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2011/05/07

福島原発問題を考える(4)

内閣官房参与につい最近就任したばかりの小佐古敏荘氏(東京大学大学院教授)が、政府の福島原発への対応が場当たり的だと厳しく批判、先月29日に辞任しました。これは極めて異例のことだと言わざるを得ません。

辞任会見の中で小佐古氏は「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム・SPEEDI(スピーディ)が法令などに定められた手順通りに運用されていない」と指摘しました。このことは週刊ポスト誌(5月6日号)が「菅官邸が隠した被爆データ6500枚」という見出しでスクープしております。

同誌によると、SPEEDIは「原発事故が発生して放射性物質が放出されると、気象庁のアメダス(AMeDAS/地域気象観測システム)として、風向きや風速、気温などから放射性物質の拡散を計算・図形化し、最大79時間までの飛散を予測する能力を持つ」そうです。

この所管は文部科学省で、財団法人・原子力安全技術センターが運用しているとのこと。そして、SPEEDIから得られた情報は、同センターから原子力安全委員会・関係各省庁・都道府県の端末にリアルタイムで伝達されることになっていました。それを基に、関係自治体は住民に警報を出すシステムなのです。

今回は原子力災害法10条に基づき、東京電力は政府に福島原発1~3号機の電源喪失を3月11日午後3時42分に報告し、文部科学省の指示を受けてセンターはSPEEDIを始動し、拡散計算図の配信を同日午後5時からスタートしたといいます。

このデータは4月20日までに6500枚になった―と記事にはあります。ところが、肝心の放射能警報は1度も発せられておりませんし、データも3月23日に予測図が1枚、4月11日に同じく1枚を公表しただけに過ぎません。記事が正しければ、なぜこれだけ大量のデータが公表されなかったのか―が問われます。

同誌の取材によると「官邸幹部からSPEEDI情報は公表するなと命じられていた」といい、福島県庁にはその情報が当初から逐一流されていたものの、福島県災害対策本部原子力班は「原子力安全委員会が公表するかどうかを判断するので、県が勝手に公表してはならないと釘を刺された」と答えています。

開かれた政党であるはずの民主党政権がこんな事では国民の信頼を失ってしまい兼ねず残念でなりません。

おそらく、官邸は最初からデータを取り寄せて放射能がどの辺まで拡散しているのかを知っていたはずです。しかし、すぐに公表すれば大混乱が起きかねないと判断し、公表を回避したのではないでしょうか。(※続く)

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2011/05/02

福島原発問題を考える(3)

4月に入ってから一期生50名が入っている北辰会の定例会の席上、空本議員から福島原発についての報告が有りました。氏は東大工学部出身(工学博士)で原子力の設計にも携わってきた専門家なのです。

「今回の事故は全く人災です。官邸の初動体制が間違っていたんです。」原子力安全委員会も原子力保安院も全然駄目です。第一、斑目委員長を始め原子物理学の専門家がいません。水素爆発が起きることが全くわかっていなかったんです。委員長は菅首相に爆発は起きないと間違った助言をしています。それと東電や政府(経産省)の言うがままで、何も言えないんです。原子力委員会は総入れ替えすべきです」と言うのです。

北辰会のメンバーでない平議員も専門的な立場から同じことを指摘するのです。「日本の原子力政策は余りリスクを強く主張する学者を排除して政策を進めてきたのです。原子力安全委員会等のメンバーもその通りです。したがって、原発の設計でも安全性の面ではかなり問題があった」と見てきたと私に言うのです。

422日付の朝日新聞は「海外メディアが見たニッポン」というコーナーで、南ドイツ新聞のクリストフ・ナイハード氏が同じようなことを言っていると紹介しています。「日本では、政府の中枢を取り囲んでいるのは、東京電力、原子力安全・保安院、原子力安全委員会を含め、原発を推進する立場の人間ばかりで反対意見を述べる人がいない」(同氏)。

一連の流れを見てみますと、原発は「国策」として強力に進めてきた面があり、安全委員会のメンバーなども、同調する「御用学者」ばかりを集めてきたのでないか―と疑いたくもなります。また、原子力政策を進める資源エネルギー庁も、それを安全の面から監視する原子力保安院も、同じ経済産業省の中にあること自体がおかしいと思います。314日の党部門会議で増子参議院議員が「だから前々から保安院を独立させろって言ってきたじゃないか」とカンカンに怒ったのも当然です

すでに指摘されているところですが、原子力安全委員会は今後、独立機関としてもっと権威あるものにし、保安院もこの下部に置くべきではないでしょうか。政府に対しては、科学的専門的見地から強く進言ができるようにしなければならない―と素人ながら思います。今回の福島原発はすべて、後手後手になったと指摘されていますが、腰が引けてはっきり専門的立場から発言できなかったとしたらとんでもないことだと言わざるを得ません。

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福島原発問題を考える(2)

巨大地震が起きたのが311日。その3日後の14日、国会内で、党の経済産業部門会議が開かれ、原子力保安院から原発事故の報告が有りました。

放射能漏れについては、どこから漏れているのか今の所はっきりせず、目下調査中との事でした。

それを聞いた我々素人にしてみればたいした事ではないんだなあ、と思ったのです。

所が同席した同僚の平智之議員がさっと手を上げ、「すでにメルトダウン(炉心溶融)を起こしているのではないですか?」と指摘したのです。

保安院側は一瞬黙ってしまい答えなかったのです。

平議員は京都大の工学部出身で原子力の専門的な知識をもっている方なのです。

会議のあと私は素人ながら平議員にメルトダウンとはどういう事なのかなど突っ込んで聞いてみました。「ガンマー線やセシウム、ヨウ素などの放射能が出ており、すでにウランの燃料棒が溶けて、容器の下のたまり、容器の下に穴があいている可能性すら有る」と教えてくれたのです。

これを聞いた私はびっくりです。

しかし東電や原子力保安院はずっとこの事を否定し続けて、4月の下旬になってやっと、炉心熔融の可能性を認めたのです。

一連の事は、46日の経済産業委員会で共産党の吉井議員が専門的な内容の質問をしました。吉井議員は2005年頃から「全電源喪失と炉心溶融」について何度も国会で取り上げて来たと言うのです。

しかし国は一貫して二重三重の手を打ってあり問題ないと言い続けて来たと言うのです。

当日は原子力安全委員会の斑目(まだらめ)委員長、鈴木前委員長、保安院の寺坂院長も同席したのですが、いずれも絶対起こりえないという過去の神話めいた答弁から一転して「今回の事故を深く反省し二度とこのようなことが起こらないように指導してまいりたい」(斑目委員長)との答弁です。

又、鈴木前委員長は「原子力に長年たずさわっております者にとって国民の皆様に大変な御心配御心労、御迷惑をおかけしている事に対しまして大変申し訳ないと思っておりますし、私自身痛恨の極みでございます」と平謝りなのです。後になって謝っても済む話ではないのです。国家の原子力政策を進める最高の権威ある方々なのです。本当に頼りないというか、情けない気持ちになりました。皆さんはどう思われますか?

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