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2011/09/05

新代表選出の舞台裏

8月29日午前11時、ホテル・ニューオータニーの「芙蓉の間」は熱気に包まれました。おそらく、2000人規模のパーティを開けるくらいの大広間です。そこに国会議員398名、それに地方の代議員、数百名のマスコミ関係者が集まりました。

これだけでも、政権党の代表選にふさわしい舞台装置と言えます。私は隣の国会議員にささやきました。「さすがは政権党だなあ。10年前は小さな会場で、ささやかな代表選だったのに」―。

さて、場内の様子です。投票が始まる前から海江田さんが1位になることは誰もが皆、分かっています。ただ、160~170票までいけるかどうかです。そこまで行けば、流れは決まったようなものでした。野田さんと前原さんの2位・3位連合も決定的という事前情報も流れていました。

馬淵さんは大方、海江田さんです。となれば、問題は鹿野さんのところでした。小沢系の有力議員が何人も推薦人になっており、決戦は海江田さん支持とも見られておりました。ところが前夜あたりに様子が急変。小沢さんが一発勝負をねらい、強引に山田前農相らの引き剥がしをやり、鹿野さんのグループ内が険悪だという話が出ていたのです。

結局、1回目は誰も過半数に至らず、予想されていた決選投票に勝負はもつれ込みました。海江田さん支持の小沢系幹部を見渡すと、皆が重苦しい雰囲気を醸しています。あの時、既に海江田さんの負けを感じ取っていたのでしょうか。

結果は野田さんが215票、海江田さんが177票。つまり、鹿野さんが決選投票のキャスティング・ボードを握ったのです。グループは鹿野さんに一任。鹿野さんが上着を脱いでワイシャツ姿になったら、2位を支持するというサインが事前に決められていたのでした。

そして、この結果をどう見るかです。

私は場内でそれぞれの演説を聞いて、野田さんがダントツに話が上手だと感じ、海江田さんに対してはむしろ逆の印象を強くしました。直前まで態度を決めかねていた数十人はこの演説によって野田さんを支持し、得票を大きく伸ばしたのだと私は推測します。

負け惜しみではありませんが、海江田さんを支持した私をはじめ、親しい議員仲間の間では海江田さんが代表選の候補になると決まった途端、「これでは勝てないな」という声がささやかれておりました。もし勝ったとしても「どうやって舵取りをするのだろうか」と首を傾げる向きもあったほどです。

また、今回は党員資格停止中の議員が9名(小沢さんと小沢系議員)おり、これを加えると海江田さんの票は186票になり、非常にきわどい僅差の決戦になっていたのです。

もうひとつ、今回の代表選で思ったのは、「結局、党内は小沢対反小沢の対決になってしまった」ということでした。これは小沢さん自身がもっとも警戒していたことですが、メディアも代表選の数日前から一斉にそこを対立軸だと煽っていたことは否めません。

あの夜、私たちの仲間内ではこんな話が出ました。「仕方なかったんじゃないか。負けたけれども、新代表が前原さんでなく、野田さんで良かったんじゃないの。前原さんだったら即解散だったよ」。

決選を制した野田さんは、会場で「もう党内対立は止めて、ノーサイドでいきましょう」と語りかけ、会場は拍手の嵐でした。「脱小沢」「反小沢」という言葉で対立を煽り、相手を罵って徹底的に追い詰めた菅さん、その取り巻きの陰湿なやり方に多くの議員は辟易しており、野田さんの新代表就任に皆ホッとしたのです。

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