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2010/10/20

きびしい農業事情

民主党政権の目玉政策のひとつである、農家の皆さんに対する「戸別所得補償」が今年から始まります。この制度はアメリカやヨーロッパでは既に行われているのですが、生産調整(減反)に協力する全農家が対象で、生産費と販売額との差額分を国が補償するという画期的な制度なのです。

今年度はコメのみが対象ですが、今年は米価そのものが散々な状況にあります。その背景のひとつは、昨年度生産したコメが30~40万トン近く過剰米として残っていることです。過剰米がだぶついてるところに、今年度生産した新米が流通するということになれば当然、市場原理で価格は下がります。

秋田県についていえば、1等米で60キロ(1俵)当り、農協から農家への前渡し金が昨年より3,300円も下がって9,000円となっています。このため、各農協では1,000円を上積みして10,000円にしたのです。

また、今年は猛暑続きで1等米の比率が大幅に減っています。農水省の調査によると、秋田では前年比で75.8パーセントですし、全国平均でも64.4パーセントまで下がっております。1等米と2等米では価格差がありますから当然、農家収入は大幅減となります。

これに加えて、流通業者が「どうせ所得補償されるんだから」と農家の足元を見て、安く買いたたいているのも原因だというのです。こうなると、とても所得補償だけで救済することは不可能と思われます。

農協団体や農家の皆さんは、はじめから新制度に不安を持っていたものですから、猛暑などが偶然重なった今年の減収を受けて、政権への不満を募らせることになったようです。農協団体は、過剰米を何とか政府が一括買い上げすべきだと強く要望していますが、簡単ではありません。

これまで自民党政権でさんざんやってきたことを繰り返すわけにはいきませんし、自由市場に任せる代わりに、今年度は戸別所得補償費用として5,618億円もの予算を計上しているのです。

さらに、来年度は麦や大豆など畑作も対象としており、農水省は9,166億円の概算要求をしてます。いずれにしろ、日本中のコメどころの農家が苦境に立たされているのが現状なのです。

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