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2012/06/18

今、なぜ強行突破か

先週、民主・自民・公明の3党は社会保障関連法案をすべて棚上げし、消費増税に合意しました。社会保障関係をかなぐり捨て、増税1本で突進した野田首相はいったいどうなっているのでしょう。党内が分裂しようが、マスコミから「丸呑み」と言われようが、何が何でも今国会会期末までに決着しようとする意味が全くわかりません。

ところで2009年の衆議院選挙の時、民主党は4年間の増税はしないと国民に約束しています。その約束をしてもいない増税を通すため、他の公約をすべて破ってしまっては、国民が納得するはずもありません。

「高速道路無料化」「暫定税率の廃止」「子ども手当」「最低保障年金」「農家の戸別所得補償」「コンクリートから人へ」など、どれをとっても国民にとってわかりやすく、広く支持を得られそうな政策でした。大看板「国民の生活が第一」を掲げ、政権をとったら民主党はこれらの公約を実行する―と約束したのですから、国民は熱狂し、歴史的大勝利を治めたのです。

しかし今、農家の戸別所得補償以外ことごとくその旗を降ろしてしまったのです。これではひどすぎます。国民は怒り狂っています。落胆や失望どころではありません。地方議員を長くやってきた私も、あの大勝利の瞬間は「日本の政治が大きくかわるんだなあ」と感動したものです。当選後初の衆議院本会議場は民主党の国会議員が300名以上、自民党がたった118名でした。民主党が議席で自民党を圧倒し、鳩山首相の登壇に議場は熱狂したものです。

それが今や、国民は民主党の国会議員に向かって公然と「ウソつき」「裏切り」と罵りの言葉を投げかけます。このように、国民の怒りは頂点に達しています。今回の自公との合意は、選挙で掲げたほとんどの旗を降ろしたばかりか、民主党の立党の精神をも大きく踏みにじることになります。

もし21日までに強行突破すれば党は分裂し、混乱を招き、それに乗じて自民が手を突っ込んでさらにガタガタにされ、解散せざるを得なくなるでしょう。今のままで行けば、党がどんな努力をしても次の選挙は大敗北。民主党が再び政権の座につける可能性など皆無でしょう。

「民主党もダメ、自民党もダメ」。国民のすさまじい失望感と不信は、民主主義が最も敵とするファシズムに向かって、あっという間になだれ込んでいく危険をはらんでいるのです。我々は過去の歴史を振り返り、たった1人の愚かな政治家の判断が、すべての国民を不幸に導いたということを忘れてはなりません。

今こそ政治は歴史的教訓に学ぶ時ではないでしょうか

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