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2010/10/03

検察の暴走を問う(1)

大阪地検が手がけた厚生労働省の事件では、逮捕された村木前局長が強引な自白調書によるデッチ上げであることが裁判で明らかになりました。それどころか、前田主任検事が証拠物件を改ざんしていたのですから、実に恐ろしいことです。

さらに、その報告を受けていた上司の特捜部長と副部長が事実を隠したとして、最高検に証拠隠避の疑いで逮捕されました。こうなると、検察の組織ぐるみの犯罪が疑われるばかりでなく、国民の信頼が大きく損なわれ、検察の権威も地に堕ちたと言わざるを得ません。

それにしても、無実の国民を自分たちの功名心と出世のために陥し入れ、人生をめちゃくちゃにするのですから絶対に許せないことです。

かつて、伊藤英樹検事総長が就任の際に「巨悪は眠らせない」と高らかに宣言し、この名言に国民の多くは「検察こそ権力の腐敗を追及する正義の味方だ」と、喝采をおくったものでした。

また大分前のことですが、東京地検特捜部長としてロッキード事件解明に当たり、後に検事総長を務めた吉永祐介氏にお会いしたとき、私は雲上人にお会いしたような気分になり、「正義の味方としてかんばって下さい」と話したことがあります。

しかし、最近の検察を見ていると、司法に関して素人の私でさえ「あまりに強引でひどい」と思わざるを得ません。

例えば、小沢一郎元幹事長の政治資金管理団体が、土地購入をめぐって収支報告書に虚偽記載をしたという件です。この疑惑により、今年1月に秘書だった石川知裕代議士が国会開会の直前に政治資金規正法違反で逮捕されました。

検察はまず石川代議士を突き崩し、次に小沢元幹事長の「虚偽記載」を共謀した罪で迫ろうとしたのです。ところが、その本当のねらいは別の所にありました。それはゼネコンの水谷建設の元会長が、収監中に「小沢さんに1億円を渡した」と供述したのを踏まえ、その一部である5000万円を都内のホテルのロビーで元会長が石川代議士に渡したとしたことを追及することだったのです。

検察は石川代議士の供述を元に、小沢元幹事長のヤミ献金疑惑を狙っていたのです。しかし、政治資金規正法について言えば、この法律自体、政治家本人を厳罰に処するというよりも金の流れを透明化させようという趣旨のものです。そもそもは、事務に携わった者の責務を問うことに主眼を置いているということです。

当時の事務担当者であった石川代議士に瑕疵があったとしても、記載ミスだけでは逮捕が相当の罪ではないのです。通常、これは修正で済ませているのです。もし、虚偽記載を責めるとしても、故意なのかどうかの判定が難しいですし、ましてや虚偽記載を共謀したとして、小沢元幹事長を追い詰めようとしたとしても法の趣旨からしても相当に無理があるのです。

結局この事件は壁に突き当たってしまいましたが、前田検事が絡んでいたとなると、今後の法廷で大きな論争を呼ぶことは必至でしょう。 ※続く

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