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2012/06/09

複雑怪奇な政争

小沢さんとの会談が不調に終わったのを受け、野田首相は自民党の側に舵を切り、社会保障と税の一体改革関連法案の修正協議を決意しました。しかし、自民党はあくまで解散を前提にしており、しかも民主党の看板である最低保障年金法案などの取り下げを強く要求しています。

もっとも、これに民主党が応じるわけはありません。既に野田首相と元小沢代表、輿石幹事長の間には「解散はしない」という暗黙の了解事項が存在しているのですし、関連法案の取り下げとなれば小沢系だけではなく中間派も反対に回ります。自民党の主張を受け入れれば、民主党内の混乱は目に見えているのです。

こうした動きの中、7日になって自民党は解散含みの強行突破が無理と判断し、一転して柔軟路線に切り替えて修正協議に応じる事を決定し、8日には「社会制度改革国民会議」創設を提案。民主党もこれに同意しました。これは社会保障関連の議論の一部を当面棚上げしようというのです。こうした自民党のやり方は実に巧妙―と言わざるを得ません。

「民主党の賛成派と組んで一挙に衆院で採決に持っていく。そうすれば、小沢一派は必ず反対に回り、民主党は分裂するだろう。党が割れてガタついているところに攻め込み、解散に追い込もう」。つまり、こういう作戦なのだと思います。

果たしてこれが成功するか否かですが、私は非常に難しいと見ています。仮に修正協議の場でトーンダウンして関連法案を取り下げることに合意しても、党内の合意を取り付けるのは至難の業です。ましてや、小沢系議員の皆さんは「絶対阻止」を掲げています。

もし、野田首相が党の分裂も覚悟の上で解散に打って出たとしたら、今の民主党の支持率では壊滅的な敗北が予想されます。自民党とてある程度の議席増は見込めても、大幅な伸びはありえません。

数日前の朝日新聞の世論調査によると、「消費税法案を今国会で成立させるべき」としたのは17パーセントに過ぎず、「こだわるべきではない」としたのは72パーセントでした。すなわち、この不況のときに国民の誰も得をしない増税なのに、野田首相はなぜ「不退転の決意」を連発し、のめり込んでいるのかです。これは私のみならず、多くの国民の皆さんも理解に苦しむところではないでしょうか。

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