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2012/07/01

増税と政局の危うさ

民主党内で揉め続けた増税法案が、6月26日の本会議で可決されました。民主・自民・公明の3党を中心に363人が賛成、96人が反対。うち民主党から反対に回ったのは57人、欠席・棄権は16人でした。当日、首相官邸では「造反はどうせ20人~30人程度」と甘く見ていたようですので、これだけ大量の造反を出したことに大きなショックを受けたのではないでしょうか。

私自身はかねてから主張してきた通り、(1)円高デフレ不況下での増税は、経済政策として必ず失敗する。(2)社会保障関連法案を棚上げしたまま、事実上、増税法案だけを通すのは国民への背信行為である。(3)議員定数減、行革、特別会計の見直しがほとんど手付かずのまま増税を先行させるべきではない―などの理由から反対させていただきました。

党の代表でもある野田首相がその政治生命を懸け、党議拘束をかけた法案ではありましたが、私は政治家としての信念を貫いた次第です。

この後の政局ですが、おそらく小沢さんは衆参の同志50人以上を引き連れて離党し、新党を立ち上げることになるでしょう。そして、この分裂で民主党内は引き締まるどころか、さらにタガが緩むと見ています。当然、自民党はここにすかさず手を突っ込み、徹底して追い詰めてくるでしょう。自民党のねらいは、あくまで政権奪還にあるのです。

時に選挙のことですが、今回の分裂騒動によって民主党の支持率はついに10パーセント前後にまで下がってしまいました。今ここで解散したならば、民主党は壊滅的な打撃を受けると思います。野田首相をはじめ、党役員の皆さんはこのことを当然理解しています。ですから、自民党の谷垣総裁がいくら迫ったところで、解散の約束ができないのです。

また、解散を求める自民党とて、単独過半数近い議席の獲得は望めません。それよりも、国民の関心は大阪維新に向いています。今後、この大阪維新や名古屋の減税日本、そしてみんなの党などの動きがどうなるかです。仮に「小沢新党」が発足したとき、単独行動となるのか、これら政党と連携するのかが注目されています。

ところで、今回の増税を巡る一連の動きの中で、私が気になったのは民主党や自民党といった大政党も、経済界も、さらには大手マスコミを筆頭に日本中が「消費税」一色に染まった点です。まるで増税が善で、これに反対するのは悪であるかのような論調ばかりではなかったでしょうか。

例えば「造反組」「小沢一派」などといった新聞の見出しを目にし、私などは戦争前夜を思い出しました。あの当時、戦争に反対して国会で反軍演説を行った斎藤隆夫代議士は徹底した指弾を受け、民間人も少しでも戦争反対のそぶりを見せれば、治安維持法を盾に即座に「アカ」と決め付けられて官憲に引っ張られたりしたのです。政争に明け暮れた政党は、ついには大政翼賛会に吸収され、民主主義は死にました。

今回党議拘束に逆らって反対した議員を罵り、厳罰に処せよと官邸に乗り込んだ同僚国会議員の行動は危うさを感じます。又、来る日も来る日も1人の政治家を執拗に叩くメディアの存在も気になります。

原発にしろ大震災にしろ、今この国で起きていることはいずれもこの国家の土台を揺るがすくらいに重要です。その後始末も片付かないうちに「分裂もかまわず」とばかりに増税に向けて走り出し、なりふり構わず突っ切ろうとするこの国の指導者のふるまいもまた、危うく見えて仕方ありません。

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