそれぞれ人事決定権を独自に握っていました。改正により、今後は内閣に「人事局」が作られることとなり、ここが一括して各府省の事務次官以下幹部の人事に当たることになります。これもやはり、画期的なことでしょう。

三つ目は「地域主権改革推進法案」です。従来、地方自治体は政府の強力な権限の縛りを受け、独自の行動を思ったように取れませんでした。そして、自主財源も十分に確立されていなかったのです。

権限を中央に集中させてきた日本においては、地方の自主独立が永遠のテーマとなって来たのです。民主党政権は地方分権を「地域主権」と位置付け、その確立が改革の一丁目一番地であると宣言しております。

先日、政府は地域主権戦略会議を開き、国の出先機関の整理のほか、地方への国庫補助金を取り止めて一括交付金に切り替えることなどを含めた「地域主権戦略大綱」を今夏までに作ることを決めています。

国会では今後、地域主権を進めるための方針作りに地方の代表も参加してもらうため、協議機関を設置します。また、これまで国道などの建設・維持のために地方にその何割かの負担を強いてきた、いくつもの負担金や各種義務付けの廃止などに関連する一括法案も審議されます。こうした法案を通すことで、地域主権は大きく前進するはずです。

いずれにしても、かつては「省あって国家なし」と言われたくらい、各府省の官僚支配が長年にわたって続いていたことは事実です。それを変えて、内閣による統治力を強化してストレートに各府省トップに政治家を送り込み、政治主導に改めるという法案は、官僚軍団との対決色が強いものと言えるでしょう。

一方、地域主権についても、明治維新の頃から続いている中央集権国家の形を事実上、組み替えていくことを意味しています。これについても、相当の抵抗が予想されますし、過去には法律が国会を通過しても、施行法が通らなかったなど、様々な手法でなし崩しに形骸化された例もあります。

地方自治体も結束して、真剣勝負に出られるかどうかの正念場でありますが、そこに官僚制という大きなハードルが存在することも忘れてはなりません。

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2010/03/01

深刻な経営の実態

先週、異業種の何人かの方々と話す機会がありました。港区の海岸通りに面したビルの景観すばらしい所でレストランを経営している専務さんの話。「去年と比較しても2割から3割もお客さんが減っています。東芝、ソニー、清水建設、日通、NECや港運関係等の会社が近くにあり、ずいぶん賑わっていたが今は全くダメですネ。出入りの歯科医の先生も、2月はひどい落ち込みだと嘆いていますし、自由診療をやっている開業医の先生もぜんぜんダメだと言うんです。うちも正規の社員を減らし、パートに切り替え、やっとのことです」と。最後に汐留のイタリアン街にあるずいぶん流行っていたレストラン(都内に5店舗を経営)も潰れてしまったと言い、「この先どうなるんでしょう。国が何とかしてくれないと」と政治への不満です。

コンピュータ関連の会社経営者は辛辣です。「2流の政治に3流のマスコミ。今の日本は最悪だと思う。政治も悪いがいつまでも金の事ばかり煽る日本のマスコミは特にひどいよ。経済のことをもっとどうして取り上げないんだろうと。中国か9%前後の成長だし、インドネシア7%、マレーシアだって5.2%の成長なのに、日本は何しているんだろう。国民がこんなに苦しんでいるのに国会は金の事で毎度の茶番劇。いいかげんにしてくれ」と、怒りが治まらない感じです。

この社長の講釈が更に続きます。「政府が失業率5.1%というが、この数字はハローワークに登録して失業保険をもらっている人が対象で、派遣社員やフリーターはこの数字の中に入っていないし、この人たちも入れると失業率はもっとひどいと思う」と指摘です。又、政府が枠を広げた雇用対策の助成金は自分の所もこれでずいぶん助かっているが、これも、実際は企業内失業者であり、国全体で360万人にも達し、これらも含めると日本全体の失業者は恐ろしい数字だと。政府はこの現実を分かっているんだろうかとの指摘なのです。

かたわらで黙って聞いていた、真宗大谷派の寺のご住職の話。「最近は葬儀もやらないし、戒名も結構です。簡単にお経をあげに来て下さいという檀家方が増えています」と言い、又他の寺の葬儀への手伝いも少なくなり、寺の方もじわりじわりと苦しくなって来ているというのです。お寺の境内はお墓を建てたいなんていう話はここの所ほとんど有りませんとの事。

静かにワインを飲んでいたもう一人の経営者の発言。「菅さんが、インフレ1%目標を持ってやりたいと言ったのに、日銀総裁がこんなことやったことがないとすぐに否定したが、日銀もなんてこと言うんだろう」と菅財務大臣を支持する発言。

更にこの社長は「日銀がお金を市中にどんどん回せばいいじゃないか。日銀は国債の格付けが下がると言いたいのだろうがそんな事言ってたら何も進まないではないか」と日銀批判です。

先週末秋田へ帰って、知事の新春パーティーの席上、地元の社長さんたち口をそろえて「高松さん秋田を何とかして下さいよ。俺たちこのままでは死んでしまう」との発言ばかり。地方経済の落ち込みの酷いことを懇々と聞かされました。

末端の経済の深刻な発言、ズシリと重く感じた次第です。つくづく思うのですが、この国の経済の実態は、業種を問わずますます深刻になりつつあると思います。

しかも末端の経営者の皆さんが経営努力をしてもどうにもならない所まで来ているという感じです。

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