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2012/03/03

アイスランド視察を終えて

アイスランドの地熱資源利用状況を調査するため、2月16日~20日の日程で同国を訪問しました。何せ、国会開会中の合間を縫っての強行スケジュールであり、飛行機を長時間乗り継いで現地滞在はわずか2日でしたが、それなりの成果を得て帰国することができたと思います。なお、この合同調査団は国会議員(民主2名、自民・公明各1名)、資源エネルギー庁の審議官のほか、独立行政法人ジョグメック(石油天然ガス・金属鉱物資源機構)や経済界の関係者、ジェトロロンドン支店長、学者ら総勢20名という編成でありました。

野田首相の親書を携えた私たちはまず、アイスランドのヨハンナ・シグルザルドッティル首相と会談。また、オッシュル・スカルプヘイジンソン外務貿易相、スバンディス・スババルスドッティル環境相と意見交換し、日本とアイスランドの今後の協力推進に関する覚書を交わして参りました。さらに、地熱関連各企業との情報交換会に臨み、レイキャビク・エナジー社の地熱発電所も見学させていただきました。

アイスランドでは1930年代、石炭発電によるスモッグに悩まされていたそうです。その後、石油に切り替えたのですが、1970年代のオイルショックを受けて政策を大幅に見直し、地熱発電に転換したとのことです。そして現在、首都のレイキャビクでは90パーセントが暖房に摂氏80度くらいの熱水を利用しています。

実際に、私たちが宿泊したホテルも訪問先の政府系の施設も、全てこの熱水によってやや寒さを感じる程度の快適な温度に保たれていました。全体で見ると地熱の47パーセントはこの暖房に、37パーセントは発電に利用されており、残りは温室栽培(2パーセント)、養殖(4パーセント)、製造産業(2パーセント)、融雪(4パーセント)、温水プール(4パーセント)などにも使われています。

私たちは養殖施設も見学しましたが、ヒラメやアワビ、タラなど多くの種類を地熱を利用して育てており、その大きさにも大変に驚かされました。また、極寒の地であるにもかかわらず保養地には広大が温泉があり、そこでくつろぐアイスランド国民の皆さんが非常に羨ましく思えた次第です。

ところで、日本ではこの10年来、新規の地熱発電が全く行われておりません。現時点で50万キロワットの地熱発電が稼動しておりますが、2300万キロワットのポテンシャル(可能性)があると予測されております。しかし、環境省の国立・国定公園内の厳しい規制が壁となったり、地元温泉地の反対を受けてなかなか進んでおりません。

今後、日本でも地熱発電だけではなく、アイスランドのように暖房や温室栽培、養殖、融雪、保養など地域全体で幅広く活用していくという視点も大事なのだと思うのです。

1970年代から日本は原子力発電への依存度を高めてきましたが、昨年の原発事故によってこの国のエネルギー政策は大きな転換期を迎えております。地熱や風力、太陽光、バイオマスなど再生可能エネルギーの普及を急ピッチで進めなければならないのではないでしょうか。

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 ▲アイスランド首相に野田総理の親書を手渡す調査訪問団

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 ▲アイスランドの外務貿易相、環境相らと会談、情報を交換する

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 ▲地熱に関する両国の協力関係を推進するための覚書にサイン。

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