« 国会初質問 | トップページ | 案外知られていない政策会議 »

2010/05/08

「普天間移設」の視点

5月8日の朝日新聞1面トップは「普天間県外移設が頓挫(とんざ)」「徳之島3町長拒否」、同じく読売新聞は「徳之島移転を拒否、3町長首相要請に」。地方紙の秋田魁新報も共同通信の配信記事と思われますが、1面は中央紙とほぼ同じ。2面には「首相の構想、頓挫寸前」という見出しで「政権がさらなる窮地に追い込まれてきた」と書いています。

連日の切れ間ないテレビ・新聞の報道は、地元の反対運動と鳩山首相の迷走を印象付け、その上で首相の指導力を問うというスタイルで一致しています。メディアの影響力を考えると、事態の収拾がますます難しく,地元の移設反対運動は、反基地・反米軍の闘争へと燃え上がっており、さまざまな思惑が複雑に絡んでいるようにも見えます。私はこの問題が、長びけば政治闘争へと発展する恐れもあるのではないかと見ています。この状況は、古い話になりますが昭和30年6月の安保闘争を想起させるものです。

当時、岸首相は日米間の対等な安全保障条約改定をねらったのですが、結局は国会のみならず日本の保革対決の天王山とも言うべき大きな政治闘争へと発展しました。話はやや飛躍するかもしれませんが、沖縄県に限定されますが、これとどこか似た空気が醸成されているような気もします。

私が今、心配しているのは、この問題が長期化して混乱すればするほど、事の本質が見失われかねないということです。鳩山首相の判断の甘さなど、確かに指摘すべき点多々あろうかと思います。また、私たちは戦後の占領政策の中で沖縄県全体が基地化され、さまざまな問題を抱えていることも理解しなければなしません。しかし同時に国家の安全保障からは切り離して考えなくてはいけないとも思います。

ふたつの事柄が絡んで問題は複雑化しているのですが、私たちは単なる基地移設反対の闘争だけではなく、この国の安全保障の問題に現実的かつ冷静な対応をしなくてはなりません。

外交評論家の岡本行夫氏は月刊誌「文芸春秋」の中でこの問題に触れ、沖縄の米海兵隊が「仮に日本から撤退する事態となれば、日米安保体制は一挙に弱体化する。中国にとって、これ以上望めない喜ばしい事態が極東にやってくる」と指摘しています。

社民党や一部の評論筋はグアム島や南洋諸島への基地移設を提案していますが、「抑止力」という点においてかなり難しいとも言われております。いずれにしても、普天間の問題を長期化させてはなりませんし、安全保障という現実的な視点から冷静に見つめ、考えることが求められているのではないでしょうか。

|

« 国会初質問 | トップページ | 案外知られていない政策会議 »

「経済・政治・国際」カテゴリの記事

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/21420/34585961

この記事へのトラックバック一覧です: 「普天間移設」の視点:

« 国会初質問 | トップページ | 案外知られていない政策会議 »