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2012/07/23

抜け道の増税法案

消費税が今の5%から10%になれば、今より13.5兆円増える事になっていますが、この収入は社会保障のために使われると大半の国民は信じていると思います。

ところが、そうでもないのです。先週の参議院での議論を見ている方は気付いたかもしれませんが、増税法案の抜け道がちゃんと用意されているのです。

増税法案の付則18条の2項というのがあります。

これは、3党合意の時、自民、公明からの強い要求に応じて付け加えられたのです。一部紹介します。

 

「―成長戦略並びに事前防災及び減災等に質する分野に資金を重点的に配分する事など、我が国経済の成長等に向けた施策を検討する」云々と。

これは増税分を社会保障分野だけでなく、このような分野にも使ってよいのだという事を明記してあるからです。

 

皆さんは、「えっ!そんなバカな。税と社会保障の一体改革のはずだ」とお思いになるでしょう。

ところが、自公は、したたかなのです。

折しも、自民党は次の衆議院選の公約に、10年間で公共事業200兆円を投資する国土強靭化基本法案を準備しているのです。

公明党も100兆円の公共事業を進める法案を用意しているのです。

 

だから、ちゃんとこれらへの使途のための付則182項を追加させたのです。

恐らく、これは財務省の知恵だと思います。

 

しかし皆さん考えてください。

次の選挙で自民がもし政権をとったら、またまた逆戻りです。

1000兆円にも達しようとする国の借金の大半は、自民党の公共事業至上主義にあったのです。だから鳩山さんはムダな公共事業をストップさせるため、コンクリートから人へと「スローガン」を掲げたのです。

野田首相はどうしてここまで譲歩したのでしょう。

なりふり構わぬ首相の姿勢に皆さんはどう思うでしょうか。

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2012/07/16

新党結成の時

7月11日午後6時から、国会議事堂の真向かいにある憲政記念館で新党の結成大会が開かれました。国会開会中のことであり、時節柄あまり派手なことはすべきではないということでしたので、イベントめいた仕掛けはなく、大会は非常に質素なものでありました。

しかし、49名の国会議員が民主党を離れ、「国民の生活が第一」という原点に立ち返ろうと決意・結集したのですから、会場は燃えるような熱気に溢れていました。又、この日は100名以上のマスコミ関係者が取材に駆けつけ、会場はごった返しておりました。

代表となった小沢さんが原稿をゆっくり読みながら、力強く立党の趣旨を述べたあたりから会場内の雰囲気はますます盛り上がってきました。小沢さんは普段よりも緊張した面持ちに見えましたが、挨拶を終えた時に少し涙ぐんでいたような気がいたします。

この新党の立ち上げに対するマスコミの反応は冷ややかでしたが、彼らはあの日あの時、新党結成のために集まった議員の熱意と熱気をどう受け止めたのでしょうか。

さて、「国民の生活が第一」を看板に掲げる新党の主なスローガンは、復興の最優先と増税に頼らない財政再建、景気回復、原発を止めて再生可能なエネルギーへの転換を急ぐこと、中央集権から地方主権への移行などです。今週中にも主な政策は発表されることでしょう。

ところで、この新党に対する国民の反応です。

7月14日に行われた共同通信の世論調査の結果を見ると、政党支持率は「国民の生活が第一」が4.8パーセント、民主党が15.4パーセント、自民党が17.8パーセント、公明党と共産党が共に3パーセント、みんなの党が5.9パーセント、社民党が0.9パーセントなどとなっております。

ただし、この数字は全国の有権者1012人に対する電話調査の結果であり、一定の傾向はつかんでいるとは思うのですが、必ずしも実態を正確に示したものではありません。とりあえずは、この調査で示された新党の支持率4.8パーセントをどう見るかです。

民主党・自民党という2大政党には及ばないものの、公明党・共産党よりも高い支持であり、みんなの党に接近しています。看板をかけたばかりの新党にしては、まずまずではないかと私は思います。

さらにこの調査で注目すべきは「国民の生活が第一が今後、どのような政治勢力と連携していくのが良いと思いますか」という質問です。これに対して、「地域政党などと連携するのが良い」とした回答は実に40.4パーセントとなっています。この数字はとても重要です。今後、新党は単独ではなく、地域政党と組むべきという国民が4割に達している点に注目しなければなりません。

既成政党に対して多くの国民が失望している中、イタリアの「オリーブの木」のように新党を含めた少数政党が統一スローガンの下に結集することにより、活路が大きく開ける―と、私は確信しております。

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2012/07/08

分裂、除名、新党結成

6月26日~本会議で増税に反対(民主党から反対退席73名)。
7月2日~民主党衆参両院議員50名、離党届を提出。
7月3日~民主党が衆院議員37名に除名処分。
7月4日~離党した衆参両院議員51名で新会派結成。
7月11日~新党結成(予定)。

振り返ってみると、実に慌しい1週間でした。思えば2009年9月に民主政権が樹立された当時、日本が大きく変わると大方の国民は期待をかけたのです。しかし、野田首相は先の衆院選で掲げた旗を自民・公明両党の言うがままに次々と降ろしてしまい、民主党は立党の精神さえも失ってしまったのです。

今から13年前、自民党を離れた私は秋田の民主党県連を立ち上げ、さんざん苦労を重ね、やっとのことで政権与党の一員となりました。にもかかわらず、ひとつの政策を巡って党内論争となり、除名に至ったことは誠に残念に思います。それでも私は、政治信念を曲げることだけはできませんでした。新党は小沢一郎さんを代表とし、週明けの11日に結成集会を開くことになっております。

一方、マスコミの小沢さんに対する態度は徹底して冷淡です。中には「どうせ小沢の私利私欲のため」といった決め付け、さらには夫人の手紙を持ち出しての人格攻撃まで始まっています。いかに小沢さんが悪者で、新党の将来は期待できないか―を彼らは書き立てています。しかし、これら報道は事実なのでしょうか。

小沢さんは「政治主導でこの国家を変えなければならない」という一貫した考えをお持ちです。そして、鳩山政権が成立してすぐ手がけたことは、100年以上も続いてきた事務次官会議の廃止でした。事務次官会議はこれまで事実上この国家の意志決定をしてきたのです。火曜日と金曜日の閣議は内閣法によれば「最高の意思決定機関」なのですが、実際はそうではなかったのです。

そして、予算編成権を財務省から内閣に移すための「政治主導確立法案」、各省庁のトップに委ねられていた人事権を内閣が握るための「国家公務員法改正案」、国会議員を各省に増員させるための「国会法関連法案」など、いくつもの法案を準備していたのです。

だいぶ前のことになりますが、私が小沢さんにこれらを指して「すごい法案ばかりあるのですね」と話しかけましたところ、「そりゃあ革命的改革をやらねばならんからね」と明言されました。その時、私は小沢さんという人は、大変な改革者であると思ったのです。また、メディアを通した「小沢像」と実際の小沢さんとでは全く別人であることに私は気づいたのです。

ただ、菅首相の不用意な消費税増税発言がなく、参院選も民主党が勝っていたならば、これら法案は成立して日本の統治機構は確実に変わっていたのではないでしょうか。

さて、今後です。9月8日の会期末までに、今年度予算に不可欠な42兆円の国債(借金)発行のための特例公債法案をどう対処するかです。与野党の天王山はここだと思います。法案を通す代わりに、解散を約束させようとする自民などの野党。安易に乗れない与党。両者の攻防が続くのです。

もうひとつ、解散するためには1票の格差を解消するための選挙制度改革もあります。先の衆院選の格差を最高裁は違憲と判定しています。最低限、0増5減は必要です。しかも、法改正から周知期間が数ヵ月となれば、解散は近くても今秋ということになるでしょう。

予測は難しいのですが、新党が名古屋の減税日本や大阪維新、みんなの党などといくつかの主要政策で一致し、連携の軸ができれば状況は大きく変わるはずです。民主党・自民党の「増税」「原発推進に対する対決軸が明確となり、分かり易くなると思われます。

ただメディアという名の「プリズム」を通すと屈折の多い情報になりがちです。これをストレートに受け止めるのか、あるいは冷静に私たちの行動を見つめていただけるのか。この辺が、今後の政治の流れを決めていく上で、非常に重要なポイントになるのではないでしょうか。

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2012/07/01

増税と政局の危うさ

民主党内で揉め続けた増税法案が、6月26日の本会議で可決されました。民主・自民・公明の3党を中心に363人が賛成、96人が反対。うち民主党から反対に回ったのは57人、欠席・棄権は16人でした。当日、首相官邸では「造反はどうせ20人~30人程度」と甘く見ていたようですので、これだけ大量の造反を出したことに大きなショックを受けたのではないでしょうか。

私自身はかねてから主張してきた通り、(1)円高デフレ不況下での増税は、経済政策として必ず失敗する。(2)社会保障関連法案を棚上げしたまま、事実上、増税法案だけを通すのは国民への背信行為である。(3)議員定数減、行革、特別会計の見直しがほとんど手付かずのまま増税を先行させるべきではない―などの理由から反対させていただきました。

党の代表でもある野田首相がその政治生命を懸け、党議拘束をかけた法案ではありましたが、私は政治家としての信念を貫いた次第です。

この後の政局ですが、おそらく小沢さんは衆参の同志50人以上を引き連れて離党し、新党を立ち上げることになるでしょう。そして、この分裂で民主党内は引き締まるどころか、さらにタガが緩むと見ています。当然、自民党はここにすかさず手を突っ込み、徹底して追い詰めてくるでしょう。自民党のねらいは、あくまで政権奪還にあるのです。

時に選挙のことですが、今回の分裂騒動によって民主党の支持率はついに10パーセント前後にまで下がってしまいました。今ここで解散したならば、民主党は壊滅的な打撃を受けると思います。野田首相をはじめ、党役員の皆さんはこのことを当然理解しています。ですから、自民党の谷垣総裁がいくら迫ったところで、解散の約束ができないのです。

また、解散を求める自民党とて、単独過半数近い議席の獲得は望めません。それよりも、国民の関心は大阪維新に向いています。今後、この大阪維新や名古屋の減税日本、そしてみんなの党などの動きがどうなるかです。仮に「小沢新党」が発足したとき、単独行動となるのか、これら政党と連携するのかが注目されています。

ところで、今回の増税を巡る一連の動きの中で、私が気になったのは民主党や自民党といった大政党も、経済界も、さらには大手マスコミを筆頭に日本中が「消費税」一色に染まった点です。まるで増税が善で、これに反対するのは悪であるかのような論調ばかりではなかったでしょうか。

例えば「造反組」「小沢一派」などといった新聞の見出しを目にし、私などは戦争前夜を思い出しました。あの当時、戦争に反対して国会で反軍演説を行った斎藤隆夫代議士は徹底した指弾を受け、民間人も少しでも戦争反対のそぶりを見せれば、治安維持法を盾に即座に「アカ」と決め付けられて官憲に引っ張られたりしたのです。政争に明け暮れた政党は、ついには大政翼賛会に吸収され、民主主義は死にました。

今回党議拘束に逆らって反対した議員を罵り、厳罰に処せよと官邸に乗り込んだ同僚国会議員の行動は危うさを感じます。又、来る日も来る日も1人の政治家を執拗に叩くメディアの存在も気になります。

原発にしろ大震災にしろ、今この国で起きていることはいずれもこの国家の土台を揺るがすくらいに重要です。その後始末も片付かないうちに「分裂もかまわず」とばかりに増税に向けて走り出し、なりふり構わず突っ切ろうとするこの国の指導者のふるまいもまた、危うく見えて仕方ありません。

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