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2013/12/13

特定秘密保護法をどう見るか

騒然とする中、国会で「特定秘密保護法」が与党の賛成多数により強引に成立しました。これは野党のみならず、日弁連や評論家、マスコミ、学者、文化人などがこぞって反対していた法律です。もっとも、ごく普通に暮らしている一般国民の皆さんは、その内容が難しかったこともあり、関心が薄かったようにも思えます。

そもそも、独立した国家に国家機密や秘密があるのは当然のことです。ましてや、外交や防衛については国家の存続にかかわる情報など、外部に漏らせない秘密が伴うのは当たり前といえます。そして今回、政府が法律の成立を急いだのは、アメリカから武器や安全保障に絡む情報提供を受けるため―という事情があってのことでしょう。

しかし、この法律には不備がいくつも存在します。

まず、秘密の範囲がどこまでのなのかはっきりせず、官僚の思惑によっていくらでも拡大適用できる点です。また、秘密を探ろうとマスコミが関係者に接近し、情報を得ようとすれば「そそのかし行為」として罰せられます。

かつて、沖縄返還をめぐって毎日新聞政治部の西山太吉記者が外務省の女性事務官に接触し、機密情報を得るという事件がありました。これも「そそのかし行為」に当たるとして、国家公務員法違反で有罪判決を受けているのです。この例を見ても、秘密の範囲を厳密に規定する第三者機関や国会での監視が必要であることが分かります。

さらに、この法律はスパイ活動やテロ活動を防止するための調査や捜査を行うため、公安警察が広範囲に暗躍する恐れもあると考えられます。かつて私たちの国家は戦争遂行のため、治安維持法や戦時立法を盾に国民の思想信条にまで踏み込み、徹底した監視体制を敷きました。この苦い経験を忘れてはなりません。

法律は成立しましたが、施行前に大幅な見直しや情報公開法の改正を行う必要があるでしょう。

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