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2012/02/26

地に堕ちた東京地検

かつて、伊藤栄樹検事総長の「巨悪は眠らせない」という名セリフに、国民は皆「検察こそ正義の味方だ」と拍手喝采を送ったものです。しかし、厚生省の村木厚子局長を逮捕した大阪地検特捜部の前田恒彦主任検事による証拠改ざん事件(冤罪事件)により、検察の信用はガタ落ちしました。

大阪地検の検事を検察庁の上司が逮捕するという滅茶苦茶な顛末に、多くの国民は唖然としたのではないでしょうか。そして今、この事件と同じことが小沢一郎さんの裁判で起きているのです。

一連の報道により、国民は「小沢さんがゼネコンから多額の裏金を受け取り、そのことで裁判になっている」と思っているようですが、実はまったく違います。事件は非常に簡単で、政治資金規正法違反をめぐっての裁判なのです。それも、小沢さんが政治資金の収支届出の際に、石川知裕元秘書が入金を翌年度収入として記載し、それを小沢さんも承知していた―と検察は主張し、これが「虚偽記載」であり、小沢さんとの「共謀」だと言います。

小沢さんが「共謀」したかどうかは、石川元秘書の供述調書が唯一の証拠でした。しかし今回、東京地裁は石川元秘書を取り調べた東京地検・田代政弘検事の調書を「強力な利益誘導があり、虚偽供述の危険がある」として証拠採用しませんでした。さらに、その際に裁判官が「違法不当な取り調べは許されない」と厳しく批判しています。まさしく、これもまた前代未聞のことです。

石川元秘書の供述調書が、小沢さんを有罪に持ち込めるか否かの重要な決め手だったのですから、検事役の指定弁護士の受けるダメージは大きいと言わざるを得ません。逆に、小沢さんは無罪となる可能性がさらに高まったと思います。

もうひとつ見逃せないのは、田代検事が取り調べの報告書を地検の上司に提出していることです。報告書は検察審査会に提出されています。そして、審査会はこの虚偽に満ちた報告書を基に小沢さんを「強制起訴すべき」と判断したのです。

振り返ってみると、田代検事ははじめから小沢さんを追い込むために虚偽の調書を作成。それに基づいて上司に報告書を提出し、検察審査会もそれを鵜呑みにして強制起訴を決めたという流れになり、これは素人目にも「出来レース」の感じがしてなりませんし、日本の検察組織そのものの体質に大きな問題を抱えているように思えます。

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